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日本流の仕事流儀に警鐘を鳴らした書
2024/02/07 10:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米Microsoftの現役ソフトウェア・エンジニアが、米国流仕事の流儀を紹介した書。日本のソフトウェア開発現場との差を浮き彫りにする。「世界一流のエンジニア=MSのエンジニア」かどうかは不明だが、少なくともMSにおける仕事の進め方はわかる。筆者は日本のSIer出身で、彼我の差を具体的に示しており説得力がある。ちなみに筆者は44歳でMSに転職した後、現在はAzureのシニア・ソフトウェアエンジニアの職に就いている。
日本流の仕事流儀に警鐘を鳴らす。すなわち、日本人の生真面目さと完璧を目指す姿勢が、生産性向上の足を引っ張っている。日本のソフトウェア・エンジニアは、不確実性を忌避しすぎる。「納期は絶対」の神話は捨てる。納期に間に合わないなら、現実的に即するようにスコープを出し入れする。「準備」と「持ち帰り」をやめて、その場で解決する。重要でないことの過大な工数を使わない。検討してばかりで「やらない」ことが最大のリスクである。選択にダラダラと時間を使うべきではない。迷うくらいなら、どちらを選んでも結果に大差はない。
「怠惰であれ!」や「早く失敗せよ」といったMS流の仕事の進め方が、「真面目すぎ」「考え過ぎ」「やり過ぎ」の日本ですぐに適用できるとは思えないが、ソフトウェア開発のあり方を考えるヒントを与えてくれる1冊である。
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この本は、米マイクロソフトのエンジニアが開発の現場から学んだ思考法を紹介します。
この本を読んでわかったこと・学びを箇条書きで列挙します。
・「Be Lazy」の思考法
より少ない時間で価値を最大化する考え方。一流のエンジニアは、いかにやることを減らすか?に頭を使っている
・リスクや間違いを快く受け入れる
Fail Fastの精神。成功しようがしまいが、まずはやってみて、早くフィードバックを得て、早く間違いを修正していく
・脳みその負荷をいかに減らすか
読むことを減らして、脳に余裕を生む。
今手をつけている仕事を一つに限定する。マルチタスクは人間の脳には向いていない
・コミュニケーションの極意
情報量を最小にし、簡単なことをしっかり説明する。つまり、理解してもらうことを丁寧に時間をかけること
・サーバントリーダーシップ
メンバーが主体で動き、リーダーは彼らの障害を取り除く役割(自己組織チーム)
・AI時代をどう生き残るか?
誰もやったことのないものに取り組んでいる専門家は、AIがとって変わることがない
最後にどんな人におすすめしたいかというと、
・グローバル企業のスピード感で技術導入を目指すビジネスパーソン
・生産性を加速するための西洋文化の思考法を学びたいエンジニア
に是非本を手に取って読んで欲しいです。
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具体的な例示が多くてわかりやすかった。マネージャーはどうある方が良いかという考え方や例が実践してみようと思えるもので参考になった
明日から少しずつ取り入れられそうなことが多く、実用的と感じた
自分の人生は自分が決める
優先順位の話も実践できるか自信はないが試してみたい
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タイトルの通り、一流エンジニアの思考法がわかりやすくまとまった良書でした!
Microsoftのエンジニアなんて雲の上の存在で、自分とは頭の作りから違うんだろうなと思っていましたが、本書に載っている思考法は真似できそうなものばかりで、一つ一つ取り入れていけば自分も一流に近付けるのではないかと思わせてくれました。
とっても便利なライブラリを見つけたときのような感動がありました。
わかりやすく一冊の本にまとめてくださった牛尾さん達に感謝です。
以下、思考法のメモ
・闇雲に手を動かすのではなく、仮説に対して検証する
理解には時間が掛かることを前提とする
・感覚で決めつけるのではなく事実をベースにする
・Be lazy 怠惰であれ
・バックログから一つだけピックアップして他はやらないと決める
・リスクを受け入れ、失敗を歓迎する
・検討するよりさっさと検証する
・批判よりフィードバックを大切にする
・知識は頑張って思い出すことで記憶に定着する
・エキスパートに聞いてすぐ解決できそうなものはすぐに聞く。逆に相手も時間が掛かりそうなことは自分で調べる。
・気軽に聞ける空気の大切さは気軽に断れる空気とセット
・意見が対立しても否定はしない。"In my opinion" 僕の意見はこうだけど、最後に決めるのは君だ。だから僕の意見は捨て置いてくれて構わないよ。
・仕事は我慢するものではなくエンジョイするもの
・タイムボックス制。絶対に定時で上がると決める。
・気力の無さは体力の無さから
・自分の人生や幸せに責任を持って、自分でコントロールして生きていく
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システム開発として日本企業、アメリカ企業の違いがわかる本であった。
また、優秀なエンジニアの仕事の進め方についても述べられていました。
その中で、あれもこれもやるのではなく、本当に価値を見出せるものを検討して、進める必要があると言う部分に関して、日本の場合、納期に対しあれもこれも機能実装するように感じます。
本書で記載されているような企業に勤めれるように自身の行動を変えていきたいと思いました。
まずは、自身のタスクについて行動を整理して効率化を図りたいと思います。
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p18 マイクロソフト azure 一部の優秀な人が突出して頑張っている様子ではなく、チーム全体のベーシックな生産性が異様に高い
p36 理解は時間がかかるものとして、急がず、徹底的に理解する習慣をつける
p62 いかにやることを減らすか
p64 一つだけピックアップする、時間を固定して、できることを最大化する、準備持ち帰りをやめてその場で解決する
p71 成功しようがしまいが、まずはやってみて、早くフィードバックを得て、早く間違いを訂正していく、fail fastの精神だ
p73 検討ばかりしてさっさとやらないことのほうがリスク
p78 早く失敗することはそれ自体に価値がある
p93 KPIは定時で無理なく楽に達成できる程度のものであるべきだ
定時でできる量になるようにシンプルに作業量をいまの実力でできる範囲に調整する
p104 自分がしんどいと思う努力は一切やめる
p107 マルチタスクは生産性が最低なのでやらない
p108 WIP work in progress wip=1 いま手を付けている仕事を一つにする
p111 一日4時間は自分だけの時間を確保する
p112 大前研一氏は何かを変えたいときは、住むところ、付き合う人、時間配分のいずれかを変えるべきで、それ以外は意味がないと考察している
p134 最初から全部説明せず、情報量を減らすコミュニケーションの仕方がすごく重要
p156 agree to disagree
どちらが正しいとか間違っているとか、意見に賛同する・しないではなく、相手のことを理解して認める力
p160 英語圏で、反対意見を言う時や他と異なる意見を言うときに頻繁に出てくるフレーズが in my opinion
p161 相手を否定しない、相手のアイディアを否定しない、そして自分の考えとして意見を言うという鉄則を守る
p166 サーヴァントリーダーシップ
リーダーはビジョンやKPIは示すが、実際にどのように動くかは、チームが主体的に考えて意思決定していく
p172 インターナショナルな職場でhあ、自分で自分の考えや人生に責任をもつのが大人
p176 仕事は楽しむというカルチャー
p195 失敗なんて思わなくていい。私達はいつも未知のことをやっているのだから、こういうことは起こるんだ
p196 BE lazyを推奨し、休暇を尊重する。
作業量を減らして、インパクトのあるものに集中する
p208 生産性を上げるためには学習だよ。だから、僕は仕事を定時ぐらいで切り上げる。その後で、自分のやりたいトピックを勉強したり試したりする
p224 あなたの一日を3時間増やす超整理術
p238 AIに食われないものは、少なくともしばらくは身体的なもの、対人的なものー創造的な仕事や、芸術などの分野ではないか
p252 どんあシステムにもバグはつきもので、改善していくしかない
p253 開発者の心を砕く批判文化
p259 開発者に限らず、日本のあらゆる業界業種において、批判でなくポジティブフィードバックで現場の心が満たされるような好循環が生まれたら、間違いなく日本の生産性は抜本的に変わるだろう
p264 自分の人生が、自分で決められないと思いこんでいる人があまりにも多い
どうやったら自分の人生が幸せになるか主体的に考えて、仕事の仕方を選択している
p265 常に自分が幸せになる方向に人生の選択をする決意をした
p266 自分の人生や幸せに責任をもって、自分でコントロールするというマインドセット
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生産性を上げる為には、個人でできること、組織でやるべきこと、社会として考えるべきことがありそう。
個人としては、脳の負荷を最小にして、常に目の前のことに集中できるようにする。
マルチタスクにしない。
そのためには、
重要なこと以外、ばっさり切りすててやらない。
終わったことは、片付ける。
サイトを閉じたり、メールを閉じたり。
これを完了させる、というそうだ。
完了とは、片付けるところまで。
こうすると、身の回りも整理させる。
整理されることで、余計なことに思いがよらなくなる。
組織として。
サーバントリーダーについて述べられている。
働く、が楽しくなるようにするには、
管理をしない。
自主性を引き出すことを目指す。
すると、指示待ちはいなくなり、
みんなが楽しく動き出せる。
社会として。
日本は、批判文化だという。
せっかく作ったものを、ボロカスに叩かれれば、
誰もやらなくなる。
完璧主義をやめて、できているとこら、よいところに感謝する。
感謝があることで、モチベーションにつながる。
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考えを変えるためには行動を変えないといけなくて、行動を変えるには考え方を変える必要がある。やってもやっても終わらない業務量はサラリーマンである限り変えられない構造だけど、それをプラスに捉えられるようになりたい。
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・感想
エンジニアの思考と書いてますが、広くあまねくビジネスパーソン全員が活かせる知識です。こちらも良著。
・Todo
・手を動かす前に仮説を検証する。
ログ(データ)をみて自分で多分こういうことが起こっていると推測して推測にあった行動をして証明する。
・理解に時間をかけること
その構造を掴んで人に説明ができる
いつでもどこでも即座に取り出して使えること
知見を踏まえて応用が効くこと
★構造としてこういう仕組みで成り立っているからこのサービスが可能だという本質を掴んでおく。
★初歩の学習を簡単だと馬鹿にせず、一からやり直してみる。
★★理解は時間がかかるものとして、急がず、徹底的に理解する習慣をつける。
・ドキュメントを書くことで自分の頭を整理する。
そしてそれをシェアするだけですむ。
★1つのことで2時間以上ブロックされたら質問するなリ、相談するなりして寝かせておいて他の仕事に着手する。
★BeLazy
・望んでいる結果を出すために最低限の努力をする
・不必要なものや付加価値のない仕事をなくす
・簡潔さを目指す
・優先順位をつける
・時間や費やした努力よりアウトプットと生産性に重点を置く。
・長時間労働しないように推奨する
・会議は会議の時間内で効率的かつ生産的に価値を提供する。
★重要な1つだけピックアップする
★時間を固定してできることを最大化する。
★★準備、持ち帰りをやめてその場で解決する。
議事も要点だけをメモって共有。
プレゼン資料はその場で修正。
★★★スプリントプランニングをやる。
※2週間で実施するタスクの整理を管理職と行う。
何をやらないかを決めて一気に集中する。
★★リスクや間違いを快く受け入れる
・間違いを厳しく批判したり懲罰したりしない
・失敗から学ぶ制度
・FailFast
・実験が推奨
・現状維持、標準ではなく、臨機応変を推奨
・非難や恐怖感のない環境を
失敗→FB→修正→挑戦 のサイクルを圧倒的に回していく。
★米国は大まかなKPIが達成していれば何をしても文句、細かいことを言わない。
達成できなければ評価を落とす。クビにするだけ。
★★★メールで成功の報告を見たらおめでとうのメールを返す。失敗事例と原因をFBしたら感謝のメールを返す。
マネージャーは積極的にこのムードづくりを醸成し、
評価は日々の業務の小さな成功や失敗ではなくKPIの達成可否と明確に区別すること。
★QCDS(スコープ)はトレードオフである。
・海外では なるはや はマネジメント能力の欠如。
余裕を持った日程で早めに協力者を見つけ、チェックポイントを設けていくこと
★★無理、断る練習をすること
どうしたら楽に達成できるか計画に落とし込む、ここまでだったら協力ができるというラインについて話す。
★★★やってみて実際にどうだったか? 改善ポイントやベストプラクティス���何か??
★★★
LV1 何もググらず即座に実装できるもの
LV2 問題をどう解決するかはすぐに思いつくが、具体的な方法は忘れており、ググる必要があるもの
LV3 自分は解決方法を知らないが、課題把握のための大まかな考え方の枠にはめてみたらできそうなもの
LV4 自分だけでは解決が難しい、もしくはものすごく時間がかかりそうなもの。
生産性を上げるのはいかにL V1を増やすか。
LV3以上はe-Learningや周りを巻き込みながら成長していくしかない。
★★★ WIP で1つの仕事に全集中して関係ない話でもどうするか とにかく前に進めようとすること
30分か1時間はそのことのみに。
すぐ終わらないことは人に問い合わせるなど物事を待ちの状態にしておく。
他のことは一切せずに集中する。
タスクを中断する場合は記録や整理をしてから離れる。
タスクの残骸で開いたタブは消していく。
★★★★1日4Hを自分時間で確保する。
★★★ 人に説明可能な状態にしておく。
そのことについてブログを書いてみる。
プロセスを思い出して整理して書く。
自分が学んだことにつながる質問も書いておく。
そして最後に要約する。
・あとで人に説明することを意識する。
・話を聞きながらビジュアルイメージを作る。
★★★相手が本当に欲しい情報は何か。
日頃から人に伝えることを前提とした準備をしておくこと。
★★★★★ミスコミュニケーションのサインが出てきたら手を動かす前に即座にオフラインで話す機会を設けること
★★★★ディスカッションは自分の考えを自分なりに深めるための行為で間違えたら恥ずかしいという行為は捨てること。
★上司の役割は部下の詰まっている問題を取り除いてあげること。
人を繋ぐ、他の人の協力を要請する、サジェスチョンをする。
★★★★指示待ちの人には 〇〇さん、どのタスクやっときます?とこちらから選択を促していく。
★★★★★タイムボックス制で学習時間を強制確保する。
新しいことを学んだら必ずブログを書く
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この本を通じて、思考と行動の変化が重要であること、個人がシンプルなタスク管理と集中を保ち、組織が基本的な生産性を高め、社会が持続可能な成長を目指すべきであることを学びました。成功への鍵は基本を理解し、マルチタスクを避け、フィードバックを速やかに取り入れ、失敗を恐れずに挑戦することです。現場での即時解決、効率的なコミュニケーション、そして感謝の文化の育成が、生産性と満足度を高める助けとなります。
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技術的な部分でもメンタル的な部分でも、取り入れようと思うことが多々ありました。
日本と欧米の文化の違いも知ることができ、興味深かったですし、沸々と熱が込み上げてくるような感覚になりました。
世界トップの環境に身を置く著者の仕事術や知見に触れることができて、総じておもしろかったです。
以下は特にハッとさせられ、印象に残っています。
第1章
「どんなに頭がよくても理解は時間がかかるもの」なので、時間をかけて意図やアーキテクチャを理解する
第2章
納期は固定して、スコープで調整する
第3章
コードリーディングのコツは極力コードを読まないこと
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自分はエンジニアではないがめちゃめちゃ役に立つノウハウやマインドセットだった。
理解に時間をかける
Be Lazy
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著者のことは、SNSでかなり前からフォローしていたり、ブログなども拝見したことがあったので、興味あって手にとった、個人的には目新しいものはなかったが、自己啓発の再確認的な感じになりました。
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本屋にて「何やら胡散臭いタイトルの本だな…」と思って著者の名前を見たらJJUG CCC 2018 Fallで渡米直前の講演を聴いていたのを思い出して早速読むことに。マイクロソフトの米国法人で現役プログラマーとして働いているなら著者も彼の同僚も確かに世界一流だ(ちなみに著者は「三流」と自称しているが、そんなこと言われたら私は四流どころか五流であるw)この手の仕事術本はどうしても即効的なハウツー・ノウハウの羅列になりがちなところ、第1章から「理解に時間をかける」と述べられているのが面白い。個人的には第3〜4章の、脳の負荷を下げるための様々な工夫と情報量を減らすコミュニケーション術が特に興味深かった。
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私はまだまだ駆け出しのエンジニアなのですが、
この頃自分の思考の限界にぶつかっていました。
できるあの人たちはどんな思考をしているのか?
どうしてそんなに色んなことを記憶できているのか?
自分の頭の出来が悪いからと諦めたくなくて
何かが掴めたらいいなと手に取った本でした。
色々なコツというかテクニックがたくさん書いてありました。
エンジニアとしてだけでなく、
日常生活の中での幸福度も上がりそうだなと思いました。
良いなと思ったことは取り入れて、
自分の人生をより良いものにしていきたいと思う。