紙の本
テレビでみた衝撃が忘れられない
2019/02/22 09:26
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の内容がテレビで放送されたときの衝撃は忘れられない。
この世代だけが、実質賃金が下がっている実態。
上の世代は過去の昇給ボーナスの恩恵があり、下の世代は景気回復(株価上昇だけのアベノミクスだが)と重なり、若手の潜在力への期待やら労働力不足やらで売り手市場になっている。
「アラフォー・クライシス」という言葉は、もっと世間で問題にされてもよいのに、盛り上がらないのが不思議だ。「どの世代も苦しい」という声に埋もれているのだろうが、働いても賃金が下げられているという実態が数字で現れているというのに。
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就職氷河期世代の不遇な実態を取材した本です。主に非正規雇用の方の話が多いです(一部だけ正社員の話もあり)
アラフォー世代へ取材した内容が赤裸々に綴られていて、就職できない、結婚できない、将来の不安しかない、エトセトラ、読めば読むほど暗くなります。。
40〜44歳はその上の世代より平均給与が23300円低いそうです。これは非正規が多いためではなく正社員でもそうで、給与が低くなる理由は3つあるそうです。一つは研修機会が少なかったこと。経済状況が悪化していたためどの会社も研修に力をいれることができなかった。2つ目は勤続年数が少ないこと。希望の会社に入れず、途中で転職し、給与が下がった人が多い。3つ目は昇進昇格が遅いこと。一つ上の世代はバブル期就職組で大量採用されたところが多く、上が詰まっている。
この世代の人は損をした感覚が強いとよく聞きますが、これを見て本当にそうだなと感じました。
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自分がこの世代であるが、就職と結婚が出来ている。たまたま友人にも非正規で働いている人は少ない。何がその違いを生んだのかは分からないが、大量にいる同世代の非正規の方々の残50年はどのようなものになるのだろう?
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放送もリアルタイムでみていて、同年代ゆえに何とも言えない気持ちにさせられました。
その放送をベースにしたこの本では、その時以上に自分の中にある漠然とした不安を細かく言葉で露出させられた気がして、モヤモヤというか、何ともやるせない気持ちになりました。
就職氷河期のさなかでは「正社員での就職」が第一関門。
山一に内定が出ていた友人が、卒業後の行先を失ったことを知って崩れ落ちる場面も目のあたりにしましたし、女子には説明会の門戸が狭くて請求した資料も届かず懸賞生活なみにハガキを書いて一日が終わるなんていうこともザラでした。
真っ当に就職できるか否かも運次第、紙一重だったと思います。
その後「新卒就職」という関門を突破しても「(女性でも)責任ある仕事」「年功序列の見直し」「能力主義」など求められるものが一気に押し寄せてきてその荒波を泳ぐことに精一杯…。
自分たちの世代だけが割を食ったみたいな言い方はしたくないけれど、もう少し早くに生まれていたら、あるいはもう少し遅くに生まれていたら、見える世界は違ったんだろうなとまま思います。
最終章は、タイトルにもあるように”希望は作るもの”ということを気づかせてくれました。
どういう立場であれど、滅入るだけでなく気持ちをポジティブに向かわせてくれる章があって良かったです!
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アラフォークライシスとはまさに、経済危機の天災と政策ミスによる人災である。
Twitterをはじめてから『氷河期世代』って単語を目にし、40代のとある年代の人達のことを指してることを知った。
世の中でいったい何が起きてたのか?
自分が何かできる訳ではないが、今後の日本の社会保障制度を紐解き・予測する為にも、この本は一読の価値がありますね
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氷河期世代。自己肯定感が低いのは見ていてもわかる。団塊の世代の根拠のない自信と同じように、根拠のない自己肯定感の低さ。
ウイークタイに会いに行く。うーん。
あと十年で準備というが、さて団塊が既得権を手放すか。
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ロスジェネがアラフォーになりまして、という感じか。正直言って絶望しかない。知れば知るほど恐ろしすぎる現実。取り返しはつかない気がする。ただ、この世代よりも前にも割りを食った世代はあったとは思うんですよね。オイルショック期の新卒とか。そういう世代は其の後どうなってるんだろう?まだ社会が流動的だったから階層としては固定化しなかったのかしら?
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クローズアップ現代に2017年、2018年取り上げられたテーマの書籍化。
就職氷河期が当たった世代はずっと不遇。
これは努力が足りないのではなく、社会問題。にもかかわらず、「自分のせい」といって自分を責める姿勢は身近に見られる光景だ。
ここの世代だけ低い給与(えっ、下の世代も低いんじゃないの?)
ここの世代が最も高い非婚率(えっ、若い人は結婚しなくなっているっていう話じゃないの?)
最初の就職が非正規だと既婚率が下がる(そこに関係するのか!)
と、データが面白いので一読の価値あり。
非正規雇用のスパイラルにハマっている世代なのに、当事者はそれを諦めにも似た境地で受け入れている。その当事者が、自分の置かれた世代を客観的に見るのにいい資料だと思う。
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第三次ベビーブームが来なかったのはなぜだろう、とずっと思ってたのですが、その解が、ここにありました。
自分は、第二次ベビーブーマーで、就職する際には、氷河期と言われた世代。
とはいえ、幸いにも普通に就職して、20年以上普通に過ごしてきたので、第二次ベビーブーマーや、その後の世代を全体として捉えたときに、どのようなことが起こっているのか、に思いが至りませんでした。
が、その一方で、確かに、職に関しては、苦しんでいた同級生なんかもいて、そういう意味では、アラフォークライシスに気づき得ることはできたのかも、と、この本を読んで思いました。
この本が日本に突きつけた課題をどうクリアしていくのか、これは、今すぐにでも手を付けないといけないことだと思います。
それから、同じような状況が次にやってこないようにするための仕組み作りも大切なことだと思います。
どちらも非常に重い課題なので、すぐに解決できるわけではありませんが、できることから手を付けていくことが大切だと思います。
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https://www.shinchosha.co.jp/book/352351/ ,
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4079/ ,
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4140/
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就職氷河期世代の現在を取材したもの。貧困、結婚、介護。この世代が抱える問題は、もはや個人の問題ではなく、社会問題となりつつある。ようやく政府も重い腰を上げたが、アラフォーになってからでは遅すぎる。次の氷河期世代を生み出さないために、新卒採用至上主義を改めていく必要がある。
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アラフォー定義や氷河期世代の範囲が曖昧ではありますが、アラフォーでも1981年以降がアメリカなんかでミレニアル世代と定義されてる点と、1980年生まれの壇蜜のインタビューが載ってるので、同じアラフォーでも1980年あたりで境目ができているかと。
実際雇用情勢としてITバブルの影響が薄れた2004年とか2005年頃から雇用状況が回復していて、わたしを含めたミレニアル世代の上の方は恵まれていたと思います。
読み終えてとても人ごととは思えませんでしたし、国や企業側も遅れたとはいえ対策を打つべきときが来ていると考えます。
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11435746
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取材はよいなと思いました。
一方で、こういったたぐいにありがちなのを2つ。
1つは、最後に「こんな逆境でも頑張ってる!」という人を取り上げていること。もちろん、そういう人はいますが、そちらは少数例であって、大多数の人は困っています。
そしてもう1つは、社会学者さんの分析などもそうなのですが、取り上げている問題の解決策を考えていないこと。特に、メディアや学者さんなどは、安全地帯から社会問題をこねくり回しているようにしか、当事者には見えないのではないのでしょうか。
そういえばクローズアップ現代といえば、先日の放送で、ジャニーズ問題を取り上げていたのは評価できるものの、その次の番組にふつうにジャニーズのタレントさん出ていて、ああ、NHKにジャーナリズムとしての矜持はないんだなと思いました。