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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/12/13
- 出版社: KADOKAWA
- サイズ:20cm/277p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-114223-3
読割 50
紙の本
人間標本
著者 湊 かなえ (著)
蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。5体目の標本は完成したが、再び飢餓感が膨れ上がる。幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息...
人間標本
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商品説明
蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。5体目の標本は完成したが、再び飢餓感が膨れ上がる。幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映り…。【「TRC MARC」の商品解説】
蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。【商品解説】
目次
- 人間標本
著者紹介
湊 かなえ
- 略歴
- 〈湊かなえ〉広島県生まれ。「聖職者」で小説推理新人賞、「告白」で本屋大賞、「ユートピア」で山本周五郎賞受賞。
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紙の本
実験的イヤミス、後半は湊かなえの面目躍如
2023/12/27 16:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
デビュー15周年の書き下ろしということで、発売と同時に話題となっている本作。
これまでのイヤミスとはひと味違った作品、というのが第一印象だ。実験的なイヤミスと言えるだろう。
あらすじはあちこちに書いてあるので省くが、これまでの作品に多い、母娘などを中心に女性の人間関係や心の闇が主軸になっているケースと違い、本作の主人公は父子。
母娘や女性同士の一般社会でもありがちな言動や心理状況のリアルな描写ではなく、ちょっと現実や一般の感覚からは、乖離したような告白が続く。
いわゆる倒叙ミステリーの形式を取り、冒頭から犯人?と名乗る者の告白が始まる。
前半は、犯人?が罪を犯すまでのバックグラウンドや、蝶についての知識、被害者一人一人の説明が日誌のように連なっていて、自分は何を読まされているのだろうかとしばらくは苦痛が続いた。
しかし、ここで本を閉じてはもったいない。
ちょうど半分をなんとか読み終わったあたりから、俄然面白くなる。(ようやくミステリーを読んでいる感覚になる)
湊かなえの面目躍如といった調子で、ページをめくる手が止まらなくなる。この前半と後半の落差が、さまざまな語り手が一つの事件を語るタイプのこれまでの湊作品とは異なる気がする。
そして、後半。
倒叙のはずが、想定されていた真相がまず(納得できる範囲だが)覆される。
そして、ラスト。
更なる真実が明かされる――。
猟奇的殺人、芸術とは、欲とは、人間に見えている世界は・・・想像は膨らむが、一般人の理屈や感情だけは説明できない、犯罪に至る道すじは、リアルというより、どこか浮世離れした幻想に近いような印象も受ける。好みが分かれる作品かも知れない。