- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2022/04/27
- 出版社: ボイジャー
- ISBN:978-4-7684-5913-3
千代田区一番一号のラビリンス【電子改訂版】
著者 森達也(著)
皇室を巡るタブーに一石を投じる「問題小説」。主人公のドキュメンタリストは、天皇の生の言葉を引き出したいという熱情に突き動かされ、象徴天皇制の本質に迫る番組企画を立ち上げた...
千代田区一番一号のラビリンス【電子改訂版】
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商品説明
皇室を巡るタブーに一石を投じる「問題小説」。
主人公のドキュメンタリストは、天皇の生の言葉を引き出したいという熱情に突き動かされ、象徴天皇制の本質に迫る番組企画を立ち上げた。
そして、ついに企画実現の突破口を探り出す!
平成の世。天皇ご夫妻の日常生活をドキュメンタリー作品
として記録したい。ある映画監督の宿願をこの物語に託す !
【目次】
プロローグ「タヌ吉はまた別よ」
1 日比谷通りの交差点「今の天皇に似ている人か」
2 ブリトーとランチ「穢れが感染るから」
3 信号はいつも青「もちろん理由は知っています」
4 実家に掲げられた写真「だから燃えるゴミよ」
5 御所のラビリンス「ちょっと様子を見てこない?」
6 デートの夜「性欲はあるの?」
7 床の穴「触らなければ扉を開けられない」
8 憲法一条「おまえはこの企画の提案者じゃないか」
9 再会「ごたごたうるさいよ」
10 タブーを撮る「断言するけど数字は絶対にいい」
11 百十三年目の直訴状「つまりメイキングを軸にする」
12 隣室のゴソゴソ「私たちは何の音を聞いたのかしら」
13 一般参賀「あなたは秋篠宮殿下かしら」
14 過程を撮る「愛されているよ」
15 阻もうとする人たち「だからタブーなんだよ」
16 一般参観の午後「ケガレ思想だと思うよ」
17 会えるかもしれない「だからご会釈願うだってば」
【著者】
森達也
1956 年広島県呉市生まれ、映画監督・作家。明治大学特任教授。1997 年ドキュメンタリー映画「A」を公開。その後、「A2」「FAKE」「i-新聞記者ドキュメント-」等の監督を務める。著書『「A」撮影日誌』(現代書館)、『放送禁止歌』(知恵の森文庫)、『下山事件(シモヤマ・ケース)』(新潮文庫)、『いのちの食べかた』(角川文庫)、『死刑』(朝日出版社)等多数。
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読みやすく楽しい物語。しかし、もちろん意欲作であり、新鮮な読み心地であった。
2022/09/03 16:57
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの「千代田区一丁目一番一号」って、皇居の所在地?そして、そこにラビリンス=迷宮って、なにかの暗喩?と思って手に取って、本書は、譲位前の天皇と皇后の物語だと知った。1ページ目から、なぜか、その物語が、穏やかなホームドラマのように描かれていて魅了された。だって、かの人がお忍びでひとりセブンイレブンで買い物したりするんだもの。一方、その物語に並行して「天皇のドキュメンタリーを撮って放送したい」と言い出し四苦八苦する作家の話が描かれ、「次はどうなる?」の興味が満載。
本作は、もちろん小説=フィクションだし、ファンタジー的な描写多数。しかし、時々、是枝裕和監督や山田太郎氏、さかなクンなどなど実在の人物が登場(そもそも、天皇のドキュメンタリーを撮ろうとする作家・森克也は、森達也氏がモデルだろう)。終戦直前&戦後史もリアルに描かれ、時々、あれあれノンフィクションだったっけ?ややと心地よい混乱も楽しめた。
物語終盤には、ホントに吹上御所の地下深くに秘められていた、ラビリンス=迷宮まで登場し、そんな不思議な物語を楽しみつつも、「終戦の日」以降の日本を、ある視点で眺めて深く考えることになるのである。