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商品説明
戦後12年経った被爆地広島。仲良し4人組6年生の由美子、和也、進、裕は、中学進学を控えてそれぞれの向かう道を話し合っていた。ところが思いもかけないことが次々と起こり…。平和な日本に生きる若者へ伝えたい物語。【「TRC MARC」の商品解説】
被爆地広島は戦後十二年経っていた。
由美子、和也、進、裕は仲良し四人組の六年生だった。中学進学を控えてそれぞれの向かう道を話し合っていた。
ところが思いもかけないことが次々と起こった。それは和也のお父さんが、夏休みの間に原爆症で死んだことから始まった。和也は、被爆して体調を崩していたお父さんの代わりに八百屋の店を手伝っていたが、中学を卒業するとお父さんの代わりに店の仕事は全部自分がしようと思っていたのだ。それなのに、放射能はそれを待ってくれなかった。お父さんの命は途絶えた。仕方なく店をたたんで小さな妹や弟もいるので、おばさんの所へ引っ越すことになった。
そして秋に体調を崩して入院していた裕が、年が明けると白血病で死んでしまった。その上、担任の上内先生までが後を追うように死んだ。先生も肩から腕にかけてケロイドが残り、被爆していた。
あまりに悲しいことが続くので、由美子は、進に「なんで、こんとに(『こんなに』の広島の方言)人が死ぬん?」とつぶやいてしまった。「ここはヒロシマじゃから」と悔しそうに言う進の言葉に、転校してきた由美子は戦後十二年経っても広島は戦争が終わっていないことを知らされるのである。
その上、進まで、お母さんが自殺したことで急にいなくなってしまった。由美子の心はすっかり折れていた。そんな由美子に和也が言ったのだ。「オレがお前のナイトになってやる」と。
二人は悲しみの詰まった広島の地で、別れた人たちへの想いを胸に、前へと進んでいこうとする。
そして……、和也は「ナイト」になって由美子を守ることができたのか。
戦争が終わって八十年近く経った。今、平和な日本に生きる若いあなたたちへ伝えたい。あなたたちと同じ若者の遠いヒロシマの追憶の物語。そしてこれからの世界にこの悲劇が生まれないことを。【商品解説】
著者紹介
梓 加依
- 略歴
- 〈梓加依〉長崎県生まれ。児童文学・子どもの生活文化研究家。物語を書く会「梓の木の会」主宰。著書に「おかあちゃんがほしい」「介護とブックトーク」など。
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著者の思いが伝わる
2024/01/23 18:13
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
被爆後12年たった広島を、子どもの目線から描いた児童向けの物語。主人公は小学6年生の由美子と、それぞれに個性のある3人の男子。街は少しずつ復興し4人は仲良く楽しく学校生活を送っているが…。そこに原爆の影が忍び寄る。
原爆は投下されたその瞬間に多くの命を奪っただけでなく、街を破壊し、コミュニティーや家族までも壊し、その後も長く人々を苦しめる。
由美子の周りでは次々と原爆の影響とみられる病気で命を落とす。遺伝的影響に怯え、差別や偏見にさらされる。そんな現実を子ども時代に目の当たりにした筆者が、今の子どもに伝えたいとフィクションにして描いている。
小説としての完成度、フィクションとは言え事実関係との整合性、現代の視点から見た場合のジェンダー表象など若干不十分さも感じるが、あとがきもあり、筆者の熱い思いが伝わってくる。