紙の本
東京の生活史
著者 岸 政彦 (編)
【紀伊國屋じんぶん大賞(2022)】【毎日出版文化賞企画部門(第76回)】東京で暮らしているいろんな階層、年齢、職業、ジェンダーの人生とは−。東京で生きる150人の膨大な...
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商品説明
【紀伊國屋じんぶん大賞(2022)】【毎日出版文化賞企画部門(第76回)】東京で暮らしているいろんな階層、年齢、職業、ジェンダーの人生とは−。東京で生きる150人の膨大な語りを一冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。【「TRC MARC」の商品解説】
150人が語り、150人が聞いた、東京の人生。
いまを生きるひとびとの膨大な語りを一冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。
……人生とは、あるいは生活史とは、要するにそれはそのつどの行為選択の連鎖である。そのつどその場所で私たちは、なんとかしてより良く生きようと、懸命になって選択を続ける。ひとつの行為は次の行為を生み、ひとつの選択は次の選択に結びついていく。こうしてひとつの、必然としか言いようのない、「人生」というものが連なっていくのだ。
(……)
そしてまた、都市というもの自体も、偶然と必然のあいだで存在している。たったいまちょうどここで出会い、すれ違い、行き交う人びとは、おたがい何の関係もない。その出会いには必然性もなく、意味もない。私たちはこの街に、ただの偶然で、一時的に集まっているにすぎない。しかしその一人ひとりが居ることには意味があり、必然性がある。ひとつの電車の車両の、ひとつのシートに隣り合うということには何の意味もないが、しかしその一人ひとりは、どこから来てどこへ行くのか、すべてに理由があり、動機があり、そして目的がある。いまこの瞬間のこの場所に居合わせるということの、無意味な偶然と、固有の必然。確率と秩序。
本書もまた、このようにして完成した。たまたま集まった聞き手の方が、たまたまひとりの知り合いに声をかけ、その生活史を聞く。それを持ち寄って、一冊の本にする。ここに並んでいるのは、ただの偶然で集められた、それぞれに必然的な語りだ。
だからこの本は、都市を、あるいは東京を、遂行的に再現する作品である。本書の成り立ち自体が、東京の成り立ちを再現しているのである。それは東京の「代表」でもなければ「縮図」でもない。それは、東京のあらゆる人びとの交わりと集まりを縮小コピーした模型ではないのだ。ただ本書は、偶然と必然によって集められた語りが並んでいる。そして、その、偶然と必然によって人びとが隣り合っている、ということそのものが、「東京」を再現しているのである。
(岸政彦「偶然と必然のあいだで」より抜粋)【商品解説】
目次
- 東京の生活史 目次
- ただ……ピアノは弾くんだと思ってましたから。どう言えばいいん でしょうね、よくわかんないけど。ピアノのない生活なんか考えないですよ
- 語り手=手島儀子 協力=伊藤るり 聞き手=青山薫
- 「私は神様より悪魔のほうが好き」とか言っちゃって母を悲しませたよなぁ
- 聞き手=秋山きらら
- あそこの店やって、みんないろんな人が来て、で、どこ住んでるんですか?って言うと、世田谷から来ましたとか下北から来ましたって、勝ったなって
- 聞き手=浅海卓也
著者紹介
岸 政彦
- 略歴
- 〈岸政彦〉1967年生まれ。社会学者・作家。立命館大学教授。著書に「リリアン」「図書室」「マンゴーと手榴弾」など。
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