紙の本
絵本を閉じれば聞こえてくるもの
2023/12/03 08:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わって、絵本を閉じれば、ほら聞こえてきませんか?
ピアノの音色が。
そんな絵本です、いせひでこさんの『ピアノ』は。
この絵本、いせさんにとっては10年ぶりとなる創作絵本で、
しかも初めてのファンタジー絵本ということで
いせさんの読者にとっても、とてもうれしい作品です。
物語はお母さんと越してきた新しいお家でひとり留守番をしていたのんちゃんが
引っ越し荷物の中から懐かしいおもちゃのピアノを見つけるところから始まります。
ひとつ音も出ない鍵盤のおもちゃのピアノ。
お父さんとの思い出がつまったおもちゃのピアノ。
のんちゃんが弾き出すと、それに重なるようにピアノの音が聞こえてきます。
その音に誘い出されて、のんちゃんは庭を抜け、お隣の寂れた家に入っていきます。
そこで、大きな、本物のピアノを弾くおじいさんと出会います。
おじいさんは「ピアノの中にはオーケストラが入っている」と教えてくれます。
おじいさんはピアノの精? 音楽の神様?
なんといっても、絵がすばらしい。
いせさんの読者はやはり絵に魅かれると思いますが、
いせさんの絵が心に響くのは、なんといってもそのデッサン力だと思います。
ピアノに向かうおじいさんの姿勢やのんちゃんのさまざまな姿勢の
なんと生き生きしていることでしょう。
庭の緑、おもちゃのピアノの赤、おじいさんの黒い服、
それらすべてが音楽を奏でているようです。
音楽を目で味わう、これはそんな絵本です。
紙の本
両口屋是清 干支羊羮 辰
2024/01/12 23:02
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イケメンつんちゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉月あやさん本当にお久しぶりです
レビューさんのオススメ物件
注意しながら
あっちこっち丁稚
まさかのご対面
すごい
まるでアメリカ大陸を発見した
しゃかりきコロンブス
近くに全くないコロンバン
ワッフルが懐かしい
とにかく圧巻の水彩画
ただただ癒やされる
ピアノ
カノン
名探偵コナン
聞こえてこないけどハーモニーが
聞こえてくるよ
ギンギラギンにさりげなく
さわやかな風が吹き抜ける
モンローチェア
欲しいけど高値
在庫もあるそうなので
ぜひお買い求めくださいませ
とらや 干支羊羮 明けの龍
だから丸善書店はおもしろいんです
紙の本
ピアノの音色がきこえてきそうな美しい絵本
2024/02/27 15:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
柔らかで優しい絵と、ピアノによる「カノン」の音色がきこえてきそうな幻想的なストーリー。読み聞かせにもおすすめ。目も耳も心も癒やされる素敵な絵本です。
投稿元:
レビューを見る
夏休みのおわりに、となりの町からおかあさんとふたりでひっこしてきた、のんちゃん。
5才のたんじょうびにおとうさんが買ってくれたトイピアノ。
のんちゃんがカノンをひくと、となりの森のほうからピアノの音がきこえてきます。
曲はのんちゃんと同じカノン。
古いお屋敷からピアノが聞こえてきて、黒いふくをきたおじいさんがピアノをひいています。
のんちゃんのおとうさんはコンサートでバイオリンをひいています。
きらきら星をおじいいさんといっしょにひくのんちゃん。
「どうしてそんなにいろいろな音が出るの」
「ピアノの中にはオーケストラがはいっているんだよ」
おじいさんが曲をひきます。
心がしんとなる、まるで天からおりてくるような音楽。
のんちゃんのほほに、なみだが流れました。
「また、きてもいい?」
のんちゃんは、そう聞きながら、なぜかおじいさんには、もうあえないような気がしました。
その夜、のんちゃんがトイピアノをひくとラの音がなっています。
「おかあさんも、ピアノひきたくなったわ」
「おかあさんといっしょにピアノならいたい」
となりの家はなくなっていました。
私もピアノが趣味ですが、のんちゃんのように小さい時はやっぱりおもちゃのピアノから入って、本物のピアノを5歳の誕生日に買ってもらいました。
でもバイエルは全然好きになれず、小学校高学年までは外遊びの方が好きでした。
私も子供の頃、同じピアノの先生に習っていた、お姉さんがショパンの『幻想即興曲』を弾くのを聞いた時、初めて、ピアノを聞いて、涙がこぼれたのはよく覚えています。
中学でバッハを弾かせてもらえるようになってからピアノが大好きになり、学校から帰ってきて日に4時間弾くこともありました。
懐かしい思い出です。
投稿元:
レビューを見る
色使いがらとても印象的な綺麗な絵本でした。特に藍色や、ピアノの黒っぽいけれど少しずつ変化のある色に、思わず見惚れてしまいました。
出てくる曲は「カノン」。パッヘルベルの有名なカノンなのかな?のんちゃんが、お父さんとの思い出が詰まった「カノン」をトイピアノを弾いていると、どこかからのんちゃんの旋律を追いかけるようなピアノの音が聞こえてきます。カノンでかけあいをしてくれているのです。その音の方へ引き寄せられていくかのんちゃん…
「ピアノの中には、オーケストラがはいっているんだよ」というページの挿絵は、是非ともピアノを練習している子どもたちに見せたいです。
今度、読み聞かせをしようと思います。
こんな素敵な絵がついていたら、みんな夢中になること間違いなしです。
電子音や騒音で溢れかえっている世界で、人はどんどん音に鈍感になっていっているように感じます。いせひでこさんが絵で表現してくださっている綺麗な音の世界を、一人でも多くの子どもたちがキャッチしてくれるといいなと思います。
投稿元:
レビューを見る
ページをめくるとピアノの旋律が聞こえてくる。
優しい色使いだが、落ち着いたどこか物悲しい雰囲気も感じる。
絵と文と、まさにいせひでこさんにしか綴れない世界観。
主人公の今と未来、そしてピアノ弾きの過去、全ての時空に思いを巡らせる物語だ。
投稿元:
レビューを見る
お父さん(バイオリニストらしいですね)との悲しいお別れがあったことが、まず察せられます。のんちゃんの弾く「カノン」に応えて、ピアノを弾いてくれた不思議なお爺さんとの心温まるお話です。モーツァルトの、「もうずっとまえからしっているような、なつかしい気が」する曲と「色とりどりのガラス玉が」転がり落ちるような曲、最後の「心がしんとなる、まるで天からおりてくるような」曲、何という曲なのでしょうか。分からなくても、聞こえてくるようです。お母さんとピアノを習い始めたのんちゃん、いつか「この曲だったんだ!」と知る日が来るのでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
不思議な世界感のお話だったなぁ。
おじいさんは実在していたのか、お父さんはなぜいないのか、壊れていたピアノが直ったのは何故なのか。
不思議だけど、なんだか温かいお話。
おじいさんが弾いていたモーツァルト、音の形がビー玉だったり鳥だったり。なんの曲だったんだろう。
知りたいな。
投稿元:
レビューを見る
8歳6ヶ月の娘
5歳6ヶ月の息子に読み聞かせ
いせひでこさんの
優しい雰囲気のおはなしとイラストが
素敵なんだなあ
おとうさんはなぜいないのか
おじいさんの正体は?と
謎がのこる
不思議なおはなしでした
投稿元:
レビューを見る
誰でもこどもの頃には不思議な体験をすることがあります。
そして目に見えない音楽で人が繋がっていくところを、絵本で表現されています。
作者ご自身がチェロを演奏される感性がこのような作品に生きていると感じます。
カノンをBGMにどうぞ!
https://youtu.be/mR40_KPc81c?si=AUOuBxQCkU0UNs_x
投稿元:
レビューを見る
いせひでこさんの絵本は本当に優しい。
ピアノを通じて子どもと隣の家のおじいさんが繋がる、不思議な話。
つぎの曲は、色とりどりのガラス玉が、とつぜん階段からころがりおたなるようにして、はじまりました。
ピアノの中には、オーケストラがはいってるんだよ。
この二つのページのカラフルさがピアノを生で聴いているように感じさせる。
お父さんがいない、母子家庭の話だが、ほんわか温かくなる。素晴らしい!
投稿元:
レビューを見る
いせひでこさんの絵は、いつも優しくてゆるやかで繊細で哀愁がある。
今回のピアノは特に切なさも感じた。
新しい家に引っ越したのんちゃんは、おかあさんが仕事に出かけた後、お留守番。
クローゼットの中の箱を開けると5さいの誕生日におとうさんが買ってくれたトイピアノが…
ならない音があって、ひかなくなったことを思い出したけど「カノン」を弾いてみた。
どこからか、のんちゃんと同じ「カノン」のメロディが聞こえてきて…。
その音を追いかけるように外へ出て。
おじいさんが弾くピアノに導かれるようにお屋敷に入っていき…。
おじいさんとのんちゃんの2人の時間。
それはとても幸せな時間といえようか…。
心がしんとなる、まるで天からおりてくるような音楽を聞いて、のんちゃんのほほを涙が流れる。
「ピアノの中には、オーケストラがはいってるんだって」とおかあさんに伝えたのんちゃん。
もうおじいさんには会えないだろうと思っていて、そのひとことだけしかおかあさんには話さなかったのんちゃんの気持ちがなんとも言えず切なくなる。
ピアノを弾くおじいさんの周りに美しい光が、それは鳥で、シャボンのように弾けるように天使で、一瞬のうちに音のシャワーが。
美しいハーモニーが。
おじいさんの手の動きが美しくて。
絵なのにまるで動いているようで、とても惹きつけられた。
投稿元:
レビューを見る
なんとなく惹かれて手に取る。
お母さんと新しい家に引っ越したのんちゃん。トイピアノで「カノン」を弾いていると、となりの森からもピアノの音が。
物語から絵から、音と色と光が見える。いせさんの絵は世界の美しさを見せてくれるようだ。音が聞こえてくるようだった。そっか。音色って音の色。音にも色があるのか。音と色は一体なのかもしれないな。
投稿元:
レビューを見る
夏休みの終わりに、お母さんと隣町から引っ越してきたのんちゃん。隣には大きな森のあるお屋敷があった。
お母さんが仕事に出かけた日、一人で留守番をしていたのんちゃんは昔お父さんが買ってくれたトイピアノを見つけた。お父さんのバイオリンと合わせたことを思い出して「カノン」を弾いていると、隣の森から彼女の音に合わせたピアノが聞こえてきた。その音の方に向かうとおじいさんがピアノを弾いている。おじいさんはのんちゃんのためにたくさんの曲を演奏し、彼女はおじいさんとの連弾も楽しむ。
カノンの演奏に見送られながら帰宅した彼女は、心配してきた母親とともに忘れてきたトイピアノを取りに戻ったが、その屋敷にはもう人の気配がなかった。
******* ここからはネタバレ *******
低学年用として渡されたこの絵本は、ホラーなのでしょうか?
引越し先の隣家で会ったピアノが上手なおじいさん。別れてすぐ後に再訪したときには、おじいさんは消えていて、家も廃墟のようになっていたとは。
私だったらこんな家の隣に住むのは気味が悪いと思ってしまいますが、この母子はこれをきっかけに一緒にピアノを習い始めるとは、なんとも肝が座っています。
のんちゃんにお父さんはいないようですが、いい思い出をもっているようで、よかったですね。
音楽の楽しさを伝えてくれる絵本ですし、主人公は低学年のようですが、含みが多く(ホラーみたいですし)、低学年には向かないような気がします。
オススメするとしたら、中学年か高学年でもいいかもしれません。