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紙の本
おかあさんの木 (ポプラポケット文庫 児童文学・中級~)
著者 大川 悦生 (著),箕田 源二郎 (イラスト)
おかあさんの木 (ポプラポケット文庫 児童文学・中級~)
おかあさんの木
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紙の本
死者の無念の声を伝える
2023/02/13 16:10
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画にもなった表題作「おかあさんの木」をはじめ9編の戦争童話が収められている。
「おかあさんの木」は戦地に送った息子たちの帰還を待つ母親の話だが、「火のなかの声」は東京大空襲、「ぞうとにんげん」は有名な上野動物園のゾウの話、「広島のきず」は原爆で、「つる」はシベリア抑留、「父たちがねむる島」は南方戦線・・・と戦争がもたらす悲惨が、さまざまな場所・状況・語り手によって網羅されている。小さな子どもにも、戦争とはいかなるものか、が広く学べるのではないか。(発表された当時は、被害ばかり描いているという批判もあったそうだ。実際被害のことばかりなのだが、幼い子どもにまず自分事として考えてもらうには、こうした描き方は悪くないだろう)
空襲や原爆の業火に焼かれて亡くなった人、戦地で命を落とした人は現実には何も語れない。こうした童話にできることは、死者に代わって死者の声、無念を届けることなのだと改めて感じる。
一つ一つのお話が10数ページから20数ページ程度で、ちょっとした時間の読み聞かせにも良い。