紙の本
『鬼を待つ』
2019/07/25 20:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
けんかの果てに職人が首をくくった
けんか相手の大工も死体となって見つかった
首を一文字に掻き切られた上、五寸釘で刺し貫かれて
そしてもう一人、江戸有数の商家の主が殺された
大工と同じ姿で
「これはこれは、おもしれえことになってきたぜ」
信次郎が呟き、伊佐治が走る
商の道に生きようとする清之介にも死の影が忍び寄る
《男たちは、どう決着をつけるのか。》
3人の男を軸に江戸の巷をスリリングに描くあさのあつこの人気時代小説“弥勒シリーズ”の9冊目、2019年5月刊
紙の本
押しかけ奉公人現る
2020/03/29 23:38
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
遠野屋さん女難の巻。
亡き妻にうり二つの女とちょっとばかり思い込みの激しい娘に振り回される遠野屋。
思い込みに油を注ぐ信次郎ってとんでもない(笑)
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弥勒シリーズ
本作では信次郎と清之介との直接的な絡みが少なくて、ちょっと残念。
相変わらずのジワジワとくる怪しさが良いのだが、「次号に続く」的な感じがちょっと物足りない。
本作からの流れとして、次作で新たな展開が待っているのだろうか?
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北定町廻りの同心、木暮信次郎と、岡っ引、伊佐治は、大工の棟梁が五寸釘で首を刺された事件を探る。小間物問屋の遠野屋清之介は、亡き女房おりんと瓜二つの女と出逢い、欲に呑み込まれた商と政に翻弄されていく。累計60万部突破の「弥勒シリーズ」最新刊。
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内容紹介
北定町廻りの同心、木暮信次郎と、岡っ引、伊佐治は、大工の棟梁が五寸釘で首を刺された事件を探る。小間物問屋の遠野屋清之介は、亡き女房おりんと瓜二つの女と出逢い、欲に呑み込まれた商と政に翻弄されていく。累計60万部突破の「弥勒シリーズ」最新刊。
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なぜ、清之介の身辺では、こんなに血なまぐさいことが
起こってしまうのだろう。
あげく、信次郎のような者との結びつきがきれない。
あまりにも切ない。
でも、伊佐治も、店の者たちも、清之介が好きだから。
今回の事件、犯人が、あの人であってほしくないと思った
人ではなかったのがよかった。
びっくりしたのは、おりんにうり二つの女性の登場。
それは、揺れるよね。いかな清之介でも。
あのラストは衝撃。あれが、その後に、大きな意味を
持つのは疑いようがないもの。
続きが、どうなるか。
2人に、いったい、どんな結末が待っているのか。
早く知りたい。
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初出2019年「小説宝石」シリーズ8作目。
「人ってのは、とてつもなくおもしれえや。」と伊佐治親分は言う。まったくだ。
初手からちょっといい人情噺でほろりとさせられた途端、あっさり裏切られた。
今回は、遠野屋の商売が狙われた。江戸の女たちの憧れ遠野屋の「遠野紅」は、実は清之助の父が執政をしていた嵯波藩の経済立て直しの要でもあった。それを手に入れようとした豪商八代屋は、清之助を姪の婿に迎えたいと、紅の権利を十万両で買いたいと申し出るが拒絶されると、清之助の亡妻おりんに瓜二つの少女を近づけ、清之助は動揺する。こんな清之助は初めて見た。
八代屋が、最初の殺人事件と同じやり方で殺されたことろから、大きく事件が動く。天敵?の同心木暮信次郎は、清之助は商人になる前と同じように、「おぬしはな、まだ刃の上にいるんだぜ。」という。そして信次郎が遠野屋に泊まり込んだ夜、クライマックスを迎える。なんていう観察眼、推理力なんだ。
八代屋の姪おちやが清之助に惚れて、押しかけ奉公に来た。このふたりどうなるんだろうね。
早く続きが読みたい。
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冒頭、如何にも江戸っ子らしい伊佐治家族の掛け合いが、市井小説のような物語世界へと誘う。
が、たちまち、五寸釘が首を貫くという禍々しい事件により、「弥勒」シリーズ本来の顔が。
信次郎は、この事件がやがて遠野屋に繋がると、岡っ引き伊佐治に告げる。
「あやつが凄腕の商人のままでいられるわけがなかろう。いずれまた、剣呑な血の臭いのたっぷりする何かをひきよせるさ」と、嘯く信次郎。
対して、清之介は「わたしを煽るのもそそのかすのも結構。けれど、それだけのお覚悟はなさいませ」と、言い放ち、「いずれこの男を斬る。そんな日がくるのだろうか。それは、おれにとって破滅だろうか、この上ない愉悦なのか」と、自問する。
今回は、おりんに似た女の登場が、清之介の心を乱し、商売上もかつてない危機をもたらす。
嵯波で収穫する紅花が、藩とそこで暮らす人々に豊かさを授け、遠野屋に役をもたらすー清之介が描く未来図。それが達成できるのか、それとも・・・
単行本の帯にある「木暮信次郎X遠野屋清之介 男たちは、どう決着をつけるのか」の通り、この二人の関係はどうなるのか。
ますます、目が離せない「弥勒」シリーズ。
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弥勒シリーズ第九弾。
今回は、清之介が“大切なもの”につけこまれ、心が揺さぶられる事態に。
“遠野紅”の利権を狙う大店の主と、その背後にあるものとは・・。そして並行して起こる凄惨な殺人の真相に迫る信次郎と伊佐治。二人の息は相変わらずピッタリで(当人同士は望んでいないでしょうが)台詞の応酬が小気味好いです。
清之介の心をザワつかせた、およえが今後どう関わってくるのか気になります。そして、おちやが押しかけ奉公に転がり込んできたりと、遠野屋が安寧の日々を送るのはまだまだ先のようです。
(まあ、信次郎がいるかぎり安寧は望めないか・・。)
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これは単にエンタメとしておもしろい。殺し屋も殺しの意図も最後まで絞りきれなかったけど、ミステリーとしての謎解きはこの際あまり関心事ではない。とにかく、今回は信次郎の聡明ぶりがますます際立ち、伊佐治との呼吸が極まっている。源蔵とおよえの誑かしの術でさえ、信次郎と伊佐治の尋問の術には遠く及ぶまい。あの清之介が珍しく惑い、隙をさらしたのも、これまた新鮮であった。タイトルの鬼とは誰だ?どいつもこいつも有能な鬼だらけ。
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疼く。騒めく。震える。亡き女房と瓜二つの女。五寸釘が首を貫く禍々しい死。欲に呑み込まれていく、商と政。剣呑で厄介な同心・木暮信次郎×刺客の過去をもつ商人・遠野屋清之介。男たちは、どう決着をつけるのか。
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弥勒シリーズ九冊目。豪商・八代屋に認められ、養女の婿にとのお誘いがあったり、そこで亡き妻に瓜二つの女性と出逢ったり、遠野屋の人気商品である清之介の出身地・嵯波藩の紅花を使った遠野紅の利権を狙われたりと清之介の回りもざわつく回だった。首に五寸釘が打ち込まれた殺しが二件あり、その一つが清之介を婿と望んだ八代屋だった。なぜか彼には関わりないが回りで殺しが起きる。同心・信次郎が喜びそうな展開。二度と人は殺さないと誓った清之介、でも近くで事件がいつも起きてしまう…商人として生きるという誓いを全うして欲しい。
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遠野屋清之介の身辺は相変わらずきな臭いが、おりんへのゆるぎない想いがその立ち位置を危ぶませない。そして、木暮信次郎の推理のさえもさすが。親分さんの狂言回し的な優しさも健在でこのシリーズは本当に面白い。そして今回のおちやの登場。何かが動きそうで次が楽しみ。
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大川に鴨が、、、もうすぐ冬。
出だしから、季節を感じられる描写。
このシリーズを読んでいると、作者 あさのあつこ氏の季節の移ろい、そして人間の持った内面の機微な心情を何と、上手く描写できるのだろうと、、、感心している。
伊佐治と信次郎との会話の掛け合いにしても、面白い中に、言いたい事が、一杯詰まっている。
事件は、喧嘩で、頭に傷を負った大工の頭領と、そして逃げ出した版木堀の職人が、発端である。
職人は、首を吊り、そして大工は、首に五寸釘で、殺されていた。
そして、遠野屋を乗っ取ろうと思っている八代屋の主人の太右衛門の商人の心得のような言葉もなるほどと、思うような事柄である。
太右衛門が、親戚の娘おちやを清之介と結びつけようとするのだが、、、、そこで、清之介が、見た女が、、、、おりんそっくり!
その動揺の描写も ページ数は少ないのに読みごたえある。
そして、第3の事件 太右衛門が、やはり五寸釘を打たれて殺された。
どう展開していくのか?
伊佐治と信次郎の捜索。
そして、いつものように信次郎と清之介のにらみ合いながらも、2人共、居ないと違和感を感じている所が、良い。
しかし、おりんそっくりのおよえの正体が、、、、
源庵とおよえの関係は養父と娘。
それでいながら、2人共、どちらも死を覚悟の戦いに。
商人が、政治に介入することを否と、思う 沖山頼母の思惑。
殺人事件の結果は、商人が、政と財の両方を欲しがった事に絡んら事件であった。
暗い話で、終わらずに、清之介を一途に思うおちやの行動に、、、そして、それを煽った信次郎が、慌てて逃げようとするところ・・・・おみつの言い分も楽しく最後まで良かった。
そして最後は、雁が飛んでいる背景も・・・・
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するする読み進んだ。
兄やら国元やらとの確執が定かじゃなくなってきたので、弥勒を読み直そうかと思ったり