紙の本
失敗に学ぶ?
2023/11/21 10:07
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
過ちを繰り返さないために、失敗から学べ。本書で何が学べるかと思って読み始めました。しかし、書名にあるとおり、メガトン級の「大失敗」のオンパレード。時には大失敗の連鎖反応。破壊力抜群の大失敗は、常人の及ばざる世界。成功を信じて失敗の深みにまっしぐらのエピソードには、もう笑うしかありません。
本書から学んだことは、人はいかに自分の状況が見えなくなりうるかと言うことでした。
紙の本
様々な失敗
2024/01/02 14:57
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界史上の様々な失敗のエピソードを拾い集めて構成された本である。面白くてしかもわかりやすい という視点で描かれているので、他の「残虐な世界史」的な本よりはずっと読後感が良い。ただやや散漫な印象を受け、どのような教訓を得るべきなのか、ちょっとわからないところがある。
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誰しも失敗しない人はないが、為政者、リーダー、影響力のある実業家が、思慮が足りなかったり、基本的な倫理感に欠けていたり、妄想好きであったり、思い込みが激しかったり、人の意見をきちんと聞かなかったり、全能感ばかり大切にしたりしていると、信じられないくらい大勢の人の運命を悪いほうへと変えてしまう・・ということが、よくわかる本だ。
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<目次>
第1章 人類の脳はあんぽんたんにできている
第2章 やみくもに環境を変化させたつけ
第3章 気安く生物を移動させたしっぺ返し
第4章 統治に向いていなかった専制君主たち
第5章 誰が誰をどう選ぶの民主主義
第6章 人類の戦争好きは下手の横好き
第7章 残酷な植民地政策をヘマばかり
第8章 外交の決断が国の存亡を決める
第9章 テクノロジーは人類を救うのか
第10章 人類が失敗を予測できなかった歴史
<内容>
人類が地球上でしでかしたことを「失敗」という視点でまとめたもの。語り口の柔らかさ(?くだらなさ)が読むスピードを加速させてくれる。第4~8章は、世界史部門で、専制君主の失敗談が一番面白かったかな?
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===qte===
(新書・文庫)『「大失敗」の世界史』トム・フィリップス著
2023/4/8付日本経済新聞 朝刊
■『「大失敗」の世界史』トム・フィリップス著
穀物を食い荒らすスズメは毛沢東の標的となり、1億羽が殺されたと推定される。その結果、スズメの餌であるイナゴが大発生し、作物は食い荒らされた。こうした大失敗をユーモアと皮肉たっぷりに紹介する。なぜ失敗を犯すのか。人の脳は、様々な認知バイアスに陥りやすいからだ。大失敗の芽は、それを笑う人にも必ず潜む。禰宜田亜希訳。(河出文庫・1078円)
===unqte===
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最近失敗が多かったので、タイトルに引かれて読んでみました。
前書きのところの「大失敗をしたことがあるすべての人たちに本書を捧げる あなたは独りではない」っていうのとか、私たちは人類レベルでコミュニケーションが上手くないっていうのがちょうど刺さりました。
色んな失敗した人のエピソードが載っていましたが、初めて自動車事故で亡くなった方が、メアリー・ワードという女性だったというのは驚きました。
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人類の「発展」の歴史のなかには、びっくりするほどたくさんの大失敗が存在する。それを面白おかしく、紹介してくれるのが本書だ。酷すぎて笑えない事例も多く含まれる。
まずは「頭のおかしい」皇帝たちの話。君主制によくある話だが、オスマン帝国においても、世継ぎを争う血なまぐさい争いが繰り広げられた。争いが大きくならないよう、いちど皇帝が決まると、その兄弟を殺すならわしがあった。だが、後継がいない状態で皇帝が死んでしまい、兄弟もいなかったとすれば王朝は途絶えてしまう。だから保険のためにスペアの兄弟を残しておいて「鳥かご」に入れることを思いつく。ムスタファ一世は、兄の死去に伴い「鳥かご」から出されて皇帝になったが、もっぱらクスクス笑い続け、重要な報告の最中に宰相の顎ひげを引っ張り、ターバンをはたき落とした。それも無理はない。生まれてこのかた、最初の12年は兄に命を狙われて過ごし、次の14年は「鳥かご」に監禁されてアヘンを吸い、女とだらだら過ごしていただけなのだから。あまりに酷かったので、前王の息子オスマン二世に倒されて「鳥かご」に戻された。これで一安心かと思いきや、オスマン二世は軍部といざこざを起こして殺されてしまう。「頭のおかしい」ムスタファ一世の返り咲きだ。幽閉中に正気に戻るわけもなく、酷い政治を続けたのでまた退位させられて、今度はムラト四世が王位についた。彼は「鳥かご」出身者ではなかったが、とりわけ頭がおかしかった。コーヒー禁止令を出して大衆の怒りを買うだけでなく、隠れてコーヒーを飲む者がいれば、じきじきに町を夜廻して斬り殺した。そして、少しでも気に食わないことがあると、聞いている音楽がよくないとか、話し声がうるさいとか、女だからとかという理由(!?!?)で処刑した。最終的には酔っ払って出会い頭に見つけた者を斬り殺していた。ムラト四世が肝硬変で死ぬと、イブラヒムが「鳥かご」から出てきて即位した。もちろん、頭がおかしかった!性的嗜好が行き過ぎており高価な毛皮が大好きで国費は枯渇した。彼も退位させられて、封建的な絶対君主制から現代の官僚制に移行していくことになる。オスマン帝国は存続し、めでたしめでたし!いや、犠牲を払い過ぎだ。
ところ変わりまして、中国。毛沢東主席は、その公衆衛生対策が導く結果への配慮が欠けていたために、何千万人もの死を招くことになった。
マラリアを広める蚊、ペストを広めるドブネズミを撲滅するだけでなく、(専門家の意見をろくに聞きもしないで)ハエとスズメも撲滅することにした。鬱陶しいからからという理由と、穀物を喰らうからという理由によってだ。それは徹底的に行われた。子どもからお年寄りまで中国人全員が義務を果たすべく、ハエ叩きから拳銃まで携えて武装し、「戦士たるもの、戦いに勝つまで撤退してはならない」と「人民日報」は書いた。そして、人びとは戦闘に勝利した。その戦闘の結果、推定1億羽のスズメが駆除されたが、突如として天敵のいなくなった中国のイナゴは、毎日が正月だとばかりに祝い始めた。集団になって巨大な雲のようになって作物を荒らしまわったのだ。そして大飢饉になった。
ここから得られた教訓としては、��その影響があらかじめ分かっていない限り)自然を荒らしてはならないということだが、2004年に中国政府はSARSウイルスの発生を受けて、哺乳類の大量駆除を命じている。
アメリカでも全世界を巻き込んだ大失敗があった。しかもこちらはほとんど確信犯だ。むかし、自動車はよく「ノッキング」した。つまり、坂道を登る時など、エンジンに負荷がかかるとガタガタと揺れて車の動きが悪くなる。発明家のトマス・ジミリーはこれを解決するため、ガソリンに混ぜて使うアンチノック剤の開発を試みる。最初に見つかったのはヨウ素だったが、ヨウ素は高価すぎてダメだ。その代わりに見つけたのが鉛だった。しかし、鉛には毒があり、高血圧や肝臓疾患、(特に子どもの)脳の損傷の原因となる。鉛の毒性は何千年も前から知られていた周知の事実であったにもかかわらず、アンチノック材として鉛が使われ、全世界で利用されてしまう。結果、多くの心臓病や知的発達障害をもたらすことになった。しかもタチが悪いことに、ジミリーはその時点で無害なアンチノック剤を見つけていた。エタノール、つまりアルコールである。ただ、エタノールは自宅でも簡単に作れるし、酒屋から酒を買ってきて入れるだけだから商品化しても儲からないぞ、となって却下されてしまっていた(!?!?)。
有鉛ガソリンは今では使用されなくなったが、人類はいまも二酸化炭素を排出し続けている。温暖化、気候変動が進んでも、二酸化炭素がその証拠であるという確たる証拠はないと言って、目を塞いでどんどん石炭を燃やす。これまでしてきたように、今回も大失敗するだろうか。本書をよめば、多分そうだろうと思わざるを得ない。人間の脳はあんぽんたんにできているのだ。しかし、あるいは、もしかしてもしかすると、本書がベストセラーになった今、今度こそ歴史から学んで違う選択ができるようになるかもしれない。
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面白かった、というのを躊躇するほどの人類の愚行だが、やはり面白かった。podcastのコテンラジオの中でも登場していたエピソードや歴史背景が幾つかあり、それも個人的な興味と理解を深めてくれた。訳の問題でもあるのか、イギリス特有のブラックジョークなのか、所々あまりにブラックな皮肉の表現が読んでいて気になった。世界史や教科書では隠されがちな、失敗談に焦点を当て、私たち人間の愚かさと直面化させてくれた。未来から過去を判断することはとても簡単で、当時の判断はとても馬鹿げた判断のように見える。だが、恐らくここに書かれている以上の複雑な人間の心理状況や歴史的背景、当時の空気感があっての判断だったのだろうと思いを馳せた。歴史は勝者が作り、都合の悪い事実は消されがち、埋もれがちである。失敗だからこそ、学べることはあるだろうに。気をつけて世界や状況を見なくちゃいけない。
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楽しいです、まだ半分しか読んでいませんが。
やった事の行為には厳しい意見ですが、人には優しげなので、心痛むことは無いと思います。
ジャーナリスト兼ユーモア作家、恐るべし。
……しかし、毒はあります(笑)
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イースター島では住民が森林伐採してしまったという話があるけど、本当かなぁ。外来の人じゃないの?伐採で無くなることを分からない人類はいないのでは?そんな程度の知識では、あの大きな石像を作れるほどの文明は発達しないだろ。
むしろヨーロッパ系の人だけなのでは?
外来者が征服して狩り尽くしたのでは?その方が人間の行為として自然。と思ったけどこの作者はユーモア作家さん?なので、まあ楽しきゃいいかあ。オーストラリアにうさぎを持ち込んだことより、アメリカ大陸にヨーロッパ人を持ち込んだことが人類最大の失敗と笑ってほしかったな。
外来種の話で盛り上がってるけど、外来種が環境破壊の最大の原因だったりして、化石燃料よりも生物、昆虫含めその方が実は影響でかいんじゃない?
でももう解決出来ないけどね。
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・いろんな時代で、いろんな人が、いろんな失敗をしてきたことを伝える本。読むと気が滅入るし、気が楽にもなる。
・イギリスっぽい皮肉なユーモアがたっぷり。小難しい歴史の話も、にやっと笑いながら読めた。
・おもしろすぎて嘘みたいな話が盛りだくさん。
・だからこそ、各話題の出典を明示してほしかったな〜。どこまで信頼できる話なのか分からんので。
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タイトルに惹かれて購入したものの、読み終えるまではとても時間がかかった。
紹介されている内容は非常に興味深いものばかりなのだが、著者の書き癖?なの?
本人は軽妙な語り口でジョークを交えて著述しているのだろうけれど…なんか、この書き方、自分には合わなかったな。あなたのつまらないユーモアはいらないから、結論は!と思ったので、ほんと、合わない人には合わないかも?
紹介されているエピソードはどれも面白いけど、特に興味深かったのは、第9章の「テクノロジーは人類を救うのか」。
有鉛ガソリンの環境問題と、フロンによるオゾン層の破壊を、同じ人物が起こしていたとはね。
びっくりした。
つまらないジョークに苦痛を感じなければ、最高に面白かったはず!な1冊。
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230万年前のサバンナで人類の始祖とされた女性、ルーシーがいた。
ルーシーは木に登っており、そこで落ちて死んだ。
と、人類は人類として始まった時から失敗続きの歴史である。
本書では様々なカテゴリについて(政治統治・植民地・戦争・環境汚染)いわゆる「人災」により多数の人が死亡したり被害を被った例を紹介している。
直視すると気が滅入る内容だと思うが、ユーモラスに描かれているのサクサク読み進められる。
ただし今後にありうる失敗についてはちょっと恐ろしいと思った。
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教養文庫フェアから。大失敗を繰り返してきたのは言わずもがなだし、今もずっとそれが繰り返されている訳だけど、こうやってまとめて読むと、惨憺たる有様に開いた口が塞がらない。もっとやりようがあっただろ…と、愚痴のひとつも垂れたくなる。反面教師にしていかないとね。