いろいろ考えさせる本です
2019/05/20 17:29
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今後の我が国での学校教育のあり方を、著者が考察した本です。
著者の教育にかける情熱が、ヒシヒシと伝わってきます。
著者の提言は、教育以外の現代社会のあらゆる場面でも応用できる、視野を広げる大きなきっかけになると思います。
現職の教員の方々にも、ぜひおススメしたい1冊です。私も勉強になりました。
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教員自身が学び、実践する。交流し、刺激し合う。そしてワクワクする。そんな学校が日本で広がってほしい。
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<目次>
はじめに
第1章 何が問題の本質なのか?
第2章 先生もつらい
第3章 学校をこう変える①~「探究」をカリキュラムの中核に
第4章 学校をこう変える②~「ゆるやかな協同性」に支えられた「個」の学び
第5章 私たちに何ができるか?
<内容>
隔靴掻痒な感じの本。「わかっているが、それができるのか?」。学校現場にいると、問題点はわかり、変えていきたいが、日々の活動の中になかなか落とし込めない。毎日どんどん進んでいくし、こうしたことに気づかない(気づかないふりをしている)同僚を口説く労力も浮かばないし…。理論はわかっているが、実践の効果が数年後だろう、という感じがまた行動を遅らせる原因。教育の難しさですね。
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いやあワクワクするなあ。何か新しいことが起こっている。何か新しいことができそう。自分も何かしたいなあ。ワクワクするって大切だよなあ。それを哲学用語では「エロス」というらしい。ちょっと違うイメージを持ってしまうけど、いいことばだ。森毅も言ってた。楽しいことは伝染するって。軽井沢で何が起ころうとしているんだろう。まあ、そこまで行かなくても、いろんなところでいろんな実践があるんだ。いまの状況の中でも、校長の考え一つで相当違うことができる。無学年とか、ひとりひとりにあわせた時間割とかいいなあ。でもそれってトットちゃんがやってたよなあ。むかしからやってる人はいるんだ。でも逆にそれが広まらないのは、大人数でやるには難しいんだろうなあ。非効率的なんだろうなあ。だから、地方の過疎地なんかでそういう実践がどんどん増えればいい。それがいいと思って、そこに引っ越していく人がいてもいい。隠岐の島とかいいなあ。でも京都も捨てがたい。近くで何かできないかなあ、夜間中学の話も聞いたし。教育って別に子どもだけのことでもないし、ワクワクするのって、みんなうれしいし。きっと。でも、強制的にそうされるのはよくないよな。自分の思いで動けるのがいいなあ。いやあ、よかった。本書を読んでの素直な感想です。ところで、読みたい本が次から次から出てくる。ワクワクするんだけど、時間もなくって、置く場所もなくって、困ったもんだ。
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共感につぐ共感。
ぼくも勉強は嫌いだけど学ぶことは好き。そしてそのことを誇りに思ってる。
学ぶことはおもしろいということに気づけるきっかけ作りをしたい。
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筆者の本に度々現われる「本質」「対話」
この言葉に出会う度に、その重みを知る。
私たちは言葉を大切に、言葉を紡いでいくことで、より自由に生きることができるようになるんだ。
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今の学校の問題点はどこにあるのか?
現場で,同時に起こるたくさんのできごと(それは教育研究も不登校対策もいじめ対策も…)にいちいち対応することで,教師は多忙になり,精神的にしんどくなり,そしてそれだけしてがんばっても,子どもたちにとっては決していい環境とはいえない学級でしかできない空しさ。
著者は,それらの事柄はシステムにあると言います。
今学校が抱えている問題の本質は,一人ひとりの先生や個々の学校にあるというより,むしろもっと構造的なこと,つまりシステムにこそあるのです。ー中略ー一見,別々に見えるこれらの問題も,その根っこはすべてつながっています。だから,個々の問題状況にだけ目を向けても,抜本的な解決策を見出すことはできません。根っこの問題,教育のシステムそれ自体の問題を解決しなければならないのです。(4ぺ)
さて,具体的な学校の問題の指摘についても,けっこううなづきながら読めます。
「落ちこぼれ」については,
多くの人は「落ちこぼれ」は,その子の理解力が低いから生まれるものだと思っているのではないかと思います。でも,実は,これはシステムによって構造的に引き起こされている側面が非常に大きいのです。/考えてみれば当然のことです。みんなで同じことを,同じペースで勉強していれば,一度つまづくと,そのまま取り残されるということがどうしても起こってしまうからです。(19ぺ)
一方その反対の「吹きこぼれ」については,
すでに分かっていることを,何度もくり返し勉強させられることで,勉強がいやになってしまう子どもたちのことです。-中略ー今日の「めあて」をみんなで一斉に唱和するのに始まって,教科書の決められたページをみんなで繰り返し読んだり,すでに分かっていることを一方的に教えられたり。四五分もの間,なぜみんなと同じことをやり続けなければならないのか。そう思っている子どもたちはたくさんいます。(23ぺ)
これらの問題は,いずれも,150年来続いている「みんなで,同じことを,同じペースで,同じようなやり方で」やってきたから起きることだといいます。だから,その根本を変えないと,こういう子どもたちはドンドンできるわけです。そして,子どもたちに「同じことを」もとめる教師たちの指導もまた,当然のように「同じことを」求められるられます。それが昨今のスタンダードと言われるものです。
このような学校現場に浸透するスタンダード化については,次のような例を挙げて批判しています。
マリア・モンテッソーリは,すでに二〇世紀初頭にこんなことを言っています。子どもたちを,大人が決めた規律で縛りつけること,管理し統率すること,それは,子どもたちを規律正しくしているように見えて,実は命令されたことしかできない「無力」な存在にしてしまっているだけなのだ,と(25ぺ)
教育学の多くの研究が明らかにしているのは,過度のマニュアル化,スタンダード化は,かえって教師の力,そして子どもたちの力を著しく奪ってしまうと言うことです。ー中略-教師にとっても子どもにとっても,成長のために必要なのは,言われたことを言われたとおりにさせられることではなく,自分の頭でしっかり考え,試行錯誤し,たっぷり失敗し,その失敗から学んでいく経験であるはずです。(56ぺ)
このように,画一的な指導法がまかり通っている今の教育界は,だからこそ,もう先が見えている(限界が来ている)とも言えます。画一的にすればするほど,自分の頭で考える教師はいなくなり,自分の頭で考える子どもたちもいなくなる。それは,同時に,教育というものを放棄したような現場だけが残るという荒廃した未来しか見えません。これでは,日本だって立ちゆかないし,それこそグローバルなんてことに対応できないでしょう。
われわれはだから原点に戻る必要があります。モッテッソーリに…です。
「信頼して,任せて,支える」。これは一つの教育の秘訣です。いや,秘訣なんて大層なものではなく,本来は教育の基本中の基本です。でも,わたしたちは時にこの基本を忘れてしまいます。「信頼して,任せて,支える」ことは,ある意味とても怖いことだからです。/でもやっぱり,それこそが教育というものの本当は基本であるはずなのです。(216ぺ)
窮屈な教育界を脱却するには,教育の基本にもどれば良いのです。なんだ,それならできそうだとは思えませんか? ただ,それをやろうとすると,「きちんとさせろ」「指導しろ」「見映えを良く」…という同調圧力を感じるかもしれません。でも,そこで負けていてはいけない。やはり,基本は基本。大切にしていきたいものです。
子どもたちの姿こそ,実践者にとっては最大の説得力なのだと思います。(223ぺ)
子どもの方を向く教師でありたい。これもまた教育の原点であるはずです。
著者は,自信が考えるある程度理想的な学校として,幼小中「混在」校,「軽井沢風越学園」という学校の設立準備をしているそうです。2020年に長野県軽井沢で開講予定だとか。どんな学校ができるのか注目していきたいです。
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学びの個別化だけに焦点が当てられ、それをどのように今の学校現場に反映すべきかについて書いていない。また、個別化の問題についても書いておらず、考えが偏っていると感じた。
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本当に思う。
今のままでいいのだろうか。
小学校教諭をやって7年、日々の業務に揉まれながら感じた違和感。この本に出会って少し光が見えた。
スタンダードの横行。個別最適化とは真逆の流れ。
学校に来れないこの学習。
何をしても悲観しかできない保護者。
教育者として何を目指していけばいいのかわからなくなってきた今日この頃。目指すべきは自由を獲得し、自分なりの幸福を追求することができる探求者の育成。その支援者としての役割。
150年間の歴史は捨て去るのではなく、新しく変革していかなければならない。
しかし一教員に何ができる?実際の現場でどう変えていく?いずれにしてもまだまだ自分の力が足りないな。
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歴史的・世界的な視点から、日本の既成(と思われている)仕組みに疑義を唱えている。が、現実味に乏しい。著者が設立認可申請中の軽井沢風越学園でこれを机上の空論で終わらせずに実現できるか、ひたすら自らのハードルをあげにかかっている本だと思う。大丈夫かな
そもそも教育成果の評価が難しいんだけど
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「より良い」教育とは何か、その問いを投げかける著書。その考えの中核はこれまでにも述べてこられましたが、今回はそれを更に世間に広めるためのガイドライン的な位置づけの書籍と言えます。
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30年後の教育の在り方を提言された「教育の力」より5年。さらに具体的でパワーアップされた近未来教育への提言。「みんなで同じことを同じようなやり方で同じペースで」という現在の教育の在り方を、「学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合」に改革していく。そのためには、子どもや教員を「信頼し任せ支えること」
大きな教育システムを変えないと難しいと思うのだが、できるところからできる人から始めてほしいと筆者は言う。
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一言で言うと、一斉画一授業改革の提案である。これまで教育改革が何度も行われてきたものの、ずっと課題が山積してきたのは、エビデンスに「哲学」が加わらなかったからだとしている。そもそも、子どもはもとより学ぼうとしている存在であると言う教育観のもと、これからの教育は行われなければならないことやさらには探究的な学習(探求プロジェクト)を学校教育の中心に今よりさらに位置付けていくことで、子どもたちはより能動的に学んでいくとの主張がわかりやすく書かれていた。
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長男、小1プロブレム…の時に読んだ本。長野に行く〜?なんて、話題にしたり、学校変えられるものなら変えてみろって言われた母は、春から大学院生になります。本格始動です。
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教育改革の必要性と方向性について具体的に知ることができる本。大変素晴らしい内容でした。今の教育課題を把握し、解決を図りたいという思いを新たにしました。この本の中で挙げられていた関連書も読みたい。