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女性兵士という難問 ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学
世界中の軍隊で女性兵士は数を増し、その役割を拡大し続けている。20余年の間に起こったさまざまな変化をふまえ、女性兵士に求められてきた役割と効果を、既存のジェンダー秩序を自...
女性兵士という難問 ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学
女性兵士という難問
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商品説明
世界中の軍隊で女性兵士は数を増し、その役割を拡大し続けている。20余年の間に起こったさまざまな変化をふまえ、女性兵士に求められてきた役割と効果を、既存のジェンダー秩序を自明のものとすることなく批判的に検証する。【「TRC MARC」の商品解説】
女性兵士は男女平等の象徴か?
戦争や軍隊は、どのような男性や女性によって担われ、
いかなる加害/被害関係を生起させているのか。
既存のジェンダー秩序を自明のものとすることなく、批判的に検証する。
21世紀に入り、世界中の軍隊で、女性兵士は数を増し、
その役割を拡大させつづけている。
しかし、この現象を単純な男女平等の進展と解するべきではないこと、
フェミニズムにとって女性兵士は難問として存在するのであり、
さまざまな立場がありうることは言うまでもない。
本書では、この20余年のあいだに起こったさまざまな変化を踏まえつつ、
女性兵士が果たすことを求められてきた役割とその効果に着目し、検証していく。
本書を貫く主張の一つは、戦争・軍隊を批判的に解剖するにあたって、
「ジェンダーから問う」という視角が不可欠である、ということである。
男らしさや女らしさといった観念の操作は、軍事化を推し進め、戦争を首尾よく遂行する際の要である。
一方で、軍隊も戦争も、女性たちに依拠することを必ず必要としており、
彼女たちの経験から現象を見つめることは、その男性中心性を明らかにするうえで
欠かすことのできない作業である。
本書は、「ジェンダーから問う」ことが、戦争・軍隊を批判的に考察するうえでいかに重要なのか、
この視点を有することで見えてくる風景を描くことにより示していく。【商品解説】
目次
- 第Ⅰ部 ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学
- 第1章 ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学
- 第2章 戦争・軍隊の男性(性)研究
- 第3章 軍事主義・軍事化・家父長制
- 第Ⅱ部 女性兵士という難問
- 第4章 女性兵士を取りまく困難
- 第5章 女性兵士は男女平等の象徴か?
- 第6章 戦争・軍隊とフェミニズム
- 第Ⅲ部 自衛隊におけるジェンダー
- 第7章 カモフラージュされた軍隊−自衛隊とグローバルなジェンダー主流化
著者紹介
佐藤 文香
- 略歴
- 〈佐藤文香〉慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)(同大学)。一橋大学大学院社会学研究科教授。専門分野はジェンダーの社会理論・社会学、戦争・軍隊の社会学。
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扱いにくい問題を扱う意味
2022/10/16 17:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性兵士について議論することは、長くフェミニズムの学究でも困難なことだったようだ。
博士論文からこの問題を研究し続けてきた社会学者である筆者が、なぜこの問題を研究するのか、その背景や意義をつづっている。
男女平等を訴えて女性も兵士になるべきだということではなく、ジェンダー視点から戦争や軍隊の存在を問うことで、不可視化されてきた問題をあぶり出している。
研究書なのでやや難しいが面白い。