紙の本
捨てたものが小さくなって少しずつ静かに戻ってくる怖さ。
2021/02/17 09:58
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レジ袋とかストローとか、プラスチック削減の活動は少しずつ広がっている。
本書はプラスチックごみの問題について、海洋汚染の観点から簡潔に状況を説明するもの。
どのぐらいの量が捨てられ、海まで流れているのか、どんな被害が考えられているのか。数値的なものについては、実際に全体量を測ることはほぼ不可能なのでどのように推測されているかの説明がある。これは納得もしやすい。リサイクル率に関しては「焼却した際の熱」をカウントに入れるかどうかじなどに国によって差がある。こういう数字を見るときに確かにちょっと気にしてみる必要がありそうだ。
海に流れ出したプラスチックの影響は生き物が死んだり、漁獲量が減るばかりではない。小さくなったマイクロやナノと呼ばれるサイズになって海産物の内臓に溜まり、めぐり巡って私たちの口に入っていることもある。捨てたものが小さく小さくなって少しずつ静かに戻ってくる。見えないことで気づかないだけなのだ。ちょっと怖い。
「便利な素材」であるプラスチックを広めたのは私たち。片づけるのも私たちではないだろうか。使い捨てを減らしたり、ポイ捨てをしないだけでなく、できることはまだまだあるだろう。子孫に「負の遺産」と言われないようにできること考えなくては。
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☆行方不明プラスチック:表層のプラスチックごみは、海に蓄積するプラスチックのわずか1%以下 p.57
☆マイクロプラスチック、ナノプラスチック(循環系に入るおそれ)
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『 海洋プラスチック汚染』読了
現代において目を背けることのできないプラスチック問題が非常に分かりやすく、一通り理解できるようになっている。
何百年単位でしか分解されることのないプラスチックが海に流出し、細分化されたものを海洋生物が誤食し、命を脅かしている。
一度海に流出してしまったプラスチックを全て回収するのは不可能。
「私たちの捨てたゴミがやがて私たちの食卓に帰ってくる」
という冒頭に著者が述べた言葉が読了後に非常に重く感じた。
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プラスチックの問題、特に海に漂流・堆積するものについて、どのような状況であり、どのような課題があり、どのように解決できるのかを分かりやすく説明している。
新聞ではこの1年ぐらいで多く取り上げられている問題。
個人的には、問題であることは前々から分かっていたけれども、あまりにもプラスチックに埋もれた生活をしているために深く考えずに惰性的に使用し続けてきた。
これを読んで、プラスチックが地球や生命に多くの害を及ぼしている脅威であることを具体的に理解したために、プラスチックを見る目が変わった。
2020年夏からプラスチックレジ袋を有料化するという政府方針が先日発表されたようだけれども、そんなところでもめている場合じゃないと正直思う。できるできないとかではなくて、地球が持たないし、人や他の生命がが死ぬ。
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大変わかりやすい。特に廃棄されるプラスチックの重さはスカイツリー何個分とか頑張って例えてくれるのは好感が持てる。
できることからプラスチック削減しようと思う。まずはマイバッグとマイボトルから。
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マイプラ問題の現状,解決策の具体的な話(よさそうに聞こえる解決策の問題点とか実現可能性とか)が端的にまとめられている。このへんの問題の(現時点での)実践的入門書としてよいと思った。
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マリンスノー
イワシの胃袋
あたりから課題探求学習進められそう。
ビーチクリーンに行けば実感も湧くのかも。
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今、最も世界を騒がせている海洋プラス
チック問題。
日本でも注目を集め始めて、再びレジ袋
を有料化するだの、ペットボトルをリサ
イクルスルだの、と新聞を賑わしていま
す。
この本を読めばその流れは当然と納得す
るはずです。
むしろその現実に怖くなります。
特に海水全体の海流は謎だらけで、何千
年もかけて地球を巡っているとも言われ
ています。
人類が作った大量のプラスチックの量と
比較して、海上などで集められている
プラゴミの量は妙に少ないらしいです。
ではどこにプラゴミはあるのか。
深海なども含めた大きな海流の中を巡っ
ているのでは、とも言われます。
つまりこのままプラゴミを捨て続けると
何千年後かに、海流内プラゴミが飽和状
態に達して、文字通り「ゴミの海」に
埋め尽くされる日が来るかもしれない
とか。
プラ製品に対する見方を変えてくれる
一冊です。
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海洋プラスチックゴミについて知っていることを改めて書いてあったのですが、改めて恐ろしいなと思いました。今まではスーパーやコンビニでレジ袋をもらっていましたが、これからはマイバックかなと。クジラの胃袋には何10キロものプラスチック製品が入ってるなんて恐ろしすぎです。
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海外から輸入されたペットボトルは中国国内でぬいぐるみやベッドの中綿などにリサイクルされてきた。しかし中国は世界有数のプラスチック消費国となり、自国から出てくるプラスチックごみの管理もままならなくなった。そして輸入した廃プラスチックの洗浄作業などで環境が汚染され、リサイクルに携わる人々の健康被害も顕在化してきた。そのため中国は「クリーンな中国」を取り戻すために、海外からの廃プラスチックの輸入を2018年1月にストップ。世界中に激震が走り、「中国ショック」と呼ばれた。(p.18)
毎日処理する水の量が多いと、わずか数%出会っても抜け出すマイクロプラスチックの量は膨大になる。大雨が降ると日常の生活排水に加えて大量の雨水が下水に流れ込むため処理能力が落ち、いくら高性能の処理施設でも大量のマイクロプラスチックが排水処理場を抜けてしまうという問題を抱えている。(中略)汚泥の中に除去されたマイクロプラスチックは雨風によって流され飛ばされ、結局は川や海に流れ込む。(pp.35-36)
もし表層の水が、仮想の水よりも重ければ、海水の沈み込みが発生する。沈んだ海水は、海底にぶつかりながら海底の斜面を降っていき、より深層の水と密度が同じになるまで潜り続ける。このように沈み込む海水と一緒にプラスチックも深層に運ばれていくのだ。(p.64)
消しゴムをプラスチックの定規や筆箱と一緒にしておくと、いつの間にかくっついていたなんて経験はないだろうか?それは塩ビ製の消しゴムから可塑剤(多くはフタル酸)が浸み出し、隣り合っていたプラスチックを溶かしたからだ。(p.86)
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プラスチックはリサイクルが難しいこと、
ほとんどがゴミになってしまうこと、
マイクロプラスチックの回収が難しいことなどなと…
問題に関する知識のない自分には
とてもよい入門書になりました。
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ここ数年さかんに脱プラが叫ばれるようになり、弊社メーカーも対応を迫られていることから興味を持ち読了。
マイクロプラスチックはほとんどの魚から確認されているということが衝撃的だった・・
人間も知らず知らずのうちにプラスチックを口にしていることになる。生物への影響の話は話題としてよく聞くが、人体への影響についてはあまり耳にしない気がする。(研究も進んでいないとのこと)
”脱プラ”を進めるにあたり、環境側面だけでなく人への影響も触れるようにすることで世の中の動きを加速させることができるのではないかと感じた。
・日本のプラスチックリサイクルは多くがサーマルリサイクル(熱回収)であるが、グローバルではリサイクルとして認められない。
・バイオプラスチック
①生分解性プラスチック⇒PLA,PHAなど重要素材
②非生分解性プラスチック
⇒カーボンニュートラル
③生分解性石油系プラスチック
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海洋プラスチックによる汚染の現実と今後の対応と課題について書かれた本。
まとめると読者のネクストアクションとして、
1.廃棄物の管理を徹底する
→分別
→不法投棄しない
→ポイすてしない
→ゴミをこぼれ落ちさせない
2.プラスチックの発生を最小限にする
→3R【リユース、リデュース、リサイクル】の徹底
→使い捨てプラスチック製造会社が儲からないようにする
当たり前といえば当たり前の内容。現実の環境問題について知る本。
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先日読んだ「プラスチックフリー生活」は生活の中でどうプラスチックを減らすかに重点が置かれていたが、こちらの方はさすが研究者だけあって実際の海でのプラスチックの実態が克明に記されている。前述の本を読むと、テフロン加工の鍋を使うのをやめたりするのに対し、こちらの本を読むと近所の川にゴミ拾いに行かねばという衝動に駆られる。もちろん、ゴミ拾いは最低限できることで、そもそもの排出量を減らさねばと書いてあり、両方やるのが重要なんだけど。
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サンゴ礁や深海生態系の専門家が、海洋プラスチックの研究を一般向けにまとめた本。プラスチックがどうやって海に流れ込むこのか、なぜ問題なのかを詳しく述べている。シーフードを通じての人体への影響はほとんどないと分かり安心するが、数十年後はやはり心配になる。問題解決の決め手はリデュースとリデザインだろう。使い捨てにしないで何度も使う製品や材料を考慮したリサイクルしやすい製品の開発、商品を提供するサービスのビジネスモデルを含めた変更などを包括したリデザインの考え方には共感する。一方で、他のRであるリサイクルとリユースは全体から見ると優先順位度がかなり低いことも理解できる。