まぼろしの城 （新潮文庫）

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しばらく小説を読んでいなかったので、本屋を歩き回り
タイトルと表紙に惹かれて購入しました。
池波正太郎という超有名な時代小説の著者を何となく知っていましたが、
本は1冊も読んだことはありませんでした。
とても読み易い時代小説で、今後著者の本をもっと読んでみたいと思います。
戦国大名の謀略、策謀、何でもありの弱肉強食の厳しい時代を強く感じました。
ただ戦が強いだけでは生き残れないのですね。
野心の強い男の終わりも戦国の世界では、あっけないものです。

真田シリーズの外伝や前章とも言われているのが本作なのですね。
「真田太平記」全12巻ということですが、読んでみたいです。

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戦国時代、上州の沼田城の城主沼田顕泰は、豪遊無双と言われていた。それに対し、地侍の金子新左衛門は、謀略の限りを尽くし、這いあがろうとする。
史実に基づいた金子新左衛門一族の栄枯盛衰を描く。
よくぞ、この武将に目を付けたと言える。
池波正太郎氏の巧みな展開が、飽きさせない。いずれは、この地を、沼田を我が物に、我が一族にと、暗躍して末に、自分の孫を殺す事となり、自分は寂しく病没し、沼田城は、時代の渦に巻き込まれ、戦略的に何ら意味のない城となってしまう。

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織田信長がいよいよ天下統一に手をかけ始める前の戦国時代上野の国（群馬県）の地で沼田の城を舞台に地の武将たちが策略をめぐらしその地位を城主に成ろうとするが、時代の流れに飲まれた娘と父、そして城主が上杉、武田のはざまで押し流され滅亡へと流れていく様を克明に時代小説として書き上げてある。