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- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/09/01
- 出版社: ナナロク社
- サイズ:19cm/109p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-904292-82-2
紙の本
バウムクーヘン
著者 谷川 俊太郎 (著)
ヒトが木の年輪(バウムクーヘン)のように精神年齢を重ねていくものだとしたら、現在の自分の魂の中にゼロ歳から今に至る自分がいてもおかしくない−。ディック・ブルーナ装画、名久...
バウムクーヘン
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商品説明
ヒトが木の年輪(バウムクーヘン)のように精神年齢を重ねていくものだとしたら、現在の自分の魂の中にゼロ歳から今に至る自分がいてもおかしくない−。ディック・ブルーナ装画、名久井直子装丁による、谷川俊太郎の詩集。【「TRC MARC」の商品解説】
著者の自選による、初収録のひらがな詩46篇を収録。
装画は、「ミッフィ―」のディック・ブルーナ氏による鮮やかな花の絵です。
かなで書いているので、子どもの詩集と思われるかもしれませんが、これは私の中に今もひそんでいる子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です。
ヒトが木の年輪(バウムクーヘン! )のように精神年齢を重ねていくものだとしたら、現在の自分の魂の中にゼロ歳から今に至る自分がいてもおかしくありません。
ハハ、チチ、バアバ、ジイジなどが登場しますが、特定の家族ではなく、架空の家族の架空の場面をイメージして書いています。 谷川俊太郎/本書あとがきより【商品解説】
著者紹介
谷川 俊太郎
- 略歴
- 〈谷川俊太郎〉1931年生まれ。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。著書に「あたしとあなた」「こんにちは」など。
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紙の本
こどものことばでおとなのこころをかく
2018/11/20 15:35
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷川俊太郎さんは1931年12月生まれだから、今年(2018年)で87歳になる。
最初の詩集『二十億光年の孤独』が出たのが1952年だから、まさに20歳の青年による瑞々しいデビューだった。以来、70年近い歳月を谷川さんは詩人であり続けている。
もちろん、翻訳、絵本、作詞、シナリオ、さまざまな活動をしているが、谷川さんの場合、どんな活動であっても「詩人」という軸はぶれないままできたように思う。
谷川俊太郎という「詩人」をもったことを、私たちはもっと誇りにしていいのではないか。
そんな谷川さんの新しい詩集がこの作品だ。
「詩人」はこの詩集について、こんなことを綴っている。
「かなで書いているので、子どもの詩集かと思われるかもしれませんが、これは私の中に今もひそんでいる子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です」と。
そう、この詩集に収められて46篇の詩全篇が「ひらがな」と「カタカナ」で書かれています。そして、谷川さんはりっぱに「老人」ですから、それも正しい。
そして、谷川さんがいうように、谷川さんの中には今でも小さな子どもがいるのでしょう。この子こそが谷川さんがずっと「詩人」であり続けられる原点のような気がします。
でも、そんな詩の中に一カ所「漢字」を見つけました。
それは「し」という詩。
架空の家族の「チチ」が書いているのが「詩」だと、漢字で書かれています。
この詩の続きに「こどものことばでおとなのこころをかく」、それは「こどものことばにはおとなにくらべて/うそがすくないから」とあります。
谷川さんの中にひそんでいる子どもの言葉です、きっとこれこそが。
紙の本
年齢を重ねることで子どもから大人まで積み重なった言葉が表われてくる
2021/10/03 23:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷川俊太郎は好きなので、詩集だけでなく絵本やその他もろもろよく読ませてもらっているのだけれど、この本は谷川俊太郎だからというだけでなく、表紙絵から造本からとても気になってしまい、いわゆる装丁買いをしてしまった。
新書版サイズに、白を地にしたディック・ブルーナの装画があり、活字も丸みのあるゴシックという、表紙を見ているだけでも時間が過ぎていってしまう。装丁をしている名久井直子が考え出したのか、編集者の川口恵子のアイデアなのか。少なくとも著者の言葉の中ではブルーナについて一言も触れられていないので、谷川俊太郎のアイデアではないと思うが、どうだろう。
ともかく、この装丁だけで買ってしまっても良い、手元に置いておきたいと思ってしまう。
加えて、ここに収められている谷川の詩はすべて、かなで書かれているのだ。これがまた、装丁の雰囲気と似合っていて(と言うより、本当は谷川の詩の雰囲気を感じ取って作られた装丁なんだろうけれど)、読んでいてスッと内に入ってくる。
「子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です」と谷川の言葉にあるが、本当にそんな不思議な雰囲気の詩集なのだ。
特に「ふたり」という詩は、かなで書かれていて子どもが書いたようなフリをしているけれど、その内容はどうみても年齢を重ねた大人の口ぶりであり、読んでいて妙な気分になる。
一つ一つの詩は、10数行で書かれていて、本の見開きで1編ずつとなっているのも、ページをめくっていくと何だか不思議な気分になってくる。
このように装丁から内容から、いろいろな点で楽しめる1冊になっている。