養老孟司入門 ――脳・からだ・ヒトを解剖する
著者 布施英利
「脳」「からだ(人体)」「ヒト」をめぐって「生きるとはどういうことか」を問い続けてきた解剖学者・養老孟司の代表的著作を読みなおし、その探求・思想の世界を一望する。「脳より...
養老孟司入門 ――脳・からだ・ヒトを解剖する
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商品説明
「脳」「からだ(人体)」「ヒト」をめぐって「生きるとはどういうことか」を問い続けてきた解剖学者・養老孟司の代表的著作を読みなおし、その探求・思想の世界を一望する。「脳より大切なものがある」、「塀の上を歩け」、「あたりまえ」の本質、「無思想」という思想、「ヒトとはなにか?」……知的刺激に満ちた数々の至言とともに、東大医学部解剖学教室からの愛弟子である著者が、各著作が書かれた当時のエピソードも交え評伝風に語る。一冊でわかる、養老孟司のすべて!
目次
- 序章──一九八五年/脳より大切なものがある/最後の解剖学者/書き下ろしの著作を読み解いていく/第一章 『形を読む』──一九八六年/生物の形態を読み解く四つの視点/「数学的・機械的な見方」とは/「機能的な見方」とは/「発生的な見方」とは/「進化的」な見方とは/「重複と多様性」とは/相同と相似/自己と対象/「形態の意味」とは/見方を統一する/第二章 『唯脳論』──一九八九年/『唯脳論』を連載していた頃/現代は、要するに脳の時代だ/ヒトの脳の特徴は「交換」である/お金と言語は、同じもの/運動系が「目的」を生んだ/意識とは「脳を知る脳」のこと/心と脳と体の関係/死体とは、都市に残された最後の自然である/第三章 『解剖学教室へようこそ』──一九九三年/解剖学教室へようこそ/そもそも解剖とは/解剖には何カ月という長い時間がかかる/解剖に使う死体は、どこから来るのか/誰が解剖を始めたのか/人間と機械は、どこが違うのか/第四章 『考えるヒト』──一九九六年/「塀の上を歩け」とは/脳が脳をわかるか?/「脳と心は違う」のか/入力から出力へ/脳への情報入力/脳からの情報出力は「筋肉」のみ/世界像を構築する/意識について考える/「無意識」とはどういうものか/「たまには人間の自然を考えなさい」/口笛吹いて去る姿/第五章 『バカの壁』──二〇〇三年/本を書くことの「一種の実験」/われわれは自分の脳に入ることしか理解できない/「共通了解」と「強制了解」/個性が大切だというのは話がおかしい/「知る」と「死ぬ」/「情報は変わらない」とは/ピカソは、どのように天才か/利口とバカは少数派/お金の話は、脳の話である/「私の考えは、二元論に集約されます」/「自分の壁」を超える/第六章 『無思想の発見』──二〇〇五年/そもそも「自分」なんてものはない/だれが「自分」を作るのか/「世界中どこに行っても通用し、百年経っても通用する」もの/「私の心」とは、私だけのものなのか/「思想なんてない」という思想/般若心経とつながる/二人の解剖学者、三木成夫と養老孟司/第七章 『遺言。』──二〇一七年/自発的「書き下ろし」本/絶対音感/感覚所与とは/養老式二元論の図式/「イコール」があるか、ないか/民主主義と脳/時間の中での「同じ」/不死へのあこがれ/デジタルは死なない/ヒトはなぜアートを求めるのか/終章──二〇二〇年/養老孟司の著作一覧
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ばかの壁を乗り越える最初はこれ!
2021/03/22 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:蛇歩音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
形態を読むからのファンです。分からなかったら、まずは、これ!
著書を解説しながら「何を考えてきたのか」を考察。
2022/05/02 13:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数冊の著書を表題に置き、本書著者の思い出も交えながら養老先生の「考えるもの」を紐解いていく一冊。養老先生もついに「哲学者的扱い」になったのかな、という印象。人体の解剖学から思考を広げ、いろいろ読み込める本をたくさん出しておられるのだな、と改めて感心もした。
「書かれてしまったもの」はどのようにも読まれることは可能だし、そこに著作の深さ、怖さ(などなど)がある。ので、先入観なしに養老先生を読みたい人にはお勧めはしないが:
この本にはこんな解釈もあるのか、と読むもよし。
こんな本なら一度読んでみようか、と読むもよし。