- 販売開始日: 2023/05/19
- 出版社: 亜紀書房
- ISBN:978-4-7505-1787-2
賢人と奴隷とバカ
著者 酒井隆史
「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。 資本主義×知識人...
賢人と奴隷とバカ
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商品説明
「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」
「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」
時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。
資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。
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◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキストリーム・センター]
◆ 平等を求める動きへのシニシズム
◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」
◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム
知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。
〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉
──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。
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【目次】
◆はじめに……賢人とドレイとバカ 二〇二三年、春
第I部 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について
01.現代日本の「反・反知性主義」?
02.「反知性主義」批判の波動──ホフスタッターとラッシュ
03.ピープルなきところ、ポピュリズムあり──デモクラシーと階級闘争
04.「この民主主義を守ろうという方法によっては この民主主義を守ることはできない」──丸山眞男とデモスの力能
05.一九六八年と「事後の生(afterlives)」──津村喬『横議横行論』によせて
06.「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ」──「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじゃない人の「対話」
第II部 だれがなにに隷従するのか
07.「放射脳」を擁護する
08.「しがみつく者たち」に──水俣・足尾銅山・福島から
09.自発的隷従論を再考する
10.「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」──二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか
11.「中立的で抑制的」──維新の会と研究者たち
12.「この町がなくなれば居場所はない」──映画『月夜釡合戦』と釡ヶ崎
第III部 この世界の外に──抵抗と逃走
13.「ブラジルで のブレザーなんて着たがるヤツはいない。 殴り倒されるからだ」──二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観
14. 戦術しかない/戦略しかない──二〇一〇年代の路上における二つの趨勢
15.「わたしは逃げながら、武器を探すのです」──ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について
16.ポリシング、人種資本主義、#BlackLivesMatter
17.パンデミックと〈資本〉とその宿主
18.「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」──文明に生の欲動をもたらすもの
19.すべてのオメラスから歩み去る人びとへ──反平等の時代と外部への想像力
◆あとがき
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「主人」もいます。
2023/08/23 16:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いほ - この投稿者のレビュー一覧を見る
刺激的なタイトルもあって、多分売れたんだろうとはおもいますが、実はこのタイトル(の「寓話」)、わりと、わかりにくいものです(だから寓話として示している)。「賢人」「ドレイ」「バカ」以外にもう一人アクターがいて、それは「主人」です(元となった魯迅のオリジナルでも一回だけでてきます)。「ドレイ」の所有者。そして、「賢人」も「主人の側の賢人」と「ドレイの側の賢人」に二分される、というか、そう見なしあっている(ほんとうにそうだとは断定はされていない、微妙な書き方をしています、これは酒井版?オリジナル)。それぞれ「誰の顔」を思い浮かべるかは、本論各論を読んでいくと鮮明になってはくるのですが、「二分された」が同じ顔になったり、「バカとは思われたくない、賢いふりをする、賢人にあこがれる、ドレイ」まで同じ顔になったりもします。「バカ」は同じ顔にはなりません。
「刺激的なタイトル」ゆえに、敬遠されていた方にこそ、お勧めします。
「放射脳」とは、面白い
2023/09/04 14:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「放射能」もとい、「放射脳」、著者は反原発派のうち過激な活動、発言を繰り返す人々を揶揄してこう呼ぶ、私もどちらかというと反原発派なのだが「放射脳」の人たちは苦手だ