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複雑系経済学入門 増補 (ちくま学芸文庫)
著者 塩沢由典 (著)
消費者も生産者も神のごとく最も有利な選択をするという仮定。生産規模を大きくすればするほど生産効率が下がるという仮定。2つの誤った前提を見直し、複雑な経済現象を抽象化せずに...
複雑系経済学入門 増補 (ちくま学芸文庫)
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商品説明
消費者も生産者も神のごとく最も有利な選択をするという仮定。生産規模を大きくすればするほど生産効率が下がるという仮定。2つの誤った前提を見直し、複雑な経済現象を抽象化せずに理解しようとする複雑系経済学を論ずる。〔初版:生産性出版 1997年刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
なぜ経済政策は間違えるのか。それは経済学の理論と現実認識に重大な誤りがあるからだ。複雑な世界を複雑なまま理解する新しい経済学が今、始まる。【商品解説】
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『市場の秩序学』に続いて、ちくま文庫入り
2020/06/22 14:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
固定観念と化した枠組みから離れて、経済行動そのものを見直そう、私達自身の日常の行動と計算とをもっと正直に捕らえ直そう。このような考えから出発した「複雑系経済学」について、わかりやすく解説する。1997年初版。(このころ「複雑系」というのが流行だったような。)なぜ経済政策は間違えるのか。それは経済学の理論と現実認識に重大な誤りがあるからだ。複雑な世界を複雑なまま理解する新しい経済学がここから始まる。従来の経済学研究は要素還元主義的な分析手法に強く依拠してきた。これは物理学における概念を経済学にそのまま導入したことの論理的帰結であって、そこから経済学は厳格で壮大な理論体系(一般均衡理論)を構築し、それが正しい市場の理論であると思い込んできた。しかしその理論の中核には人間の合理性が無限大であるという想定がなされていた。人間の認識、計算、推論能力に重大な限界が課されるならば、需要関数をそもそも構成することはできない(供給関数の場合は「収穫逓減の仮定」)。こうした主流派経済学に代わるべく新たな市場の理論を作り直さなればならない。計画経済の失敗を理論的に総括する作業は、その実現可能性を強く支え続けてきた主流派経済学の見直しをも迫るという著者の主張は明確である(2章、3章)。重要なことは、そうした「開かれた討論」を今後も積極的に継続させ、その中から新たな経済理論や経済思想を主体的に生み出してゆくことであろう。かつては計算論争で「敗北」と断定されたオーストリア学派は社会主義批判をその後も精力的に展開しつつ、「均衡分析」にかわる「過程分析」の理論化を推し進めることで、市場認識を内在的に深化させることに大きな貢献を果たしたことが想起される。本書以前に刊行された『市場の秩序学』や『複雑さの帰結』などを併読することで、経済学をよりよく理解できる。
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複雑系経済学入門・読む価値有り
2020/07/25 15:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:OCU1987 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物の値段はどうやって決まるか。右肩上がりの供給曲線と左肩上がりの需要曲線の交わった点=均衡価格できまる-高校の教科書にも載っている従来の経済学の基本原理です。
その理論は誤っていると本書は主張しています。こう書くとキワモノのように聞こえますが、複雑系経済学は従来の経済学(新古典派経済学)と異なった視点で経済を捉えようとする経済学の一分野です。新古典派の理論を紹介した上で、「限定合理性」「収穫逓増」をキーワードに(これ以上はネタバレとなるので割愛)どこが誤っているかを論証していきます。
「入門」といっても「サルでもわかる」類のものではありませんが、読み終えれば
目から鱗が落ちる思いになるでしょう。
現在、経済学を学ぶ学生だけでなく、過去に学んだOLD学生にもお勧めしたい一冊です。