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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/04/27
- 出版社: エクスナレッジ
- サイズ:21cm/213p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7678-3136-7
読割 50
紙の本
英国の幽霊城ミステリー
ハットフィールド・ハウスでは、エリザベス1世が少女の姿で現れる。ロンドン塔では、処刑されたアン・ブーリンが首のない姿で徘徊する。城をさ迷う幽霊たちの物語から、英国の歴史を...
英国の幽霊城ミステリー
英国の幽霊城ミステリー
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商品説明
ハットフィールド・ハウスでは、エリザベス1世が少女の姿で現れる。ロンドン塔では、処刑されたアン・ブーリンが首のない姿で徘徊する。城をさ迷う幽霊たちの物語から、英国の歴史を読み解く。『建築知識』連載に加筆・修正。【「TRC MARC」の商品解説】
今なお 城をさ迷う幽霊たちの物語の中に、
英国の歴史を読み解く鍵がある
英国においては、言ってみれば先住者である幽霊たちを追い出すという発想は一般的ではないようだ。日本のように、視たら祟られる、呪われる、というような話はほとんどなく、英国の幽霊はほとんどの場合、ただそこにいるだけだ。悪さをするわけでもないなら共存しよう、というのが英国人の考えらしい。むしろ、歴史を体現する存在である幽霊に親しみを感じ、価値を見出す向きすらある。(中略)
幽霊を恐れながらも尊重しようという英国人の姿勢からは、幽霊は歴史的事実に基づく存在であり、民衆の共感、同情、尊敬の念によってこの世にとどめられているものであるとする、彼らの幽霊に対する意識が見てとれる。
――「CASE1 ウィンザー城と25人の幽霊」より抜粋
幽霊は英国の歴史を背負って現れる。
ハットフィールド・ハウスではエリザベス1世が少女の姿で現れる。
彼女が25歳で英国女王に即位する前の日々を過ごした、穏やかな記憶が残る場所だからだ。
エリザベス1世の母アン・ブーリンは、ロンドン塔を首のない姿で徘徊する。
ヘンリー8世がアンと離婚したいがために、彼女に姦淫罪を着せてロンドン塔で斬首したのだ。
男児欲しさに六回結婚し、妻を二度処刑したヘンリー8世は、埋葬されたウィンザー城内で足を引きずりながら歩き回っている。
晩年の彼は足の腫瘍に苦しみ、肥満した身体を引きずって移動したのだ。
幽霊を恐れず、追い出さず、寄り添う民衆の意識が彼らを城にとどめている。
幽霊を幽霊たらしめている背景をひも解くことで、英国の歴史が見えてくる。
ロンドン生まれの小説家・織守きょうや氏が英国の幽霊と城にまつわる歴史と、そこに隠された秘密を紐解いていく。
数多の英国の住宅を訪問し、その魅力を描いてきた山田佳世子氏がイラストで幽霊城を物語る。
英国の歴史の扉を開ける鍵となる一冊。
建築史家の中島智章氏による幽霊城の解説つき。【商品解説】
目次
- CASE1 ウィンザー城と25人の幽霊 Windsor Castle
- CASE2 キンボルトン城とキャサリン・オブ・アラゴン Kimbolton Castle
- CASE3 ロンドン塔に囚われたものたち Tower of London
- CASE4 愛憎劇の舞台ハンプトン・コート宮殿 Hampton Court Palace
- CASE5 女王の少女時代とハットフィールド・ハウス Old Palace (Hatfield House)
- CASE6 スコットランド女王メアリーの足跡をたどる Stirling Castle
- CASE7 惨劇の舞台ホリールードハウス宮殿 The Palace of Holyroodhouse
- CASE8 伝説と秘宝の宝庫グラームス城 Glamis Castle
- CASE9 幽霊の町エディンバラとエディンバラ城 Edinburgh Castle
- CASE10 列聖された王と英国一悪名高い王の伝説 Corfe Castle
著者紹介
織守 きょうや
- 略歴
- 〈織守きょうや〉ロンドン生まれ。「記憶屋」で日本ホラー小説大賞読者賞、「花束は毒」で未来屋小説大賞を受賞。
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紙の本
英国の城と歴史と幽霊の逸話が楽しめる本
2023/07/30 03:19
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
英国生まれの小説家が書いた英国の幽霊の出るお城と、出てくる幽霊やその背景エッセイをまとめた本。
建築雑誌で連載されただけあって、城の間取りや、築城の時期や様式、増築の範囲などのイラストも掲載されていて面白い。
ただ、エッセイなので著者の考察や推測、妄想も書かれている。
まぁなんというか、多くの城に出てきて多く目撃されているヘンリー8世の妻たちなんかは、さもありなんって感じだよね。
英国では日本と違って幽霊が出る建造物は不動産価値が上がるって聞くけど、英国人は幽霊に寛容っていうこの本読むと共存してるなぁって思う。
ただ、英国人が幽霊に寛容なのは歴史的文化的背景によるものという結論は、もう一つ足りないかな?という気がする。
宗教的背景も結構大きいよね。
アチラはそもそも害をなす人外の存在はデビルやモンスターとして分類するので、害のないゴーストは区別している。
だからゴーストには寛容になれる、というのも大きいと思うなぁ。
実際にこの本で紹介されている幽霊は人に害をなさないもんね。
これらの背景が、ホグワーツ城で当たり前に幽霊と交流するハリー・ポッターの世界を作ってるんだなぁと思うととても感慨深い。