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- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/12/11
- 出版社: 岩崎学術出版社
- サイズ:19cm/213p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7533-1149-1
紙の本
精神科医の思春期子育て講義
著者 皆川 邦直 (著),生田 憲正 (編),柴田 恵理子 (編),守屋 直樹 (編)
わが国の思春期青年期精神医学のエキスパートとして知られていた皆川邦直が、思春期の患者を抱える親を対象に行った一連の講義を書籍化。現代の子育て、子どもの発達、問題行動への対...
精神科医の思春期子育て講義
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商品説明
わが国の思春期青年期精神医学のエキスパートとして知られていた皆川邦直が、思春期の患者を抱える親を対象に行った一連の講義を書籍化。現代の子育て、子どもの発達、問題行動への対処について語る。【「TRC MARC」の商品解説】
〈解説〉より抜粋
この本の講義は、グループでの親ガイダンスの前に、親への子育てに関する心理教育をするために、講義形式で行われたものです。本書の中で先生は、親の育て方が悪かったなどの罪悪感や不安、絶望感にとらわれるのではなく、子どものこころに何が起きているのかを理解する方向へと、軸足を移していくことを勧めています。
思春期青年期のこころの発達を理解する上で、本書にある「愛着(対象との強い絆)」、「分離(対象との分離や離別)」と「個体化(自分自身を作ること)」の三つをキーワードとして考えることができます。人のこころの発達は、生後一年間に、母親対象との間で強い絆を作ると同時に、その母親と自分は別個の存在であることに少しずつ気づき、自分という意識を持つようになります。この三つの側面は、その後のこころの発達においても続き、一生を通じて繰り返し現れます。思春期青年期における親への自己主張や反抗が大人を悩ませますが、これは本書にあるように、象徴的に親を「超えること」や「心理的親殺し」という分離の側面を現しています。また、仲間や友達関係を作り、愛情対象を選び出すことは、愛着形成の側面を現しています。さらに「自我理想を現実に沿って置き換える」については、たとえば野球選手やサッカー選手になりたい、アイドルになりたいという、大きいけれど画一的な夢から、現実的な目標へと変化していくことであり、それは個の確立を現しています。
また、この講義で先生は、思春期青年期を中学三年から高校一年あたりを境に、大きく二つに分けて考えています。そして、思春期前半については、二次性徴にともなう体の変化が生じ、それをどのように受け入れていくかという課題があること、後半については、子ども時代や親対象にどのように別れを告げ、愛情対象の選択や職業選択ができる大人になっていくのかについて述べています。
思春期青年期では、これまで述べたような発達の課題があり、子どもは大きく揺れ続けます。そして、先生の講義では、両親が子どもに起きていることをどのように理解するか、揺れる子どもに対して、どのように接したらよいかについて具体的な示唆を与え、子どもが困難な時期を乗り越え、先に進んでいく力を信じるように励ましています。その際に、夫婦の間に何か問題があったとしても、子どもへの対応については、両親が協力して、一枚岩になって対処することの重要性を繰り返し述べています。さらに、第2章では、困難な時期を夫婦が協力して乗り越えることで、夫婦間の親密さが戻ることや、夫婦仲を良くするためのヒントまで話されています。また、第3章では、こころの発達を一時的に止めてしまうこと(不登校)、攻撃性の問題(家庭内暴力)、生きる方向ではなく死ぬ方向に考え出す(希死念慮や自殺企図)や性的逸脱の問題(性非行)について述べています。【商品解説】
目次
- 第1章 現代の子育て
- 第❶講 現代社会と家庭――重くなっている親の養育責任
- 「長いものには巻かれろ」から「個の確立」を必要とする社会へ
- 1 昔と現代の社会
- 2 昔と今の若者に求められる「一人前の条件」
- 第❷講 現代の中学生・高校生の悩み
- 1 中学生の悩み――自分について
- 2 中学生の悩み――親子関係・友人関係について
- 3 高校生の悩み――自分について
- 4 高校生の悩み――親子関係・友人関係
著者紹介
皆川 邦直
- 略歴
- 〈皆川邦直〉1946〜2016年。東京生まれ。日本思春期青年期精神医学会会長。法政大学から名誉教授号を授与される。著書に「思春期患者へのアプローチ」など。
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思春期の子どもへの対処の方法を教えてくれます!
2019/01/19 10:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、精神科医として長い経験をおもちの皆川邦直氏による思春期の子どもへの対処方法、対応の仕方を丁寧に教えてくれる一冊です。思春期を迎えると子どもの身体的発達はもちろん、精神的発達も急速に見られるようになり、かつその両者のギャップによっていろいろな問題行動が見られるようになります。こうした思春期の子どもたちにどのように接したらいいのか、また問題行動に対してどのように対応すればよいのか、そういったことを分かりやすく教示してくれる貴重な一冊です。