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紙の本
ヴァーチャル日本語役割語の謎 (岩波現代文庫 学術)
著者 金水 敏 (著)
「わしが博士じゃ」としゃべる博士や「よろしくってよ」と言うお嬢様に会ったことがあるだろうか。現実には存在しなくても、いかにもそれらしく感じてしまう言葉づかい「役割語」とは...
ヴァーチャル日本語役割語の謎 (岩波現代文庫 学術)
ヴァーチャル日本語 役割語の謎
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商品説明
「わしが博士じゃ」としゃべる博士や「よろしくってよ」と言うお嬢様に会ったことがあるだろうか。現実には存在しなくても、いかにもそれらしく感じてしまう言葉づかい「役割語」とは何かを探る。【「TRC MARC」の商品解説】
「そうじゃ、わしが博士じゃ」という博士や「ごめん遊ばせ、よろしくってよ」としゃべるお嬢様。現実には存在しなくても、いかにもそれらしく感じてしまう言葉づかい、これを役割語と名づけよう。誰がいつ作ったのか、なぜみんなが知っているのか。そもそも一体何のために、こんな日本語があるのだろう?(解説=田中ゆかり)【商品解説】
目次
- 役割語の世界への招待状
- 第一章 博士は〈博士語〉をしゃべるか
- 1 お茶の水博士
- 2 天馬博士
- 〈博士語〉をしゃべらない博士
- 〈博士語〉は〈老人語〉?
- 「現実」とのずれ
- 3 〈博士語〉をさかのぼる
- 手塚治虫の初期作品
著者紹介
金水 敏
- 略歴
- 金水 敏(きんすいさとし)
放送大学大阪学習センター所長,大阪大学名誉教授.1956年4月大阪生まれ.1982年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学.大阪女子大学助教授,神戸大学助教授,大阪大学教授を経て,2022年より現職.日本語文法の歴史的変化と役割語(言語のステレオタイプ)を研究している.日本学士院会員.文化功労者.著書に『コレモ日本語アルカ?──異人のことばが生まれるとき』(岩波書店),『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房,新村出賞受賞)ほか,編書に『役割語研究の地平』『役割語研究の展開』(以上,くろしお出版),「シリーズ日本語史」(全4巻,岩波書店),『〈役割語〉小辞典』(研究社)ほか.
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これは傑作じゃ
2023/11/23 11:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
博士や老人の言葉の語尾には「じゃ」とか、マダムなら「て(よ)」と、つけるとそれっぽくなる役割後。実際にはこのような物言いをする人は身近にはいないのだから、書名の「ヴァーチャル日本語」になるほど。
役割後の成立過程を本書でたどる中で、「女言葉」にも興味がわいてきました。きっかけは少し前に中日新聞夕刊の記事。男性には「やめろ」という命令表現はあるけれど、女性だと「やめて」。やめてに続くのは「下さい」で、これは命令ではなく依頼打と指摘する件がありました。そんな見方をしたことがなかったので驚きでした。
年齢や立場性別などで、幾層にも重なった表現体系がある日本語。ただ違いがあるだけでなく、その中にいろいろな問題も内包しているようです。その一端が本書の役割後という捉え方から見えてきました。