紙の本
最後まで分からない犯人
2023/04/09 10:41
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後まで分からない犯人とその動機。シリーズも3巻目ですが、登場人物の関係性も明確になってきて、安定感が出てきた気がします。そして最初はあまり好きでなかったジェフリーが、少し好きになってきた気がします。この巻は、序盤からまさかの展開。そして次々に発生する事件と、終始楽しめました。ただ、620ページにも及び、ちょっと長かったかな。悪人イーサンとの関係を断ち切れないレナにイラっとしつつも、今後の展開が楽しみです。
電子書籍
アメリカの大学生ってこんななの?
2022/02/14 09:43
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
グラント郡シリーズ3作目。1作目で凄惨なレイプ被害に遭ったレナが再び事件に巻き込まれていく。彼女は被害者なのか、容疑者なのか?身も心もボロボロの彼女に同情したい気持ちは山々だが、なにせ行動や言動が支離滅裂で意味不明。そんな彼女でも熱烈なファンがいるというのは驚きだ。今作は犯行に及ぶ手口や犯人の動機など意外にあっさりと描かれてしまって、捜査でじわりじわりと追い詰めていく緊迫感がまるでないのが残念。警察署長のジェフが迷走しまくっている。そして、衝撃のラスト!やはりお前かっ!
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女がいて、男がいて、出会って、恋して、結婚して、なのに、男が不始末をして、離婚に至る。
そこを物語にするのが普通だと思うのだが、
しかし、この〈グラント郡〉シリーズは、ここからはじまるのだ。
サラ・リントンはジョージア州グラント郡の小児科医であり、検死官である。
元夫ジェフリー・トリヴァーは、グラント郡警察署長だ。
元夫婦は、私生活は別れてしまっていても、同じ職場で共に働いている。
『殺人件数が国の平均の十分の一しかない町で、死体がいきなりずらりと並んだのだ。』(395頁)
グラント郡シリーズは、作者カリン・スローターのデビュー作『開かれた瞳孔』にはじまる物語だ。
シリーズは全6巻で完結し、後に発表されたウィル・トレント・シリーズに合流する。
ウィル・トレント・シリーズのファンであるところの私は、この〈グラント郡〉シリーズが出版されるのを心待ちにしていた。
第1作『開かれた瞳孔』が出るなり読んで紹介するつもりだったのだが・・・・・・できなかった。
なんというか、私の好きなカリン・スローターではなかったのだ。
事件は悪夢のように残虐で、容赦がなく、理解しがたい人物が何人も現れ、筆運びには辛辣さとユーモアがくわわる、あのカリン・スローターではない。
事件はむごいが、まあ、これくらいなら他の作家の話にもある。
後のシリーズでは始末に困る疫病神として出てくるある人物は、なんだか普通の厄介者だ。
息を詰めている読者に呼吸を思い出させる突然のユーモアは、なんと、一切見受けられない。
デビュー作だから仕方がないと、自分を納得させて、『開かれた瞳孔』を閉じた。
しかし好きな作家だから、2作目『ざわめく疵痕』も読んだ。
そしてさらに3作目『凍てついた痣』――ついにユーモアが出た!
『テッサはホルモンに振り回されているだけだと医者である彼女は承知していたが、それでもテッサを箱詰めにして鍵をかけ、赤ん坊の泣き声が聞こえるまで閉じこめておくのがすべての人にとって最善の策だと思うことがたびたびあった』(10頁)
私の好きなカリンだ! カリン節だ!
妹への愛ある口の悪さに、嬉しくなって読み進んでいった。
だが、しかし、残念なことに、事件が起こってからは、それが出なくなった。
これからが、本当に必要になるというのに。
というのも、登場人物のすべてが、強いストレス下におかれるのだ。
事件の糸口がつかめない、
家族が被害者になった、
私は事件に巻き込まれた、
あいつは家族を殴っている、
上司が下衆野郎だ、
解決の見通しがつかない、etc.etc.etc......
悪夢のような状況であることは間違いない。
実際、私はこれを読む間、何度も悪夢に苛まれた。
寝ながらうんうんいう私を、家族は本気で心配した。
「どうやら、あまり精神によくない本のようだね」
そう、それこそが、カリン・スローター!
これなら、おすすめできる!
これの前に、私が読んで悪夢をみたのは、あの『スクリー��』である。
2020年発表の作品に匹敵する悪夢を、2003年発表の本作で、もう描ききっている。
ウィル・トレント・シリーズは、それだけを読んでももちろん面白い/恐ろしいが、やはり、このグラント郡シリーズを読んでいたほうが、なお面白い/恐ろしい。
特にシリーズ集大成となる『スクリーム』は、読み応えが格段にちがう。
そのためにも、私はこの〈グラント郡〉シリーズを、強くおすすめする。
『開かれた瞳孔』『ざわめく疵痕』と読んで、物足りなさを感じていた方も、ぜひもうあと1冊、この『凍てついた痣』に手をのばしてほしい。
ユーモアが、わずかでも現れた。
ただ厄介者だった人物が、疫病神としての目覚めを感じさせもする。
あのカリン・スローターが、いよいよ発動するのだ。
カリン・スローターを読んだことのないことがない方も、いっそこの『凍てついた痣』を最初の一冊にしてみてほしい。
悪夢になることを保証する。
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「グラント郡」シリーズ第三弾。事件の被害者の描写、その周りの人たちの受ける影響をとても過酷に残酷に描いていて読んでいて苦しくなるほどだけれどだからそこにリアリティがあって怒りや憎しみを感じることができる。検死官のサラと警官のジェフリーの捜査、容疑者とのやりとりと犯罪小説としての面白さはもちろん、人の心の痛みを奥深くまで描いていて登場人物たちと共に読み手にも負荷がかかるような、でも読むのをやめられないシリーズ。
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いつものような残虐なシーンはなかった。
描写はなくても想像すると寒い怖さがあった。
先にウィル・トレントシリーズを読んでいるので、一部は過去の振り返りになるが面白い。
でもウィルシリーズでどう書かれていたかぼんやりとしか思い出せない。
今までのを読み返したくなる。
次も楽しみ。
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カリン・スローター作品群は、第一期のグラント郡、第二期の捜査官ウィル・トレントの二本のシリーズとそれ以外の独立作品に分類される。本書は第一期の過去シリーズのグラント郡第三作の本邦初翻訳作品である。
昨年一二期を合体させたミステリー大作『スクリーム』によって、現在のウィルシリーズと過去のグラント郡シリーズが一つになった。二つの時代を股にかける連続殺人事件の存在が明らかとなり、現在と過去が交互に語られる合体作が奇跡のように実現したのである。日本の読者はそれを体験した後で、またゆったりと過去シリーズにお目にかかることになったというわけである。
シリーズの現在から過去へと前後の脈略を逆に、翻訳されてしまっているこの状況は、日本人読者にとっても作者にとってもあまり幸福なこととは思えないが、それぞれのシリーズを往来するキャラクターが、歳を取ったり若返ったりするのを勘案しながら、それぞれの成長や変化や過去体験を楽しむというあたりで、ぼくら日本人読者は落ち着くしかないだろう。それもまた楽し、といったところか。
本作は、警察署長ジェフリー・トリヴァーと医師サラ・リントンを主役としたグラント郡シリーズでありながら、同時に一作目以来悲惨な体験を潜り抜けてきた女性警官レナ・アダムスに相当な焦点を当てた作品ともなっている。レナは、本作では驚いたことに前作までの職業であった警察官を退職し、今はグラント工科大学の保安要員として働き出している。その大学こそが、実は本作のほぼ全編に渡る舞台なのである。警察をやめたレナは、警察と協力して事件の真相を探る立場となっている。
まずは大学裏の橋からの男子学生の飛び降り自殺で物語はスタート。そこに駆け付けたサラが偶然同乗させたまま連れて来てしまった妹テッサが刺されて重傷を負う突発事件が発生。さらに翌日には飛び降り自殺の目撃者であった女子学生の死。こうして連鎖的に起こる凶事により、最初の男子学生の自殺も土台から揺らいでゆく。
怪しい人物が学内にも保安部内にも学生寮にも多く登場するに至って、真相は深い闇の底に沈んでゆくかに見える。薬漬けの学生。複雑な人間関係。学生とその両親間の葛藤。
大学組織そのものへの捜査の梃子入れが必要と思われる状況の中、第三、第四の殺人が起こり、さらに事態はもつれにもつれる。保安要員としてその中心軸のような立ち位置を保つレナと、捜査の先頭に立つジェフリーとサラ。彼らを取り巻く複雑な人間関係はどこへ向かってゆくのか?
事件とミステリーを中心の物語としながら、シリーズ作品としての人間関係の変化、進展、憶測を語ってゆく作者の目論見が、見事にはまる一作。パトリシア・コーンウェルとも共通する一シーン一シーンの長さが、相変わらずこの作者の特徴であり、ぼくの苦手とするところなのだが、一方で人間関係のディテールへのこだわりは、この手の女性ミステリー作家ならではのものと諦観を決めて楽しむべきだろう。
それにしても最後の最後、意表を突くエンディングには驚いた。この作者、やはり巧い!
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大学の敷地内で学生の自殺か?殺人の可能性も捨てきれない。すると遺体の目撃者が自殺に見せかけて殺された。何の関係があるのか。検視官サラ・ リントンと元夫で署長のジェフリーは事件を追う。すると、元警官で問題の多かったレナ・アダムスが浮かび上がってきた。
大学内の問題がこれでもかと湧き上がって来るのと、二転三転するストーリーは良いのだけれど、真犯人の動機にはあまり頷ける所がなかった。
レナは可哀想な部分はあるけれど、それ以上に好きになれない人だなとも思った。
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一生懸命に描写してくれているとは思うが、事件の情景が具体的に思い描けない。まあ、これはこちらの想像力の問題かもしれない。
そして、登場人物で好感を持てる人間がほぼ皆無。
主人公はいい女ぶっていて、鼻持ちならない。
過去作で悲惨な目にあった元刑事にも、同情心が湧かず共感できない。
事件も、狭い範囲で人々がつつき合ってるというイメージ。
それでも作家の筆圧がすごく、力技で読まされてしまう。
もうこの作家読みたくないと思うのに、また読まされてしまった。
それにしても、人物名の間違いは勘弁して。
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ダラダラしていていまいちだった。
キャラクターは良いけどストーリーが盛り上がらず。
最後はよかった。レナ。。。
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カリン・スローターの初期作品、グラント郡シリーズ。
「開かれた瞳孔」「ざわめく傷痕」に続く3作目。
サラ・リントンは故郷で小児科医となっていて、検死官も兼ねています。
元夫のジェフリー・トリヴァーは、警察署長。
ある日、妊娠中の妹テッサと一緒にいたサラは事件の報を受けて、現場へ向かった。
グラント工科大学の学生の遺体が発見されたのだが、飛び降り自殺のようだった。
ところが、近くにいたテッサが何者かに刺されてしまう。
自殺ではなく犯人がそこに潜んでいたのか…?
サラと両親のショックと苦悩が切なく痛々しい。
サラと復縁しようとしているジェフリーも、サラの家族が好きなので苦しむが。
優しい感受性を持つサラは、赤毛と長身が目立ち、IQが高い。その特徴をジェフリーは得難いものと評価しているが、うまく伝えられてはいない。
同じことをサラが人にからかわれた原因として思い出すあたり、二人の個性や関係性が次第にわかってくる、シリーズ物ならではの面白さがありますね。
さらに事件が相次ぎ、平常なら事件の少ない地方都市に衝撃が走る…
ジェフリーの元部下のレナ・アダムズがなんと警察を辞めていて、大学の保安要員として登場。
一作目の事件で被害者となり、仕事に集中できない1年を送った後のことである。
ここの仕事は上司がサイテーなため、別な苦労をしていた。
学生、大学教師、その家族の問題が次々にあぶり出されるが、レナの問題もまた、なぜかこじれていく…
嫌な奴が何人も出てくるので、事件の凄惨さが薄れるほど。
レナはもともと癖のある性格だが、悲劇に見舞われ、報道でも苦しみ、自己破壊的な歪み方を生じているのか…
破綻しかけているところで妙に距離が近づいた人物との関係がこの後どうなる?
そこが一番の読みどころかもしれません。
主役級の数人のうちの誰がクローズアップされるかが、作品によって違うのが特徴か。
濃すぎるほどのキャラをえぐるように描いていくパワーがすごい。
シリーズ1作目はさかのぼって読んだため、「専門職の女性が連続殺人事件に関わり、自らも狙われる」という、数多い作品の中でデビュー作にしてはさすが上手な方、というぐらいの印象でしたが。
その後、どんな出来事にも心理にもまったく目をそらさずに、鋭さも深みも増していくのです。
この段階でここまで書いていたとは。
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『ハンティング』以来、カリン・スローターの作品は2作目。
相も変わらない残虐さ、これでもかという程の目を背けたく成るようなエグい事件の展開。
まぁそうだろうとは思っていたけれど、これが著者の色なのだろう。
とはいえ、何故だかページをめくる手が止まらない。
決して尖ったキャラクターがいるわけではないのだが、その広大な世界観で繰り広げられる人間関係のひずみ、ゆく末、真相が気になって仕方がない。
その主たる人物がカリン・スローターの2大シリーズ”ウィル・トレントシリーズ”と”グラント郡シリーズ”を繋ぐサラ・リントン。
残念ながら、『ハンティング』のことは細かいところは忘れてしまったので、十分な楽しみ方はできていない気がするのだが、あっちのシリーズで脇役だった人物が、こっちのシリーズでは主役というパラレルワールド感がいい。
たぶんちゃんと読むと、あの場面のあの台詞はこのことかぁとか、あの事実と今の現状の間に何があったのだろうとかいった楽しみ方ができるんだろうなぁと。
図書館の蔵書だけだと飛び飛びでしか追えないし、そもそも間に色んな読書が挟まってくると前作のことなんて頭から吹っ飛んでしまう。
「一気に連続で通して」とまでは言わないが既刊のシリーズものをずらっと揃えて順に読んでいく「大人読み」したいなぁ。
お金と時間が足りないなぁ。
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読み終わったけど・・・
続くでしょ、コレって
みんなしんどいよねえ
読んでてもしんどい
どこに救いを・・・
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日本で翻訳されていなかったサラシリーズの2作目。読み進めていくうちに「そっか、ウィルは出てこないんだ…」と寂しい気持ちに。
ジェフリーがひどく嫌なやつでサラも微妙。
2人のやりとり見ててつらい。
レナしんでほしい。
みんな嫌なやつ。
前作みたいな残酷な描写はなく、話は読みやすくてなかなか面白かったけど、う〜ん風呂敷の畳み方はかなり雑かな…
なんで翻訳されてなかったのかちょっと納得
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最後まで分からない犯人とその動機。シリーズも3巻目ですが、登場人物の関係性も明確になってきて、安定感が出てきた気がします。そして最初はあまり好きでなかったジェフリーが、少し好きになってきた気がします。この巻は、序盤からまさかの展開。そして次々に発生する事件と、終始楽しめました。ただ、620ページにも及び、ちょっと長かったかな。悪人イーサンとの関係を断ち切れないレナにイラっとしつつも、今後の展開が楽しみです。