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紙の本
実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ (中公新書)
著者 宇野重規 (著)
19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、実験的な民主主義像を描出。新技術が人々の想像力を変えた歴史を捉え、フランス革命・アメリカ建国後の政治史を解説...
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商品説明
19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、実験的な民主主義像を描出。新技術が人々の想像力を変えた歴史を捉え、フランス革命・アメリカ建国後の政治史を解説し、AI時代の社会像と人間像を探究する。【「TRC MARC」の商品解説】
デジタルが社会を変える時代。だが技術の進展は分断を生み、民主主義の後退と政治の機能不全は深刻だ。なぜ私たちは民主主義を実感できないのか? 本書では、大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、選挙ではなく行政府に、政党ではなく結社(ファンダム)に注目。分断を乗り超える、「実験」の民主主義像を提示する。民主主義論の大家が名編集者と力を合わせ、社会課題を探り出し、新しい政治構想を描く。【商品解説】
なぜ政治と社会は変らないのか? 民主主義論の大家と名編集者が力を合わせ、社会課題を探り出し、新しい政治構想を描く。【本の内容】
著者紹介
宇野重規
- 略歴
- 〈宇野重規〉東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。同大学社会科学研究所教授。「政治哲学へ」で渋沢・クローデル賞特別賞、「トクヴィル」でサントリー学芸賞受賞。
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民主主義の新たな姿をファンダムに見出す、希望の書
2024/01/12 09:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今や民主主義は「死んだ」「壊れた」「奪われた」「失われた」などと言われる。権威主義が幅を利かせ民主主義が危機的な状況にある現在、民主主義の新たな姿を「ファンダム(fandom)」のなかに見出した書。ファンダムとは、ファン(fan)と領国(kingdom)を組み合わせた造語である。アイドルや趣味、アニメ、スポーツ、音楽、ゲームなどのファンによる「推し」活動や文化を意味する。このファンダムの行動パターンが、伝統的な政党に代わる人々の組織化の可能性につながると主張する。
本書は、編集者の若林が政治学者の宇野に質問する形式をとる。フランスの思想家トクヴィルの思索を手ががりに、民主主義をアップデートする道筋を提示する。両者の丁々発止のやり取りは実に刺激的で、興味深い視点と論点を提供してくれる。民主主義の未来に希望を感じさせる書である。
本書の特徴は、民主主義を政党や選挙ではなく、行政権に焦点を当てて論じているところにある。デジタル化の進展による双方向性が、行政の在り方に影響を与え、供給側の論理で作られた旧来の政策は破綻を来したとする。デジタル社会において代わりになるのがファンダムである。ファンダムがプラットフォームとしての行政権を利用しながら社会を変える。市民の「何かできる」「何かしたい」をモチベーションに、その場にいる人たちが「できること」を紡ぎ合わせて行動する。ファンダムによる民主主義では、応援することも立派な参加であり、貢献となる。
終わりをデザインするのではなく、始まりをデザインすることが重要という指摘も面白い。完成形をデザインする建築家ではなく、育ってきた植物に応答的に反応せざるを得ない庭師的な行動パターンが重要になる。