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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/12/12
- 出版社: 晶文社
- サイズ:19cm/253p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7949-7398-6
読割 50
紙の本
不完全な司書
著者 青木海青子 (著)
本は窓、図書館は人と人の出会いの場。司書の仕事はケアにつながる。奈良の山村で私設図書館を開いた司書が日常を綴ったエッセイ。『図書館雑誌』『群像』ほか掲載に書き下ろしを加え...
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商品説明
本は窓、図書館は人と人の出会いの場。司書の仕事はケアにつながる。奈良の山村で私設図書館を開いた司書が日常を綴ったエッセイ。『図書館雑誌』『群像』ほか掲載に書き下ろしを加えて書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
本は違う世界の光を届ける窓
図書館は人と人の出会いの場所
司書の仕事はケアにつながる
奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。
人と接するのが苦手で、本という「窓」から外の世界と接してきた。そんな著者が自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。精神疾患を抱える「支えられる立場」から、司書という「人を支える立場」になりえた体験を通じて、司書の仕事の豊かさ、奥深さ、そして本という「窓」の持つ力が伝わってくる。
読むと訪れてみたくなる、ある個性的な図書館の物語。
"私の来し方には、いつもそこに「本」と「生きづらさ」が座しています。自分自身の読んできたものと、読書の周辺を紐解くだけで、「この人、よく生きていたなあ」と何やら放心してしまいます。ルチャ・リブロはそんな私自身の読んできたものを開いたような場所で、だからこそ、少ししんどい状況にある人が、ふとこの場所を見つけて遠い道のりをやってきてくれるのではないかと考えています。"(「まえがき」より)
【目次】
■1 司書席から見える風景
不完全な司書
本という窓
古い家で、いとなむこと
蔵書を開くことは、問題意識を開くこと
ルチャ・リブロの一日
公と私が寄せては返す
窓を眼差した人
時間がかかること、時間をかけること
諦めた先の諦めなさ
ペンケースを開け放つ
森から来た人達
知の森に分け入る
葛根湯司書
図書館への道
ルールとのつきあい方
偶然性と私設図書館
夜の海の灯り
■2 クローゼットを開いて
クローゼットの番人が、私設図書館を開くまで
幽霊の側から世界を見る
当事者であること、伴走者であること
絶対あると思って探しに行かないと見つからない
探求のお手伝いが好き、レファレンスブックが好き
カーテンに映る影
本と暴力と
光の方へ駆ける
窓外に見えるもの
旅路の一里塚
明るい開けた場所に出られるような言葉
■3 ケアする読書
デコボコと富士正晴
書くことのケア性について
「分からない」という希望
生きるためのファンタジーの会
木炭で歯をみがくことと、オムライスラヂオ
私の影とのたたかい
背後の窓が開く
「土着への処方箋」のこと
「本について語り合う夕べ」のこと
■4 東吉野村歳時記
峠をのぼるひと、のぼる道
屋根からの手紙
とんどと未来
馬頭観音祭と、往来と【商品解説】
目次
- ■1 司書席から見える風景
- 不完全な司書
- 本という窓
- 古い家で、いとなむこと
- 蔵書を開くことは、問題意識を開くこと
- ルチャ・リブロの一日
- 公と私が寄せては返す
- 窓を眼差した人
- 時間がかかること、時間をかけること
- 諦めた先の諦めなさ
著者紹介
青木海青子
- 略歴
- 〈青木海青子〉兵庫県生まれ。人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書。刺繡等によるアクセサリーや雑貨製作、イラスト制作も行う。著書に「本が語ること、語らせること」など。
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紙の本
本は「窓」
2024/03/19 16:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館といえば、学校図書館とか公共図書館といった「公共施設」という印象があるが、
個人や法人が運営する「私設図書館」が最近増えているという。
なかでも、奈良県東吉野村にある「ルチャ・リブロ」は、
古民家に移住し、そこで開設された「私設図書館」として有名である。
この『不完全な司書』は、
その「ルチャ・リブロ」の司書でもある青木海青子(みあこ)さんが綴った、
本と図書館の仕事にまつわるエッセイ集である。
ただ本だけのことが書かれているわけではない。
青木さん自身が長年精神疾患を抱えていて、精神病棟への入院という経験も綴ることで、
もっと奥行きのある文集になっているように感じた。
例えば、『見捨てられる<いのち>を考える』という本を紹介しながら、
「どんな人に会うか、自分がどう変わるかは未知のことで、
この未知を未知のまま留保することが、苦しみの中にある人の今日を助ける」
ことに気付いたと、青木さんは綴る。
青木さんは司書ではあるが、
実際私設図書館を開設以前は学校図書館などで司書をしていたが、
まだまだ本から教えられることが多いようだ。
そんな青木さんは、本のことを「窓」だと感じている。
今いる世界と違う世界を見せてくれる「窓」。
見せてくれるだけで、なんだか幸せにしてくれる「窓」。
青木さんは私設図書館を開設することで、そこに集う人たちにも「窓」を開けたのです。
風通りのいい、「窓」を。