るるてる ルル魔法学校においでよ 3

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投稿者：求道半　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

品行方正な人物でなくても、学校で、魔法が学べる。
　男女共学のルル魔法学校では、日々、生徒間のトラブルが発生するのだが、魔法を悪用した恋愛関係の揉め事が、結構、多い。
　引っ込み思案の猫本ねどこは、人気者の少年に群がる他の女子を尻目に、彼に対する思慕の情を胸に秘めて、学校生活を送っていた。
　それでも、彼と接する機会が増えるにつれて、級友から、嫌味や暴言を吐かれる頻度が高くなり、何度も、悪質な悪戯を仕掛けられる。
　泣きべそのねどこは、至る所で、涙を流す。
　幸い、クラス内で、彼女は孤立しておらず、仲の良い男女の友人の手助けを受けて、その都度、危機を乗り越えた。
　本人は自覚していないが、猫本ねどこは、打たれ強い。
　何かに失敗して、卑屈になる事はあっても、一度も、転校しよう、とは思わなかった。
　魔法学校も、普通の学校と変わらず、善人も、悪人も、在籍する。
　奇人や変人もいる。
　魔法が使えなかったら、加害者にも、被害者にも、成らずに済んだのに、ルル魔法学校では、些細な事が大事となり、誰かが傷付く。
　逆に、魔法が使えるからこそ、被害を最小限に抑えることも可能であり、何事につけ、教師の力量が、普通の学校よりも、厳しく、問われるべきだ。
　全三巻で完結する本作では、魔法学校に通う中学一年生の少女の一年弱の生活が描写され、猫本ねどこが入学してから、劇的に変化した点と変化しなかった点とが、最終話で、簡潔に、示される。
　ねどこは、良縁にも、悪縁にも、恵まれた。
　報われない想いが少年少女を振り回す。