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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「サンデー毎日」に連載されていたコラムの単行本。新聞の校閲担当者の悪戦苦闘・問題提起が一杯です。面白いテーマではあるのですが、どうにも細かい・くどいかな。
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おもしろい!日本語が面白く思える書。そして校閲という仕事の奥深さを知れる書。校閲者の本音も垣間見ておもしろい!個人的には、水上由布さんの考察が1番好きだった。章末に校閲者の名前が記載されているので、考え方の違いを感じられるのも面白かった。
p.66 人は間違える生き物である。だからこそ日々怠ることなく、訓練された複数の目を生かして、一字でも誤りを減らしていきたいと思う。
p.68 その理由の1つに、日本人(日本語)は、濁音化静音化を厳密に区別する意識が、他の民族や言語より希薄なのではないかと言う考え方があります。ゲージとケージのように全く別のものになってしまう。言葉はもちろん要注意ですが、従来表記の定まっているものでも、異なる表記で繰り返し原稿に登場してくる現場に合わせると、思わずうなずいてしまいます。
p.83 阿部泰雄『つくられた恐怖の点滴殺人事件ーー守大助さんは無実だ』
p.134 ジェンダーに限らず、差別などに関する後は、そうした「気にする人がいるかどうか」で使用の是非を判断されがちだが、真に大事なのはそこではない。メディアが特定の価値観に基づいた表現を使うことにより、人々に、そうした価値観を知らず知らずのうちにすり込んでしまうのが問題なのだ。例えば、記事につけるイラストで、いつも少年を青の服、少女はピンクの服だったらどうだろう。あるいは、外国人のイメージイラストが毎回金髪で白い肌だったら。
p.138 感染発生依頼、世界で中国を始め、アジアの人々への差別が問題となり、欧米ではマイノリティーの死亡率が高いと言う。差別が生死を分け、ウィルスがその差別をさらに加速させる。差別を食い止める1つの武器、それが「言葉」だ。今言葉ができること。いつもそれを問いながら、原稿に向かう。校閲者として、また1人の人間として。
p.197 大事な人の名前は、絶対に間違えたくないですよね。それはその文字の連なりが、自分にとって2つとない特別なものだから。バラバラにするとなんでもない文字なのに、並べて完成させた途端、特別な意味を持ってしまう。名前って不思議です。新聞紙面に出てくる名前をチェックすると、そんな「この人を思う誰か」にがっかりされないように努力しています。
p.251 連載を長く続けていると、往々にしてこの話題は以前にもあったと言うネタかぶりが発生しますが、事前の調整はほとんどしないのに、同一テーマになる事は全く言って良いことありませんでした。これは新聞の校閲が無限の事象をチェックしていることの表れだと思います。それとともに、各執筆者の個性や趣味が、あるときにはチラリ、あるときにはヌっと出ることが、校閲と言う黒衣にも思える仕事に多様な色を加え、一人ひとりの太陽が伝わる校閲を描き出したからではないでしょうか。
もちろん、日本語の誤字や不適切表記に毎日直面している職場ならではの話題もふんだんにあります。ただし、高みから誤りを切り捨てるのではなく、その誤りが発生する現場の感覚や、正解のない問題に書き続ける姿を伝えることを重視したつもりです。そうすることで、よくあるマニュアル本とは1戦を画する読み物になったと思います。
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校閲の仕事の素晴らしさ、日本語の難しさがとても伝わる本。1つのお話がとても短いので、空き時間も楽しめる。
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新聞を印刷する前に誤字・脱字、記述のミス等を
チェックし、修正する、校閲記者たちの拘りのエッセイ。
第1章 校閲って何?
第2章 同音の語があふれている
第3章 カタカナ語の落とし穴
第4章 「いかにもありそう」が命取り
第5章 問題は言い回しにあり!?
第6章 辞書の中の奥深い世界
第7章 ところ変われば・・・・・・
第8章 名前は唯一無二のもの
第9章 確認は文字だけ? いえ無限です
『サンデー毎日』の連載コラムの書籍化。
誤字・脱字をチェックするだけでも大変なのに、
多様で無限な幅広い範囲での言葉の考察をも、チェックする。
それらをそのときの話題や国内外の情勢、
校閲記者の趣味などを交えて、綴られるエッセイ集です。
平仮名、カタカナ、漢字に、数字と漢数字、記号ばかりではない、
ハロウィーンかハロウィンか?丸の内か丸ノ内か?
数字と単位、日付、数え年のミステリー。
言葉は生もの。「ばえる」の浸透、ら抜き言葉の使い方。
「ポチる」はボヤッキーのセリフが由来?
辞書においての記述の変化。
悩ましい方言とご当地言葉。ミスは禁物な氏名と地名。
ブクログのレビューやブログ、SNSの書込みでも、あるある。
エッセイながらコラムなので短い文章ではありますが、
校閲の、言葉の奥深さを大いに感じさせてくれる内容でした。
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文章を読んだり書いたりすることは好きだけど絶対自分にはなれないだろうなと思うのが校閲の仕事。
校閲者のこだわりがつまった本。
面白かったです。
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毎日新聞の校閲センターの方々が、実際に出会った間違えやすい落とし穴や言葉の使われ方の歴史などを語った本。
「いかにもありそう」という言葉や同音異義語など、確かにチェックが難しい...。
しっかりと確認しないと、失礼に当たったり意味が全く変わったりするので、校閲なしでは命取りになるなと改めて実感。
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正確で誰も傷つかない文章を書くのはとても難しい。あらゆる知識を総動員して同じ文章を何度も何度も読み直しチェックする。技術と経験が必要なお仕事ですね。読み手としても正しい文章を見極める目を持ちたいと思いました。
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これは、毎日新聞の広告欄で頻繁に宣伝されていて、是非に読んでみたくなったもの。本書での例示に触れるごと、”ここに間違いがありますよ”って言われても、なおなかなか気付かないってことが分かる。手掛かり無しの状態からそれを探しに行くんだから、まさにもう名人芸。たまに誤植を見つけてちょっと得意な気持ちになったりするけど、実際には、その何倍もあろうことを思うと、何ともかんとも。奥深いし興味深いから、この系統の書にはちょいちょい触れていきたい。
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校閲という仕事は、考えることが多くあり、歴史も科学も地理も、政治も法律もスポーツも芸術もなんでも知っておかないといけないし、その都度調べて、その時代背景も含めて正さないといけない大変な仕事なんですね。
その中で面白かった例ですが、
「きみの膵臓が食べたい」「かがみの狐城」「蜂蜜と遠雷」と目で見ているとスルーしてしまいました。(「君の膵臓をたべたい」「かがみの孤城」「蜜蜂と遠雷」が正解)
「会議中は外部者以外立ち入り禁止となっている」
これでは外部者入れますね。
昭和時代では当たり前の表現でも今では傷ついてしまう、男女比やジェンダー、マイノリティなども配慮したこともデリケートに校閲した改訂版もたくさんあるようです。
校閲専門家はなんでも知っている雑学王でもありクイズ王でもありますね。広辞苑と大辞林、岩波国語辞典と三省堂国語辞典とにらめっこ。
「雨模様」は2009年まで雨が降る様子では誤用でも2010年からは誤用文が無くなったりして、辞典や辞書も時代変化に順応しているようです。
わたしも今後気をつけたいけど、見つけにくいところほど見落としてしまう文字ばかり。疑うことを訓練にしていきたいと思います。
満悦至極でした。
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サンデー毎日で連載された「校閲至極」を本にしたもの。誤字脱字の誤植点検の校正に加え、文章の中身も間違っていないか確かめる校閲は、慎重に行わなければならない。失敗事例もたくさん紹介されていい手大変参考になった。
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毎日新聞校閲センターのメンバーによるエッセイ集
校閲業務のあるあるネタやミスのエピソードなど興味深く読めた
言葉や、それによって伝える内容を大切にしている職業であることを再認識
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校正は字句・表現、体裁の誤りを正す。
一方、校閲はファクトチェックも行う。
本書は、毎日新聞の校閲部の記者さんたちが、業務で出会ったさまざまな事象を、時にご自身の失敗談も交えたコラムをまとめたもの。
その守備範囲の広さに、びっくりする。
たとえば、小津安二郎の映画『晩春』に言及した原稿。
ヒロイン曽宮紀子が小野寺を「おじさま」と呼ぶ。
原稿では彼を「叔父さま」と記していたが、本当にそうなのかを調べたりする。
伊勢の観光PRキャラ「はなてらすちゃん」が「はなたらすちゃん」になっていたりする誤植を発見する。
インタビューでの方言を、記事にするとき、どう扱うか。
地名は本当にやっかいだそうだ。
目黒駅につける「東京都〇〇区」の注記。
うっかり「目黒区」としてしまっていないか。
駅名は「虎の門ヒルズ」なのに、ビル名は「虎ノ門ヒルズ」だったりするトラップがある。
クイズコーナーの迷路を解いて、本当に答えが一つになるか、色彩表現は適切かどうかもチェックするとも。
対象への固定観念を植え付けることがないように、という配慮も、新聞社として大切にしていることが伝わってくる。
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何かを生み出すわけではないが、多くの人に分かりやすく読んでもらえる、とあった。
分かりやすさを生み出しているけどな、ちゃんと。
ほとんど誰の役にも立たない、でもこういうのが面白いという人が世の中にいる、ともあった。
役に立っているけどな、ちゃんと。
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新聞社の校閲担当者によるコラムをまとめた本。
読むまでは校正のことだと思ってたけど、違うとのこと。
保守的な文体が求められるメディアにおいて、万人に誤解なく、かつ、誤りとされる表現でもなく、伝えるということ。担当者たちの想い、趣きとともに楽しく読んだ。
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誤植の訂正や事実確認を生業とする「校閲センター」。毎日新聞の校閲センターに勤める社員によるコラムを再録した一冊。本書を読むことで、日本語の「あいまいさ」「おもしろさ」が垣間見える。