紙の本
何のために生きるのか
2022/03/15 13:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は何のために生きるのか。どうしていつか死ぬのに生まれるのか。
子どもに、そんな疑問を投げかけられ、返答の言葉に窮したことがある。
誰かの役に立つため、喜びを感じるため、いろんな答えがあると思うが、どう答えても、では人の役に立たない人や喜びを感じない人は生きている意味がないのか…となってしまう。いや、そんなはずはない。誰もが生きる価値がある、と言ったところで、なぜかと追及されると、正直、大人だってよく分からないはずだ。そしてうやむやなまま、なんとなく、生きている。
本書の筆者は、「だから私は、この社会ではなく、自然の法則に答えを見つけたいと考えました」と書いている。
自然の法則の中にいるちっぽけな粒として、とらえることで、世界/社会の見え方も変わってくる。
絵本だが、哲学的で子どもにはやや難解かもしれない。それでも、大人にも子供にも読んでほしい一冊だ。何のために生きるのか、思考する一助に。
紙の本
センチメンタリズムは皆無
2021/09/29 10:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから連想する
センチメンタリズムは皆無なのが
ビックリと同時に心地よい。
今日もまた生きていてもいいんだ、と思える。
投稿元:
レビューを見る
池谷裕二さんが大学に入学してきた学生にかならず話す内容を絵本に仕立てたという作品。「なんのために生きているのだろう」「自分は何の役に立っているのだろう」という悩みに効く一冊。広大な宇宙からすればとるにたらぬちいさな命は生きているだけでも小さな役割を果たしているということを水の渦の例などからわかりやすく納得させる。「諸行無常」「万物流転」「ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず」「動的平衡」など古来いわれてきている哲学もわかった気分になれる。
投稿元:
レビューを見る
内容としては哲学的な趣もあり、決して子供向けのやさしい絵本という風にはなっていません。
大人が読んでも色々感じるところがあると思います。
何度も何度も繰り返し読むことで、少しずつ本の世界に入り込んでいけるような、そんな気がします。
表紙の絵もすごいですが、田島さんの絵の光の表現には息を呑みます。絵を眺めるだけでも手に取る価値あり。
投稿元:
レビューを見る
8歳と5歳のこどもたちにはちょっと難しいなあ.でも,もう少し大きくなって,そういえばなんかそういう話をどこかで聴いた覚えがあるなと思い出してくれるときがくるかな.来なくてもいいけど.
投稿元:
レビューを見る
イリヤ・プリゴジンの散逸構造論という超難解な科学理論を絵本にしたもの。
う~ん。ズバリ、本書のタイトルの答えなんだろうが、答えを理解するためのきっかけを与えてくれる本ですね。
宇宙があれば、その中に生命と定義される現象が生まれるのは必然ということです。
その結果、生まれてきちゃったのだから楽しく生きようねっ!て言っています。
物質って何?時間って何?と問われても答えられないのと同様に生命って何?と言われても少しも分かっちゃいない。
そんな不思議に興味を持ってもらいたいという意図も伺えます。
投稿元:
レビューを見る
む、難しい! 確かに答えは書いてあるけどちゃんと理解できない。すごーく上手に解説ができる人から読みきかせしてもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
池谷先生が好きなのと、とても素敵な絵に惹かれて購入。
子供向けの絵本、だけど大人も楽しめる、
そんなイメージで購入したけど、いやいや、結構難しいぞ。
最初、感想が書けなくて、3度目にして感想を。
だけど、そんなちゃんとした説明や感想は書けそうにもない。
生きている意味を言葉で説明するのって難しいじゃないですか。
私は、素直でひたすら前向きに頑張って生きられる人間じゃないので、あまり崇高な志みたいなもので説かれても、うーん、って思ってしまうし。
だけど、こんな風に説明されて、なんか気持ち的には拍子抜けな気もするけど、逆に、
だから生きてるだけで価値がある、ってそうだなーって思えたりして。
投稿元:
レビューを見る
絵本でこう来るか、なかなかおもしろい。プリゴジンは好きで学生時代にずいぶん読んだ。もちろん、どこまで理解できていたかは別問題。しばらく出版社ではたらいていたときも、カオスや複雑系の話は幾度となく取り上げた。プリゴジン先生の講演会があるというので聴きにも行った。渦とのアナロジーで「生きる」ということを解き明かしていくのか。池谷先生はどこでこういう発想を思いついたのだろう。不思議だ。著者自身による解説に「生きる」という単語は能動態です、という一文がある。しかし、私にはどうしても「生きている」というのは能動態とは思えない。だって、心臓は意識して動かしていないし・・・。どちらかというと「生かされている」という感じ。これって、受動態ともちょっと違う感じ。いま話題の中動態というやつでしょうか。誰かに解説してほしい。ところで、学生時代、我が六花寮ではフィーリングドランカーという競技?があった。5人組で、日本酒一升瓶を一気飲みする。どのチームが最も早いか。一升瓶を回しながら飲むと早く口に入ると言われていたが、それは物理的にも正しかったということのようだな。
投稿元:
レビューを見る
うぉ、すげーことが書いてある
池谷裕二、とんでもないこと言ってるぞ、と思ったら、イリヤ・プリゴジンという人の散逸構造がもとらしい。
ヤバい、知らんかった。勉強せねば。散逸構造。
しかし、これで、生きているって価値がある、と思えるか?
むしろ、実存主義的な、存在は本質に先立つ、と言いたくならないか?散逸構造みたいな本質よりも、俺、という自我は先立つ、と、叫びたくならないか?
それかむしろ、無常論へと至らないか?
このあたりのちぐはぐさが、池谷裕二らしい。
脳の仕組みは捉えられても、人の心を捉えきれない人なんだな、という印象はこの人の本を読むといつも思う。
人の心なんて錯覚、と言い切るには、まずその人の心をもうちょっと把握したほうがいいのでは。
例えば、あなたの身体を構成するのは、全てビッグバンのときに生成された素粒子だ、ということが言えるけども、そこに感動はあれど、生きる価値は見いだせ得ないだろう。
だからあなたは生きてていい、だなんてならない。
散逸構造の素晴らしさは、そういうことではないだろう。
投稿元:
レビューを見る
読み始める前に、何気なく開いたページが最後のページ。
『そう。だらか生きなくては』
読むのが一層楽しみになった。
投稿元:
レビューを見る
絵本と思ってなくて通販で頼んだ。間違って絵本頼んじゃったなって思ったけど、考えさせられる内容だったあと2.3回は読み直そうと思う。
投稿元:
レビューを見る
なぜ宇宙を始めとする全てのものがあるのかということがわからない以上、生きることが「宇宙が老いるため」というのが、科学の最先端なのだろうなと。なんだかポツンと感じてしまったけれど。そして、宇宙が老いるために生き物は生きているということは、自分の全ては肯定されているという、人間の下限があることになるのだと思う。
あと思ったのは、これ以上科学でわからないから、宗教が人間に安定感を与えるのだろうなと。
物語として違和感があったのは
① 先生の話が日常からはやはり突飛であるのに、断定的に話すこと。どこか宗教の勧誘のようにも見えてしまった。
② 日常的ではない話に対して主人公の子どもの物分かりが良すぎたこと。
もう少し言葉を多くして、繋いで欲しかった。下手な「なぜ生きるのか」系の講演より根拠のある内容だと思うのでそこが残念。
投稿元:
レビューを見る
生きる価値の答えを、社会ではなく自然の法則に見つける。宇宙は、老いて消えることに向かってどんどん進んでいる。生きものは、小さな秩序をつくりだすことで、宇宙から秩序がなくなっていくのを助けている。
宇宙と自然法則のテーマが絵本になるなんて壮大だと思いました。でも、消えるのを助けるのが価値だといえる論理がよくわからなかったです。いない方が消えるのが遅くなるわけだし、いたとしても結局消えるわけだし。
投稿元:
レビューを見る
私たちはなぜ生きるのか。
その答えを脳科学者が出すとこうなるのか、、、
悪い意味でなく、実に身も蓋もないのだもの。。。
著者の池谷さんは、解説で
『生きているだけで素晴らしいことなんだ』ということを伝えたかったというけれど、
最初に読んだ時、
私は反対に生きていることが淋しくてたまらなくなってしまった。
この世に存在する生命体が宇宙の消滅のためにあるのならば
私は少しでも長く宇宙を存在させられるようにありたい。
そう願うことが人間である証であるような気がするから。
素晴らしい絵と、そこに書かれている真実に触れたくて
その後私は、何度も何度もこの本を読んでいる。