紙の本
これは面白い!秀逸な作品。
2021/06/17 13:00
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
買おうか迷ったが、買って正解、読んで正解!一息に読んでしまった。
翻訳ものは、翻訳家の文章によって惹き付けられ方が変わる。翻訳がよい。
一人一人が脛に傷持ち、プライベートでも悩みがある。重々しくなく、しかし現実味のある表現で迫ってくる。
事件解決までの地道な捜査と担当刑事の勘(違和感)と些細な事から糸口が開け解決に繋がる。
副署長の追っている案件がゾッとするような犯人なのも興味深い(いつ、解決に繋がる盧だろう)。
恋の鞘当てもあり、色々な面で楽しめる。秀逸な作品。
「クロコダイル事件」の翻訳を期待している。
紙の本
二十一世紀の<87分署>、開幕!
2020/08/08 02:34
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
イタリアの警察小説、シリーズ第一作目。
ナポリ、ピッツォファルコーネ署は捜査班の大半が不祥事を起こしたことで空中分解直前。パルマ署長は早急に人員を補充、集められたのは「能力はあるが、はみ出し者」ばかり。彼らは着任してすぐに起こった殺人事件を捜査し始める・・・。
ミステリとしては大変こじんまりしているのですが、「21世紀の<87分署>」を名乗るだけあってキャラ紹介がきっちりしている。
能力が最も高そうなロヤコーノ、キレるとすぐ暴力をふるうロマーノ、スピード狂で偏見丸出しのアラゴーナ、などなど。
副署長のピザネッリもカギを握るキャラになりそう。
短い章立ての中、事件の合間にキャラクターの個性をはっきり抱かせるのでニヤニヤしちゃう。
「この人、誰だっけ?」は群像劇にはありがちなんだけど、いったん覚えてしまうと早くて、警察小説のシリーズ物ってそうなるまでに2・3作が必要なことが多いんだけど、それをこれは一作目でやってしまっている!
この人たち、この先どうなるの?!、って感情移入ではなく思わせてくれている。
誰かが「辻真先脚本のアニメシリーズの一話目みたい」と言っていたが、まさにそんな感じ、きっちり設計図がひかれてる。
事件は地味なんだけど、シリーズとして読むこと前提なのでOK。
むしろこの先に大ごとになりそうな気配は十分。
二作目の邦訳は決まっているようなので、楽しみ!
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『集結』『誘拐』をまとめてレビューを書きました。
よろしければ、下記ブログページにどうぞ。
https://ameblo.jp/konstanze0317/entry-12674962623.html
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刑事小説の金字塔として今も燦然と輝き続けるエド・マクベインの87分署シリーズは、後世の作家に影響を与えるものと想像しているが、本書により日本デビューしたイタリア人作家マウリツィオ・デ・ジョバンニはシリーズの開始にあたって、最初にマクベインへの謝辞を捧げている。
本書はイタリアはナポリを舞台にして現代の87分署とも言うべきものを意図した新しい作家による新しい警察シリーズである。実は87分署シリーズは、1956年でぼく自身と同じ誕生年となる。マクベインと直にお会いできた幸運により当時の新作『ララバイ』と『ダウンタウン』にサインを頂きお話させて頂いたのは早川書房の社屋でのことだった。なので、こういう動機だけで本シリーズにぼくはやはり入れ込む。
もちろん本シリーズは、ニューヨークをモデルとした架空の巨大都市アイソラとは全く異なるナポリに展開する。しかし、人種の坩堝、国家経済の中心地、風光明媚な観光都市といった個性を持つこの都市は、物語を展開させるには十分な条件を満たしているようだし、警察小説のシリーズ展開にはうってつけの街であるように見える。
また集団小説という中で87分署のスティーヴ・キャレラ的主人公刑事を添えたのも、またその風貌がどこかキャレラに似ていることにも、なんとなく87分署愛を感じさせてくれ、嬉しいことこの上ない。
改めて落ちこぼれ刑事ばかりを集めたP分署の捜査活動再スタートという珍しい展開の中で、刑事たちは分散して二つの事件に当たる。二つの事件のミステリー性という面白さは未だ成熟を迎えていないようにぼくには思えたが、今回は刑事たちそれぞれの個性表現に重きを置くということに徹しているようで、事件の縦軸としたら刑事たち個々の物語を横軸と見ることができるので、その分、人間的には厚みのあるシリーズになり得ると期待感が高まる。
昨年同時期に『パリ警視庁迷宮捜査班』というこれまたパリを舞台にした新しい刑事チームが発足してこちらも個性的な刑事たちを配したシリーズとして楽しみなので、今この時期に世界中でチームワークと個人たちの活躍を描くハイテンポなエンターテインメントがシリーズ化されている様子は日本の片隅から眺めていても、警察小説好きには浮き浮きする気分である。
そんな新警察シリーズ、間を置かずどんどん翻訳されることを願ってやまない。刑事たちとナポリへの愛情が高まるには、スウェーデンのマルティン・ベック・シリーズのように、少なくとも10作は読ませて頂きたいように思う。
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エド・マグベイン 87分署シリーズを殆ど読んだので
興味を持ち一気に読みました。
名前が馴染みなく何度も見返しを見ながらの読書でした。
第2作に期待している。人物の描き分けも自然で、このままシリーズが続いて翻訳して欲しい。
マグベイン のシリーズも一気に読破して深く心に残った作品でした。
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イタリアミステリーがたくさん読めるようになってきた。
『パードレはそこにいる』がとても面白かったし、カルチョと自転車ロードレースを通してイタリア好きなのでうれしいのだが、
ミステリーとしてはどうも解決編が雑に思えるものが多く、またすぐに男女目線で相手をみて、即恋に落ちるという場面がご愛敬というか特徴的でこれは仕方ないのかと思っていたら、わりと英米北欧好きにも読みやすいものがでてきた感がある。よしよし。
署長がいいやつでよかったのと、犯人が意外性があってよかった。心情的に納得できる結論でした。
ナポリといえば荒っぽいことで有名。マラドーナは永遠のアイドル。
神父さま、おゆるしを。。
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「パリ警視庁迷宮捜査班」を彷彿させるメンバー。ナポリを舞台にしたはみ出し刑事達が活躍する警察ミステリー。今回はそれぞれの紹介にページ数を費やしていて、捜査の仕方にメンバーの性格や特徴を滲ませている。シリーズ化されるようなので次回を期待したい。先日読んだ「汚れた雪」などイタリアミステリが翻訳されだしたのが嬉しい。それにしても、イタリア男性の惚れやすい性質が面白い。
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21世紀の87分署シリーズなどと言う声があれば読まざるを得まい、ということで手にとったイタリアの警察小説。一応主人公めいた設定の人物はいるもののほぼ全ての警官が主人公になり得る形式の警察小説。本作品では押収した麻薬を横流しした結果、刑事の全員が逮捕、解雇され引責で署長も辞任したナポリの治安の悪い地域~いちおう架空となっている~にある警察署を舞台としている。そのような理由なので名前を聞くだけでも皆が顔をしかめるような状況。若手でやる気のあるキャリアが志願して署長として赴任してきたが穴埋めに異動してきたのは全員が曲者というか元いた署では持て余されていた者~反社勢力とつながりがあると噂され有能だが浮いている警部、スピード狂で派手好きな若者、暴力衝動を抑えられない男、警察署内で発砲事件を起こした女性刑事~だらけという設定。そこに複雑な個人の事情を抱える元からいた年配の副署長と女性警官という6人が現時点では中核となる登場人物らしい。いきなり寄せ集められた警官達が直面する2つの事件~殺人事件と若い女性の監禁~の謎解きと登場人物それぞれの背景事情が語られる。どのエピソードも今後が楽しみな感じでシリーズの第一作目としてはかなり上出来。観光都市ナポリが舞台で汚らしい犯罪と美しい景観の対比なども面白い。これは是非ずっと邦訳を出していってほしいシリーズだ。面白かった。
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ああ、ほんとだ!
帯通りだったわ…イタリアの87分署!
昔、好きだったなぁ、あのシリーズ。
そもそも「はみだしものばかり」
集められた分署が舞台で
ボスがちょっといい人という
このパターン大好きだし(笑)
そうか〜、イタリアでもアリか〜。
並行して起きた二つの事件に
コンビ組んだばかりの2チームが
それぞれ捜査に当たるんだけど
最終的に二つが一つに!
…つながりません(-〜-)
そうくるかぁ。
今回は人物紹介編ってとこですかね。
シリーズ、出るといいな。
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解説の吉野仁ほか、信頼できる書評家たちの評価も高いナポリを舞台にした刑事物語。主役であるロヤコーノ警部に想いを寄せるトラットリアの女主人とか判事とかが、いかにも色気があって魅力的。それと比較するとロヤコーノをはじめとする刑事達の魅力が今ひとつ。そして最大の問題は2時間ドラマ的強引な真犯人とその動機…。
次作はいいかな。3.0
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メリハリがないぼんやりした文章が少し苦痛だったが、散りばめられている謎自体には魅力があった。せっかくすばらしい食材が用意されているのに、それを一流の料理に仕立てあげるには手腕に不安が残る。そんな感覚が拭えなかったので、もう数段は洗練された小説を所望したい。ある人物の言動で早々に「こいつが犯人だ」とわかってしまったのだが、そういうところに関してももっと工夫ができたのではないか。文句ばかりだな、とおもわれても否定はしない。もったいない印象が残った。おそらく、続きが刊行されても次は買ってまでして読まないだろう。
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イタリア市警のロヤコーノ警部は、単独捜査だが凄腕刑事で上司から疎まれ閉鎖寸前のナポリ、ピッツォファルコーネ署、通称P分署に飛ばされた。捜査班の面々は、スピード狂で市長の縁故アラゴーナ・拳銃マニアの女性刑事アレックス・不祥事を起こした刑事の元同僚でコンピュータに詳しい女性刑事オッタヴィア・暴力的なロマーノ刑事と定年間際の副署長ピザネッリだ。
早速事件発生、公証人フェスタの妻が自宅で殺された。妻のコレクションのスノードームで殴り殺された。
一方で半身不随の老婆から不審な家が有ると P分署に通報が入った。不審なアパートは老婆の向かいで女性が監禁されている様だと。
本作は、イタリアではP分署シリーズとして2017年からTVドラマ化されてます。緊迫した追撃や銃撃戦の派手さは有りませんが個性的な4人の問題刑事達が結束して捜査するストーリーは地道に足で稼ぐ刑事然として親しみが湧きます。殺人事件と監禁事件の二つがどこで交錯するのか読みながら期待が膨らみます。
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シリーズの始まりということもあって各人の背景描写のボリュームが多すぎるような気もするが、次につながる伏線もあり、シリーズを追いかけようと思う。
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イタリア発警察小説第1作。
あらすじ
前任者たちが不祥事をおこしたピッッツオファルコーネ署。欠員を埋めるために集めれられたのは、他の署で問題を起こした人ばかり。主人公?はクロコダイル事件なる連続殺人事件を解決したのに、マフィアに情報を流したとされるロヤコーノ。他には、暴力的なロマーノ、銃が好きなアレックス、アメリカ刑事ドラマに憧れるアラゴーナなど。
まずは公証人、金融関係の仕事?の妻がスノードームで撲殺された事件を捜査する。
楽しくてさくさん読んだ。21世紀の87分署とも呼ばれているらしい。87分署は読んだことはないけれども。個性的な7人のメンバー。癖は強いが根っからの悪人がいなくて、続編で各自のドラマとか書かれるのかな。楽しみ。イタリアンミステリーって珍しい。架空の町だからかも知れないけど、昔からの代々続く富裕層・庶民・外国からの出稼ぎと、生活が全然違う様子とかも興味深かった。
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「おすすめ文庫王国2022」の「冬休みに読みたい!おすすめシリーズ(ミステリー)」で推されていたので買ってみた(とっくに冬休みは終わっているけどね)。
ナポリでも治安最悪の地区にあるピッツォファルコーネ分署で、汚職により捜査課に大量欠員が発生。そこで各地から腕利きだが問題のある警官たちが送り込まれ、急造で捜査チームが結成される…というところから始まるお話。
敏腕であるが独自の捜査方針を貫いて左遷されたロコヤーノ警部、暴力衝動を抑えられないロマーノ巡査長、度を超えた銃器好きのディ・ナルド巡査長補、コネ就職でスピード狂のアラゴーナ一等巡査という面々に、新任のパルマ署長、不審な自殺を調査し続けるピザネッリ副署長とコンピュータに詳しいカラブレーゼ副巡査部長が彼らを支える。
シリーズ物の最初の巻なので、登場人物の背景について語られる頁が多いのだが、彼らの個人的な事情、悩みや心の闇を読んでいるだけでなかなかに面白い。捜査はおまけみたいな感じだが、イタリアの市井の暮らしが良く知れる。