- 販売開始日: 2021/08/03
- 出版社: 文藝春秋
- レーベル: 文春学藝ライブラリー
- ISBN:978-4-16-813093-9
公爵家の娘 岩倉靖子とある時代
著者 浅見雅男
昭和8年、一斉検挙・起訴された「赤化華族」のなかに岩倉具視の曾孫がいた――。出自と時代に翻弄された少女の哀しい運命を追う。※この電子書籍は1991年7月にリブロポートより...
公爵家の娘 岩倉靖子とある時代
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商品説明
昭和8年、一斉検挙・起訴された「赤化華族」のなかに岩倉具視の曾孫がいた――。出自と時代に翻弄された少女の哀しい運命を追う。
※この電子書籍は1991年7月にリブロポートより刊行された単行本、および2000年10月に中央公論新社より刊行された文庫本を底本とした文春文庫版です。
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生きるべきだった
2021/11/13 14:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
靖子の純粋な気持ちがよくわかった作品だ。それは家族に対しても世間にたいしてもである。当時の政治、思想等の状況は彼女の純粋性を受け入れられなかったと言える。
そこが悲劇だ。今なら何でもなかった事柄が当時はこんなに大事件になる。昭和史の汚点を見た気持ちだ。
飢えた農民の前で言えるだろうか?
2021/08/04 22:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が今回、「新装版のためのあとがき」で「元版の単行本を刊行してから三十年以上経った。靖子とその時代についての私の考えは変わっていない」と書いている。「公爵家の娘」が処女作だろうし、平凡社新書の「反逆する華族」で同じ事を書いているから岩倉靖子に思い入れがあるのだろう。
この本で言及されている「日本共産党の研究」はスパイMの実像を彼の家族に取材して、ある程度明らかにしたが、同時にスパイMに「積極的な思想性」を見いだしてしまったという欠陥がある。「公爵家の娘」も同じで、たとえ大日本帝国が誤った道を歩んで、欠陥があるとしても、岩倉靖子のような「赤化華族」をはじめとする人々が「理想社会」と夢見た「プロレタリアートの祖国ソ同盟」でホロドモールや「スターリン記念白海・バルト海運河」が同時並行に進んでいて、恥知らずにも自称「労農赤軍」を代表する国防人民委員クレメント・エフィーモヴィチ・ヴォロシーロフがエーリヒ・フォン・マンシュタインに2時間ものザクースカでもてなした時代だ。大日本帝国が間違った道を歩み、色々な欠陥があるとしても、スターリン主義の「未来社会」を夢見た人々を美化するわけにはいかない。
この本、ソ連崩壊と同じ年に単行本が出たのに。