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紙の本
銭躍る東シナ海 貨幣と贅沢の一五〜一六世紀 (講談社選書メチエ)
著者 大田 由紀夫 (著)
15世紀後半、北京で流行し始めた派手な消費生活はやがて朝鮮半島・日本列島にも伝播した。「贅沢の連鎖」はなぜ起きたか? 同時発生した悪貨の横行の原因は? 共進化する東アジア...
銭躍る東シナ海 貨幣と贅沢の一五〜一六世紀 (講談社選書メチエ)
銭躍る東シナ海 貨幣と贅沢の一五~一六世紀
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商品説明
15世紀後半、北京で流行し始めた派手な消費生活はやがて朝鮮半島・日本列島にも伝播した。「贅沢の連鎖」はなぜ起きたか? 同時発生した悪貨の横行の原因は? 共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える試み。【「TRC MARC」の商品解説】
〈共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える!〉
「ちかごろ北京城の内外で人々は贅沢を好み、貴賤を問わず、みな金襴や宝石を身に着け、服装がみずからの分限を甚だしく越え、どの宴席でもいつも盛りだくさんの料理や菓子などが並べられ……」
15世紀後半、明の都・北京では人びとが競って贅沢にふけるようになった。奢侈の風潮は、さらに朝鮮半島、そして日本列島にも伝播し、絹製品や陶磁器・金銀・珠玉などの「唐物」が東シナ海を盛んに行き交うこととなる。
大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起こったのか?
それは単なる偶然ではなく、また各地域内の単一事象だけでも決して説明がつかない、世界史的事件であった!
これまで日本史の枠内で捉えられていた応仁の乱前後を画期とする日本列島の経済成長も、日朝交易が過熱化し半島から列島へ流れ込む朝鮮綿布、琉球を経由した唐糸・青花の流入といった多地域にわたる国際交易の活況と切り離して考える事ができない。
中世日本の経済成長、私鋳銭の流通や石高制への変化などの事象も、東アジア各地の経済成長と連動したものであった。
本書は、中国・朝鮮・日本の経済変動が相互に影響を与え合い、複数の起点からなる共時的な歴史変動がいかに生起するかを探る試みである。
【本書より】
総じて、およそなんの関わりもないように思われてきた東アジア各地の個々の事象が互いに関連し合い、やがてひとつの大状況(東アジア大での経済成長、日本銀の登場、倭寇的状況など)を創出し、さらにその大状況が多数の事象を派生させるとともに、これらの事象によってふたたび変容する、そのような歴史過程を描き出すことが本書の目的である。いままで意識されなかった歴史の「流れ」を見出し、その生成・展開を跡づけることを通して、この時期の中国史・日本史そして東アジア史をめぐる既存の認識とは多少なりとも違ったストーリーを提示できればと考えている。
【主な内容】
第一章 贅沢は連鎖する ─明・朝・日の経済成長
第二章 悪銭と悪布─ 巻き起こる通貨変動
第三章 そして「倭銀」があらわれた
第四章 活況と騒乱の東アジア─ シルバー・ラッシュがもたらしたもの
おわりに ─ 「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”
【商品解説】
著者紹介
大田 由紀夫
- 略歴
- 〈大田由紀夫〉1965年長野県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。鹿児島大学法文学部教授。専攻は中国近世史。
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近世東アジアの経済発展
2021/09/21 17:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
15世紀後半からの中国の経済成長に端を発する東アジア全体の経済的な変動を紹介したい一冊。戦国時代、明清交代、壬辰倭乱と日中朝にとっては動乱の時代でもあったが、同時にそれは社会の流動性を促し、新たな経済需要の高まりを見せた瞬間でもあった。石高制という日本ローカルに思える体制が、東アジア全体の経済発展に繋がっており、さらにその裏にはスペイン銀の流入など世界全体を見据えたグローバルな連環が存在する。戦国時代の経済に興味がある人にとっては、その視点を一気に広げられる良書だと思う。
電子書籍
銭→米への遷移
2023/11/21 05:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:WAST - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代の年貢(税金)は米、これは時代劇などでもおなじみ。しかし、室町末期の税金は銭や銀で払っていたのも私のように少しかじった人間でも知っている。
現代の眼からみると銭→米というのは一見、退行しているようにみえる。この現象が決して非合理的なものではないということを東アジアの地理的広がりから解き明かし、さらにその先まで教示してくれる良書。
電子書籍
15、16世紀の東アジア経済
2022/11/01 13:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
撰銭行為が日中朝で同時に起きていたり(朝鮮は布)、中朝貿易で朝鮮銀が使われていたのが日本の石見銀山からの銀大量輸出の呼水になったりと一国史的な見方でなく経済が繋がっていることが面白かった。南米銀の流入でインフレが起こり社会が不安定になる中、明は滅んだが江戸幕府は鎖国することによりグローバル経済から切り離すことで安定化したなど興味深い論が述べられている。
紙の本
鎖国は経済対策でもあった。
2024/05/01 10:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
東アジア 日本朝鮮中国 とその周辺部の経済史である。大部で詳細に記述されているが、原典の登場が比較的少なめでこれが逆に読みやすさのもとになっている。日本 及び 朝鮮において銅貨不足に悩んだ時期が長かったのに、なぜ自国で銅貨鋳造を行わなかったのか?銅地金がなかった?鋳造能力がなかった?政権が経済に無関心だった?本書を読み終わっても今ひとつ釈然としない。
鎖国は経済対策でもあった との終章の記述には、感銘を受けた。