紙の本
『杉森くんを殺すには』
2023/11/15 19:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高1の結愛は“杉森くん”を殺したくてしかたない
理由は、杉森くんが意地悪で、人でなしで、自分勝手で、いじめっ子で、泣き虫で……
兄のミトさんにアドバイスをもらい、杉森くんを殺す理由をまとめ、「やりのこしたこと」をやっていく結愛
しかしクラスメイトやさまざまな人たちと交流するうちに、結愛は杉森くんとの関係を見つめなおし、自分の内面と向きあっていく
《傷ついた心を取りもどす物語》──帯のコピー
第59回講談社児童文学新人賞佳作(2018年)を受賞したデビュー作『お絵かき禁止の国』は中学生のレズビアン、第55回日本児童文学者協会新人賞(2022年)を受賞した2作目の『かすみ川の人魚』は異色の幻想児童文学
第3作『満天inサマラファーム』(2022年9月)で高校生男子の自分さがしを描いたかと思えば第4作『キノトリ/カナイ』(2023年7月)は“群像劇・SF”(著者サイトより)
なにが飛び出すか楽しみでどれも傑作ばかり
“名前買い”できる注目の若手作家の第5作、2023年9月刊
『カーネーション』『てのひらに未来』『拝啓パンクスノットデッドさま』『with you』とYAの意欲作が並ぶ「くもんの児童文学」から
〈日本のYA界に久々のクリーンヒット! しかし、よくこんな作品が生まれたなと思う。〉──金原瑞人の推薦文より
巻末のカウンセラーによる解説も必読
紙の本
良子さんがいい
2024/02/12 10:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
主人公ヒロの親友だった杉森くんが心を病んでしまい、関わるのがしんどくなってブロックした後、睡眠薬を飲んで亡くなってしまった。
自分が突き放さなければよかったのだろうか?
受け止めきれないヒロは杉森くんを殺そうと思い立つ。
杉森くんが既に亡くなっているのはうっすら分かっていたが、ここまで重いとは思わなかった。
重いけれど、友人になった良子さんがいいキャラクターで救われた。
重い内容だなぁ、と思いながらもサクサク読めたので、この作者さんは読ませる力があると思う。
投稿元:
レビューを見る
インパクトのあるタイトルとSNSでよく見かけたので気になって読んでみた。
杉森くんを殺す理由を上げていく主人公のヒロ。読み進めるとだんだん杉森くんのことが分かってくる。
ズシリと心に重く響く内容で過去の自身の経験からヒロの気持ちが分かりすぎて一気読み。
過去の辛い時期に読みたかった。救いになったであろう本。
投稿元:
レビューを見る
杉森くんを「殺す」ことで、罰を背負おうとする高校1年生の女の子の話。
赦される苦しみに囚われ、傷ついた心を抱えながらも、様々な人とつながり、前に進もうとする心の揺れ動きに惹きつけられました。
伝えたいメッセージが確かにあって、希望と共に語られている。
この本に出会えて、とても良かったです。
投稿元:
レビューを見る
ちょっといやだな、と思わせる刺激的なタイトル。
でも、この本のタイトルはこれでなければいけなかった。
これは学校の先生を説き伏せても、学校図書館にいれる意味があると思います。
杉森くんを殺すことにきめた、高校生の女の子のお話。最後の解説が超ネタバレなので、絶対に最後から読まないように。
まあこのタイトルつけてるから仕方ないし、必要だろうとは思いつつ。
これをきちんと読めば、全部わかるから。
これを読み通せる子は、絶対にそんなこと、しないから。大丈夫。
重たいテーマにも関わらず、恋バナのきゅんあり、友情あり、腐女子あり。地の文の軽さと、令和の現代っ子の解像度の高さもお見事。
そしてなんとアッパレ、ミステリーです。
どうやって殺すのか?
なんで殺すのか?
てんこ盛りすぎるけど全部がきちんと成り立っている大傑作。
絶対読んでほしい。
投稿元:
レビューを見る
想像していた以上に良い本だった。
誰もが「え?」って二度見するようなタイトル。でもくもん出版だしそんなわけないよな、という印象持って読み始めた。
感想を書こうとするとネタバレになるのであんまり書けないのだけど、ヒロの心の中で事実をだんだん受け入れていって、受け止めていくまでに、いろんな人がサポートしてあげていて。重いんだけど、良子さんとヒロの軽快なやりとりが読みやすくて、スイスイ読めちゃう。
内容は全然違うけど、森絵都さんの『カラフル』と同じ立ち位置で、いろんな子どもたちに紹介したい本だと思った。
投稿元:
レビューを見る
題名が衝撃的だった。内容も衝撃。
こんな場合どうしたらいいのか、どうしたらよかったのか、考えてしまう。自分で自分を守るためにヒロが考えたのが杉森くんを殺すこと。
それについて真剣に考えて向き合ってくれるミトさん。
ヒロの周りの人々がヒロを支えてくれて本当によかった。
読後、感情がかなり引きずられてしまった。
投稿元:
レビューを見る
杉森くんを殺す理由を考えて挙げていく。
人と人の関係性の物語。誰かを支えて、支えられて、支えられなくて、支えてほしくて。
主人公視点の物語は、主人公とともに視界が開けて新たな世界が見えてくる。その想いは心の中に残り語りかけてくるだろう。
これは読んだ人と語りたいなあ。
なるべく前情報なしで読んでほしいから、語りたいことが語れない。僕自身これは!と思ったのでなるべく情報を絶っていた。
この手法を児童書で扱うのかとか、ここで取り上げられた問題はあれとも繋がるよねとかとか。
でもYAはいいぞということだけは大声で語っておこう。
投稿元:
レビューを見る
『世の中は複雑でめんどくさい。単純明快になんてなりゃしない。
生きるって、ほんとうにめんどくさい。
でも、あとからじわじわ楽しいことって、たいていはめんどくさいんだ。』
投稿元:
レビューを見る
高校生のヒロは、中学までの同級生の杉森くんを殺す計画をしている。大好きなミトさんにも相談している。ミトさんに、殺す理由を書いておいたほうが良いと言われ、殺す理由を書き留めている…
何なんだこの話?と思いながら読み始めたが、なかなか大変な話だった。個性的な愛すべき高校生たち、読み終わってちょっと感動した。最後は、ちょっと上手く出来すぎな気もするけれど、しょうがないか。
投稿元:
レビューを見る
あとがきの通り、“悲しみの居場所探しの物語“。理解のある人達が居てよかった。タイトルはあまり好みじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
ヒロは杉森くんを殺すことにした
ヒロは、杉森くんを殺す理由とやり残したことをリストにしていく
杉森くんのことをずっと考えている
○“杉森くん”と“ヒロ”たちに読んで欲しいな、周りの人たちにも
紹介出来ない、見つけてほしい本だ
見つけやすいタイトルとカバーだなと思う
○巻末に臨床心理士の解説と案内がある
投稿元:
レビューを見る
この本には、うーーーん❗️と唸らされた。
主人公の結愛(ゆあ)は高校1年生。
冒頭は、「杉森くんを殺すことにしたわたしは、とりあえずミトさんに報告の電話を入れた」という文から始まる。
ミトさんの助言で、殺人を犯したら捕まるから、それまでにやりたいこと、あと杉森くんを殺したい理由を考えておいた方がいいと言われたので、それを実践する。
そこから、杉森くんとはどんな子か、結愛自身のこと、結愛と杉森くんとの関係がどんどん浮き彫りになっていく。
この話は題名がなかなかインパクトあるので、もしかしてこんなに表紙の絵は可愛いのに、中身は残酷なのか?と思いきや、全然そんなことないです。
令和の女子高生である結愛の視点を通した友達関係の考え方が、とても興味深かった。
また、少しずつ謎が解けていく感じも、ミステリー味があってワクワクした。
最後の方で、結愛が花火大会の時に隣にいた赤ちゃんを見て、人生で初めて花火を見た赤ちゃんに「この世の祝福が、みんなこめられたかのような笑顔だった」としみじみ感動しているシーンを読んで、少し泣けてきた。
この本を読んだ方がいたら、感想聞かせてほしいです。YA小説なので、読みやすくてとてもおすすめ
投稿元:
レビューを見る
対象:中学生以上 とある。イエス、全中高生に読んでほしい!そして、高校生の頃、何を見、何を感じ考え、どんなふうに友だちと接していたかを思い出したい全大人にも。「杉森くんを殺す」と決めた高1女子の語りにまんまとのめり込んだ。素直になれない、苦しさ切なさをどう処理していいかわからずヒリヒリした日々、女友だち、異性、親きょうだい。あの年頃に立ちはだかるさまざまな出来事を、凄まじい語彙力でぶつけてくれた。辛くて、落ち込んで、でも1歩踏み出して。そんな登場人物たちに気持ちが入るとたちまちポロリと涙が落ちた。
投稿元:
レビューを見る
重すぎず、軽すぎず、子供達の会話にクスッとしたり、登場人物を通して自分を見つめ返すことができたり。学生に限らず、沢山の人に読んで欲しい本。タイトルにはドキッとするけれど、読み進めていくと腑に落ちます。読んで良かった。