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楽天のIR担当を長年務めた著者が、実体験に基づきIRの仕事を書いた本。
TBS買収、ライブドアショック、公募増資、東日本大震災など、様々な出来事にどう対応してきたかが詳細に語られる。読み物として面白いし、ふだん問い合わせをしている身としては裏側で起きていることがわかり興味深い。
日常的に機関投資家とミーティングし、既存株主、潜在株主とコミュニケーションし株式のフェアバリューを保とうとし続ける姿勢が頼もしく、こうした姿勢が他の日本企業にももっと広まるといいと思った。
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企業IR担当の中の人がどのような行動をしていたのかが追えるようになっている。そこについて全く知らなかったこともあり、非常に面白い。
ではこうやって形成される株価とは何なのかという思いも抱くようになった。市場のコンセンサスの形成ってこうやって作られるんだという話は、個人投資家は本当になにも知らないでやるしか無いんだという感想になる。
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楽天のIRを長年担当されてきた市川さんの著書。
おもしろかったです。
IR現場の緊迫感が伝わってきます。
コーポレートガバナンスに対する問題提起(社外取締役、社外監査役にストックオプションを付与するのは適切か? 業績予想の開示は必要か?など)もあり、要所要所でう~ん、と考えさせられます。
楽天って、すごい会社なんだな、と改めて感じました。
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楽天でIR(投資家向け広報)担当を12年間つとめた著者の奮闘記。楽天の発展の経緯や、どのように機関投資家やアナリストなどに対峙してしてきたのかがわかる。
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なかなか本を読むだけでは実感の持てなかったIRについて、IR担当者目線で仕事の内容を書いているので専門用語も身近に思え実感が沸いてくるのが良かったです。投資は理詰めの世界というイメージをもっていましたが、実際に対面であってビジョンを聞いてと、人と人との対話で作られる部分も大きいというのが面白いと思いました。
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最適資本構成を検討するって言ってもアンコントローラブルじゃない?と思ってたけど、どの株主・投資家と対話して行くべきか、その内容はもっと買って欲しいのか去って欲しいのかどちらの方向か、そのために誰に話させるべきなのか、を考えれば、企業側が考える「最適」に近付けられるのかなと思った。
会うべき投資家=上位の株主+同業他社の大株主かつ自社株保有の少ない機関投資家、としてリストアップして、優先度を付けて予算策定時に年間訪問スケジュールと誰が会うべきかを決める。営業が取引先との取組の予定を立てるように、IR部門も資本市場を相手に同様の事をやる。ふむふむ。
社外取締役・監査役に対してストックオプションを付与すべきか、みたいな(ニッチな?)論点好き。この二役には付与すべきでないかな。事業の執行を監督する役割だから短期的なインセンティブに基づく指摘をして欲しくないから。なので固定報酬にすべき。
IRの仕事はあまり知らなかったけど、アニュアルレポート作成や決算説明会準備・運営、投資家対応はやるとして、社内IR週報(活動内容やアナリストレポート等)を役員等キーマンに送付して情報交換したり、機関投資家とのMtg履歴をDB化して、どの投資家に誰が会い何を話すか整理、とかもするんだね。
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おもしろいけど。
名前ふせずに出せばいいのに。経営企画執行役員とか書かずに。
まつーか、楽天の株価まったくのびてないけど、よくこの本出せるな。
P267 資本コストは何%か
楽天の株主資本コストは5-6%の間暗いと計算している
⇒インターネット企業
に期待するリターンは一桁後半から10%という期待値と違和感がある。
MAチームの担当者
・ある程度安定して成長しているインターネット企業なら10%前後
・ベンチャーで高成長なら20%ぐらい
・アーリーなら40-50%とか、
同規模同業種を参考に決めています。CAPMとか使わない
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読後はお疲れ様でしたとつい出てしまうくらいタイトル通りの戦記でした。
楽天のような多様な事業を抱える企業が、IR活動をすることの難しさや複雑さを知ることできました。
また巻末に用語も丁寧に記載されているので、わかりにくいといったこともほとんどなくIR活動が何たるかがよくわかる一冊でした。
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NECを経て2005年から楽天にてIR部門を経験した著者が楽天での経験や自身のIRや日本の財務部門への提言などを書いた一冊。
激動のIT企業にてIRを経験された著者の経験は非常に波乱万丈に富んでいて刺激を受けました。
入社から約1年後には指揮を取るようになり、クレジット事業などの金融事業に対する理解や株主へストックオプションの賛同を求めたり、東日本大震災などを経ての取り組みなど同社ともに成長していく著者の姿を感じることができました。
また、入社当時はジャスダック市場に上場していてそこから1部昇格を目指し、その中で内部統制を整えていくことや東証との業績予想をめぐる攻防やアナリストや記者とのやり取りや機関投資家とのロードショーやランチミーティングなど普段知ることのできない現場の雰囲気も感じることができました。
そして、三木谷社長の人となりやヤフーとの違いなども知ることができました。
そして、巻末のIR用語辞典もたいへん参考になりました。
部下の育成や巻末のコーポレートガバナンスコードやスチュワードシップコードに対する考えなどを読むと楽天をリタイヤした後も市場や投資家に関わる仕事を行う著者が本書での経験などを活かしてこの先どのような活動をしていくのか楽しみになり、企業と市場の対話について深く学ぶことができた一冊でした。
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楽天で12年間IR業務を務められた方による、TBSへの統合提案に始まってグローバルオファリングに至る各種イベントを振り返った記録。
楽天のIRってこんな感じなんだ…と、シンプルに人の仕事ぶりを見ることができた時点で興味深い本でした。
成長期の楽天だからこそでしょうが、IRの仕事がほぼ網羅されていて、この仕事について具体的に知りたいという人には一番良い本じゃないかと感じました。
ある意味では「教科書的」ではあると思うのですが、仮にどの会社であっても内実なんてドタバタすぎて書けないはずですし(笑
資本主義社会の中にいながらも、普通の会社員だと、自社が上場していたとしても、「なんでそんな数字出さないといけないの?」的な反応になったりするものです。
本著が優れているなと感じたのは、IRの業務を説明しているだけでなく、「なぜIRをしないといけないのか?」を考えているところ。
IR側は、どういう戦略に基づいて、どの情報をどういうパッケージングで見せるかというのは考え抜かないといけないことですが…。
著者が体調上の理由で楽天を退職されてしまったのは残念ですが(経歴を見ると、IR部長になられたのは休職の直前か休職中…?)、著者のような経験をされてきた方が情報発信をされているのは日本のマーケットにとって非常にポジティブなことだと感じました。
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MBA的な「IR」ではなくて、リアルなケーススタディから見る世界は全然違う。
企業ごとに事情は違うだろうから、そのまま再現することは難しいだろうけど成長過程にある企業のIRってこういうことなんだな!というイメージを具体的に捉えることができたのは面白かった。
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実はこの本読む前まではあんまり楽天の印象は良くなかった。完全に個人的な印象だったが、ECサイトとしてはアマゾンしか使っていなかったし。
ただこの本は楽天がまだ成長期にあった時代からどのように会社を成長させてきたか、それをIRという観点から臨場感を持って見ることが出来る一冊だ。
特に自分のように普段から企業価値や経営といったものに興味があるならば読むことをお勧めする。
IRという活動を通して株式を買ってもらうことや、株主価値を上げること、資金調達の難しさ責任の重さを知ることが出来る。
ただ一点、今の楽天の株価が全盛期からかなり落ちてることは気になる…
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楽天のIRをゼロから立ち上げた著者による、IRの業務を紹介した一冊。ルーティーンワークだけでなく、一部上場や公募増資にも関わった著者が、楽天での経験をケーススタディ的に臨場感をもって紹介している。
IRに関する業務を紹介している本が少ないため購入してみた。そもそもIRについてルーティーンワーク、受動的なイメージがあったため、著者のように攻めるIRの内容は新鮮だった。恥ずかしながら、IRがコーポレートファイナンスの観点から会社を支えていたことを初めて知った。マイナス面は、アナリスト個人に対する攻撃など、アグレッシブな姿勢が垣間見えた点。
個人的な反省点としては、留学以降ファイナンスから離れてしまっていたため、理解不足の箇所がある可能性がある点。直接関わりのない業界、ビジネスについてもバランスよく触れることの大切さを痛感した次第。
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楽天の元IR部長による、2005年から2017年にかけての楽天のファイナンス面での歩みを筆者の経験とともに時系列で振り返った本。
三木谷社長やCFOとのやり取り、IRチーム内の論議の内容、投資家とのコミュニケーションの様子などかなり詳細に描かれており、成長企業におけるファイナンス理論の実践ケーススタディとして大いに役に立った。
特に東証一部上場やグローバルオファリングの章は、社内意思決定プロセス・ロジックや、東証への説明・投資家向けのロードショーなどプロジェクトの流れが詳細に表現されており、IR業務のやりがい、大変さがよくわかったとともに、業務への興味が湧いた。
巻末に用語辞典が載っているが、この本で知識を学ぶ、というよりは知識を学んだ上でその定着のために読むと非常に効果的だと思う。
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「#楽天IR戦記 (「株を買ってもらえる会社」のつくり方)」日経BP、市川祐子著
ちょうど今日の日経でプロ野球の楽天創立話が載っていたが、「ITベンチャー」時代(若い人は実感ないかも?)から押しも押されぬ「優良企業」となった楽天の「裏方変遷記」。三谷幸喜さんあたりが映画化したらひじょうに面白そう!
IR情報は、企業が市場と対話する手段…ファイナンスを学んで、頭では理解していたつもりだが、「中の人」の実体験はこころに響く。
自分の仕事でも、もっともっと分かりやすい語りを実践したい。
著者は、本当に、市場にわかりやすく語りかけることを意識して来られたのだろう。とにかく文章がわかりやすく、さらにライブ感が半端でない。特に後半200ページあたりから気になった記述を幾つか。
IRのゴールは何か?をチームで議論する。時価総額の最大化…流動性、理論株価との乖離、長期保有株主比率、意見噴出。
それを支えるKPI(プロセス目標と言い換えて良いだろう)はIRミーティング件数、株主数、投資家評価の3点に絞ることで結論。
買収による成長戦略を進めるためのエクイティファイナンス、しかし日本の証券業界の慣行では僅か1年半の具体的な案件が見えているものでないと首を縦に振ってもらえない。緊迫する準備を経て公募増資を発表、あるアナリストから「キレイなファイナンス」との賛辞、図らずも前回の増資から9年、年間期待収益率8%を上回ったタイミングとの指摘。
いよいよ本番、三木谷氏がニューヨークに渡り、1日7件の「ロードショー」、1回のミーティングで最大20名を超えるプロの投資家達と英語で丁々発止やりあう様、ランチミーティング後の「食べ残し」の量にプレゼンの手応えを感じる。
山田CFOの締めの言葉、「俺たちが今までやってきた事は、表面上のROEやROAを上げることではなくて、リスク資産と資本と負債とのバランスをとりながら資金調達コストを最小化し、利益を最大化させることなんじゃないの?」