パンデミック監視社会
著者 デイヴィッド・ライアン , 松本剛史
今回のパンデミックは、データ分析や機械学習が興隆する監視資本主義の時代に生じた、未曾有の事態である――。猛威をふるうウイルスに対処するため監視技術が広範に活用され、監視に...
パンデミック監視社会
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商品説明
今回のパンデミックは、データ分析や機械学習が興隆する監視資本主義の時代に生じた、未曾有の事態である――。猛威をふるうウイルスに対処するため監視技術が広範に活用され、監視によるデータ収集や人々の行動追跡・制御は、ときに権威主義と共鳴しつつも、驚くほどスムーズに受け入れられていった。パンデミックは私たちの世界をどう変えたのか。「コロナ前」に戻ることは本当に可能なのか。監視研究の世界的権威が、新型コロナウイルスがもたらした真の脅威に迫る。
目次
- 第1章 決定的瞬間/すべての始まり/パンデミック監視とは何か/監視の意味と目的/監視資本主義というコンテクスト/『ペスト』との共通点/パンデミックの社会的側面/パンデミックとテクノソリューショニズム/ショック・ドクトリンという要因/本書の論旨/本書のロードマップ/第2章 感染症が監視を駆動する/接触者を突き止める/接触確認アプリ、位置追跡アプリ/官民のパートナーシップ/テクノロジー企業とのあるべき関係/変容する監視/接触確認システムは有効だったのか?/中央集権型の接触確認/分散型の接触確認/プラットフォーム企業の問題/不透明なシステム/ワクチンパスの登場/公衆衛生情報システム/監視の高まり/第3章 ターゲットは家庭/「ステイホーム、ステイセーフ」/増大する家庭内監視/「仕事場」のモニタリング/リモートワークにおける監視/「家庭内授業」のモニタリング/学生たちが直面する苦難/家庭でのオンラインショッピング/勝ち組となったアマゾン/現状の先にあるものは?/第4章 データはすべてを見るのか?/データの奔流を生きる/監視とデータ利用/フランケンシュタインのデータセット/疑わしい前提/ビッグデータの驕り/可視化される私たち/人々を特定のかたちで表現する/ブラックボックス社会/アルゴリズムによる選別/データが駆動する不正義/蔓延するデータ主義/第5章 不利益とトリアージ/社会的振り分けの手段/不利益の再生産/軽視されるリスク/感染リスクの不均衡/デジタル技術が助長する排除/くり返されるパターン/パンデミック監視と植民地主義/二層化する世界?/データ正義という視点/第6章 民主主義と権力/監視国家への懸念/見切り発車の構想/性急な監視技術の導入と混乱/監視資本主義、パンデミックの権力/民主主義の赤字/加速する監視資本主義/危機にさらされる市民的自由、人権、プライバシー/切り詰められる市民的権利/新たな課題/常態化する例外状態/「ミッション・クリープ」/試される民主主義/第7章 希望への扉/青白い騎士/暴露としての黙示録/台湾のストーリー/ブラジルのストーリー/黙示録を超えて/市民によるモニタリング/入り口としてのパンデミック/他者のための監視/信頼と正義/謝辞/原注/索引
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2022/04/28 15:34
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
当書の著者はスコットランド生まれの社会科学者で、当書の文章は邦訳されたものです。
正直、つかみどころのない内容であまり理解できませんでした。しかし、世界各国のパンデミック監視の事例を多く取り上げ、著者の世界中をくまなく調べる視野の広さに感心しました。さすが学者、といったところです。