「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
鎌倉殿と13人の合議制 (河出新書)
著者 本郷 和人 (著)
源頼朝亡き後、頼家の代に導入された「13人の合議制」とは何だったのか。頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、武士政権というそれまでにない権力体とその激動...
鎌倉殿と13人の合議制 (河出新書)
鎌倉殿と13人の合議制
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
源頼朝亡き後、頼家の代に導入された「13人の合議制」とは何だったのか。頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、武士政権というそれまでにない権力体とその激動について解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
源頼朝亡き後、頼家の代に導入された「13人の合議制」とは何だったのか。鎌倉幕府の本質と北条時代への移行期の真相に迫る。【本の内容】
著者紹介
本郷 和人
- 略歴
- 1960年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。博士(文学)。専攻は日本中世政治史、古文書学。『上皇の日本史』『壬申の乱と関ヶ原の戦い』『日本史のツボ』『新・中世王権論』など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
「鎌倉殿の13人」の成立史と崩壊(終焉)、そして坂東武者の世へと
2022/05/05 16:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
源頼家の無能さをカバーするために始まり(131頁)、その死ととも終わった(184~5頁、189頁)、「鎌倉殿の13人」の合議制。その成立史と終焉、そしてその後が厳密さと分りやすさを両立させながら描かれていて一気読み。大河ドラマ鑑賞のよき参考書となりました。)もっとも、本書は前史に関する説明部分が長く、具体的な話になるのは134頁以降です。その分、「13人の合議制」の背景・経緯は非常によく理解できましたが、13名それぞれのキャラや運命(最期)についての記述は手薄なのが物足りませんでした。この辺は他書を当たる必要あり。)
「鎌倉幕府の本質は、結局のところ「源頼朝とその仲間たち」になります。」(16頁)
「結局、源氏将軍は三代で滅びる。「源氏将軍はもう要らない。俺たちのリーダーは北条さんがやればいい」という流れになっていった。これは頼朝の「朝廷の立てるべきところは立てて、しっかり学んで、仲良くやっていく」という方法論が武士たちの反発を生み、相当嫌われてしまったためではないかと考えています。」(27頁)
「頼朝はいずれ文書行政をやることになると、最初からわかっていた。きちんと文書という形でエビデンスを出しながら進めていかないと、武士たちがついてこない。それを最初からわかっていたのです。」(70頁)
「そもそもまず僻地の関東地方にやって来て大土地所有を始めた人々は、まず平家でした。平家が土地を開拓し、やがて平将門たちが出てきた。そして成果を上げると美味しいところを吸収して伊勢に移っていった。その、言わば残り物を漁りにきたのが源頼義、義家の親子ということになります。」(88頁)
「頼朝の成した「関東の武士たちを従えて鎌倉幕府をつくった」という大きな仕事は、実は父が築いておいてくれた勢力圏があってこそ初めて可能だったということになります。」(96頁)
「13人のうち、武士は九人ですから、そこから反北条の四人を除いた五人。その中で時政と息子の義時以外の残りの三人、これが北条派だった。だから北条氏を中心に考えるとちょうど5:4という絶妙なバランスがとれていることになる。しかも北条派のほうは北条時政を中心にまとまっているのですが、残りの四人に関しては誰がボスなのか、わからない。能力、ポジションからすると梶原景時がリーダーになってもいいのですが、この人にはどうも人望がなかった。そのことはこの後すぐに起きる梶原景時弾劾事件で明らかになります。一一九九年、つまり頼朝が亡くなってすぐに「13人の合議制」がつくられ、同じ一一九九年に梶原景時は失脚してしまうのです。」(174頁、「残りの四人」= 梶原景時・比企能員・畠山重忠・和田義盛 = すべて敗死または謀殺さる)
「「源氏将軍をもはや担ぐ必要はない。関東は関東でやって行こう」。そうした状況の中で、頼家は凡庸だったからまだよかった。しかし三代将軍の実朝は、京都との結びつきを積極的に深めていく。京都の後鳥羽上皇もそこは狸で「源実朝を媒介として鎌倉幕府を操作していこう」と考えることになりますから、大事な手駒として実朝を扱う。」(189頁)
それにしても、本書を読むと、キーパーソン(というか、曲者)はやはり北条時政と牧の方ですね。番組を観る際は、そのあたりもしっかり追っていきたいと思います。