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紙の本
教育は遺伝に勝てるか? (朝日新書)
著者 安藤寿康 (著)
「トンビがタカを生む」は遺伝学で説明がつく。遺伝で受け取った“素材”を存分に引き出し、伸ばし、自信をもって生きていくために、効果的な“教育”のかたちを科学的知見から明らか...
教育は遺伝に勝てるか? (朝日新書)
教育は遺伝に勝てるか?
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商品説明
「トンビがタカを生む」は遺伝学で説明がつく。遺伝で受け取った“素材”を存分に引き出し、伸ばし、自信をもって生きていくために、効果的な“教育”のかたちを科学的知見から明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
遺伝が学力に強く影響することは、もはや周知の事実だが、誤解も多い。本書は遺伝学の最新知見を平易に紹介し、理想論でも奇麗事でもない「その人にとっての成功」(=自分で稼げる能力を見つけ伸ばす)はいかにして可能かを詳説。教育の可能性を探る。【商品解説】
遺伝が学力に強く影響することは、もはや周知の事実だが、誤解も多い。本書は遺伝学の最新知見を平易に紹介し、理想論でも奇麗事でもない「その人にとっての成功」(=自分で稼げる能力を見つけ伸ばす)はいかにして可能かを詳説。教育の可能性を探る。【本の内容】
著者紹介
安藤寿康
- 略歴
- 〈安藤寿康〉東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。同大学名誉教授。教育学博士。日本における双生児法による研究の第一人者。著書に「教育の起源を探る」など。
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紙の本
遺伝か教育か、どちらかという議論は無駄だろう
2023/10/31 19:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「能力はどのように遺伝するのか」を出された方のものである。そこでも、世の中の「遺伝か環境か」という一刀両断的で上滑りな議論に対し、より冷静な認識を求めて、行動遺伝学という分野からの視点を提示してくれている。かつての優生学で(今も亡霊のごとく存在するが)、優れた遺伝的素質を残して劣等な遺伝子の持ち主を断種したり、殺害したりした歴史が厳然と存在しているから、その隣り合わせの分野であるからこそ、行動遺伝学は重要と説く。遺伝は決定論的、宿命論的にとらえられるが、決してそうでないと展開されると紹介した。基本は同じであるが、教育と対比したところに面白さがある。子育てに対する見方が変わるだろうか。目次を見ると、
はじめに
第1章 遺伝は遺伝せずー基本はメンデルにあり
第2章 あらゆる能力は遺伝的である
第3章 親にできることは何かー家庭環境の効き方
第4章 教育環境を選ぶー学校の内と外
第5章 「自由な社会」は本当に自由か?
第6章 そもそも、子どもにとって親とは?
おわりに
参考文献について となっている。
以上のように展開される。まず、子育てマニュアルではないと位置付け、各人の行動に及ぼす遺伝の影響を明らかにするもので、本書はヒトの行動(特に知能や学力、パーソナリティ、精神病理、反社会性等の人間の社会生活に大きくかかわる心のあらわれとしての行動)の個人差に、遺伝がどのようにかかわっているかを科学的な方法で解き明かそうとするものという。こうした行動が遺伝の影響を受けているが、遺伝によって決まっているわけでない。遺伝による能力を引き出せるのは教育ともいう。それも、一律ではない。子育て環境に、子どもがどう反応するかは、その子どもの遺伝子のなせる業という。遺伝で決まっているからあきらめるというものでない。その人の遺伝子にぴったりあう環境や教育を用意されることは無理だろう。人それぞれに合った環境や教育を模索するしかないだろう。個性に合った教育と言っても、すべての子どもに用意できるとも思えないが、努力は欠かせないことを教えてくれる。一読してほしい本である。
紙の本
タイトル負けしているというか・・・
2024/03/24 05:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
研究の最先端なんてそんな物というのが分かる一冊。
何かの答えを知りたくて読む本ではないです。これまでの研究の蓄積(こんな地道に積み重ねていくのかと言うこと)を面白がれる人にはお勧めです。
個人的には、自由であればあるほど遺伝による個人差が出てくるというのが印象的だった。
電子書籍
遺伝の強さと教育の価値
2024/01/14 10:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人を作り出すときには、いくつもの遺伝子の組み合わせがあって、二卵性双生児は全く似ていないこともあるというのがまず驚きだった。
性格の特性ごとに、グラフで相関度合いを示しているのも興味深い。
著者の研究と考察に触れ、遺伝のつよさと教育の可能性、これからの世の中について想いを馳せることがてきる良い本だった。