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紙の本
異端審問 (講談社学術文庫)
著者 渡邊 昌美 (著)
密告、駆け引き、拷問、火刑…。やがて訪れる魔女狩りの季節の前夜に、南フランスを中心に吹き荒れた異端審問の歴史を、あらゆる史料を駆使して克明に描きだす。中世民衆の宗教世界の...
異端審問 (講談社学術文庫)
異端審問
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商品説明
密告、駆け引き、拷問、火刑…。やがて訪れる魔女狩りの季節の前夜に、南フランスを中心に吹き荒れた異端審問の歴史を、あらゆる史料を駆使して克明に描きだす。中世民衆の宗教世界の実相に迫った一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
――皇帝ジギスムントが宮中伯ルートヴィッヒに向かって命令する。「囚人を受け取り、よろしく異端者として扱え」。今度はルートヴィッヒがコンスタンツの帝国代官に向かって命令する。「我ら双方によって断罪されたる者としてこの者を受け取り、よろしく異端者として焼け」。――
1415年に異端として裁かれた宗教改革の先駆者、ボヘミアのヤン・フス処刑の克明な描写にはじまる本書は、中世のヨーロッパで異端審問がどのようにして生まれ、そして制度として定着していったのかを、具体的なエピソードを丁寧に積み重ねながら、当時の人々の息遣いもあざやかに描き出す。法も手続きも無視して「すべて殺せ」という13世紀の異端狩りの熱狂から、ウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』にも登場した、世界で最も有名な異端審問官ベルナール・ギーによって組織化・マニュアル化された14世紀の冷徹無比な異端審問を経て、15世紀末スペインでの過酷な弾圧に至る、その道のりの背後には、いかなる時代精神が見いだせるのか。
西洋中世史不朽の名著『異端カタリ派の研究』(岩波書店、1989年)の著者が、多彩な史料を駆使して知られざる中世世界への扉を開く!(原本:講談社現代新書、1996年)
【解説(轟木広太郎・ノートルダム清心女子大学准教授)より】
本書は、一三、一四世紀における異端審問の成立と制度的確立の経緯を、およそ関連するすべての種類の史料を博引旁証しながら描き切った労作である。……ヨーロッパ中世という日本人にはどこか掴みどころのない、しかしそれでいて魅惑的な個性を放つ時代の雰囲気を初学者に感得させると同時に、このテーマに興味を持つ専門家にとってもいまだ探求のヒントを数多く掘り出すことのできる鉱脈たり続けていると思う。(本書「解説」より)
【本書の内容】
第一章 薪と硫黄の匂い――異端審問とは何か
第二章 剣と火と異端者――異端審問の誕生まで
第三章 異端審問創設の頃
第四章 異端審問の制度化
第五章 審問官ベルナール・ギー
第六章 裁かれる者たち
第七章 スペインの火刑台
あとがき
参考書目抄
解説「異端審問と交差する四つの歴史の道筋」(轟木広太郎)
【商品解説】
著者紹介
渡邊 昌美
- 略歴
- 1930-2016年。岡山県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。高知大学教授、中央大学教授をへて、高知大学名誉教授。専門は、フランス中世史。主な著書に、『異端カタリ派の研究』、『中世の奇蹟と幻想』、『フランス中世史夜話』など。主な訳書に、エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ『モンタイユー』(共訳)、マルク・ブロック『王の奇跡』(共訳)、ジャン・クロード・シュミット『中世歴史人類学試論』など。
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異端審問
2021/06/20 01:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世ヨーロッパで行われた異端審問について、そもそも「異端」とは何か、どのように始まり、どう理論付けられ、規則が決まっていったのか、どのように執行、受容、もしくは抵抗されたのか、本書ではドイツ、フランス、スペインの事例を中心に、資料を元に記述している。解説もついていて、とても分かりやすいが、中世ヨーロッパの基本的な知識(十分の一税や国王とローマ教皇の関係など)もある程度あったほうがいいかもしれない。
紙の本
13世紀から14世紀の異端審問の成立と制度的確立の経緯を詳細に解説した興味深い書です!
2021/03/01 12:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、フランス中世史を専門に研究されている渡邊昌美氏の作品です。同氏は、『異端カタリ派の研究』、『中世の奇蹟と幻想』、『フランス中世史夜話』といった興味深い作品を発表されていることでも知られています。同書は、13世紀から14世紀における異端審問の成立と制度的確立の経緯を関連するすべての種類の史料を博引旁証しながら描き切った労作です。「ヨーロッパ中世」という私たち日本人にはどこか掴みどころのない、でも、それでいて魅惑的な個性を放つ時代の雰囲気を初学者に感得させると同時に、このテーマに興味を持つ専門家にとってもいまだ探求のヒントを数多く掘り出すことのできる一冊となっています。ぜひ、一度手に取ってみてください。