- カテゴリ:一般
- 発売日:2021/09/28
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/199p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-401808-6
読割 50
紙の本
虚空へ
著者 谷川 俊太郎 (著)
できるだけ少ない言葉で詩を書いてみたい−。誕生の不思議、いま触れている感覚、死の向こう。2020〜2021年に14行に凝縮して綴った、軽やかにして豊かな全88篇。『新潮』...
虚空へ
虚空へ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
できるだけ少ない言葉で詩を書いてみたい−。誕生の不思議、いま触れている感覚、死の向こう。2020〜2021年に14行に凝縮して綴った、軽やかにして豊かな全88篇。『新潮』『Web新小説』掲載に書下ろしを加える。【「TRC MARC」の商品解説】
できるだけ少ない言葉で詩を書いてみたい――。「夥しい言葉の氾濫に、小さくてもいいから詩の杭を打ちたい」デビュー以来つねに第一線にありつづける国民的詩人、谷川俊太郎。70年の詩作を経て至った、瑞々しく自由なる新境地。誕生の不思議、いま触れている感覚、死の向こう……老いて一日は旅。軽やかにして豊かに凝縮された十四行詩88篇。【商品解説】
著者紹介
谷川 俊太郎
- 略歴
- 〈谷川俊太郎〉1931年東京生まれ。詩人。「世間知ラズ」で萩原朔太郎賞、「トロムソコラージュ」で鮎川信夫賞、「詩に就いて」で三好達治賞受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
蛍火のように点滅する詩
2021/11/11 16:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩は、できれば声に出して読む「音読」がいい。
自分の声が耳に入って、リズムという循環を生む。
そうは思っているが、谷川俊太郎の新しいこの詩集を、さて声に出して読んだとしても、その理解はある一面でしか生まないような気がした。
詩集の「あとがき」で、谷川は「言葉数を多くすることで、暗がりから徐々に現れてくる詩がある。言葉数を少なくすることで、暗がりのなかで蛍火のように点滅する詩もあるかもしれない。」と書いている。
だから、この詩集には短い行脚の十四行詩ばかりが収められている。
まずその前に、谷川がいう詩から現れる光とは何だろう。
蛍火のように点滅するものとは何だろう。
それは生きるという時間の中で照らされるものかもしれない。
詩そのものに利益はないかもしれないが、詩がないとぎくしゃくしてしまう。
そういう空白こそが、詩の持つ力ではないだろうか。
そして、谷川が今回提示した詩の数々は「音」だけでなく、視覚をも求めてくる。
短い言葉の羅列、行数の組み合わせ、なにより詩のタイトルにつけられた( )は、音ではなく見ることでしか理解されない。
(詩につけられたタイトルは、例えば「椅子を引き」が印刷された時に「(椅子を引き)」となっている)
谷川のこの詩集を読んでいると、詩を読む怖さのようなものを感じる。
そんな怖さも含めて、詩の世界なんだろうが。