紙の本
鎌倉文庫と扉子さん達親子の歴史
2024/04/14 19:13
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
文豪たちの貸本、鎌倉文庫の貴重本をめぐる智恵子さん、栞子さん、扉子さんの歴史。栞子さんのお父さんがこんなに出てきたのはシリーズで初めてでは?智恵子さんと結婚するなんて、どういう人なんだろうと思っていましたが、馴れ初めも出てきて楽しめました。
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扉子4作目。
実在した鎌倉文庫を巡る親子3代の物語。
プロローグで祖母・智恵子、母・栞子、扉子が勢ぞろい。
戦後に存在した鎌倉文庫のその後の行方を巡る謎を、令和を扉子、昭和を智恵子、平成を栞子で紡いでいく。
祖母の智恵子の若い頃や、栞子の父の話はこれまでシリーズを読んで来たファンとしては新鮮。
鎌倉文庫は鎌倉に縁ある作家たちにより創設されたものだが、その中に混じっていた夏目漱石の作品を軸に描かれるのが、さすがと言う感じ。
「鶉箱」「浮草」「吾輩ハ猫デアル」
実はいずれも読んだことがない作品。
それでも、この謎解きは本格的で久しぶりに面白かったし、親子3代に渡る物語は読み応えがあった。
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令和編から始まります。
令和の主人公といえば高校生の扉子です。
高校でせっかく一緒になったもぐら堂の娘の戸山圭とけんかをしています。
けんかの原因は圭が持っていた夏目漱石の『鶉籠』の初版本であることがわかりますが、その出所は…。
第二話は昭和編。
女子高生だった久我山尚大の隠し子だった智恵子とビブリア古書堂の前店主だった篠川登との出逢い。
やっぱりビブリア古書堂で出逢ったのですね。
鎌倉文庫の貸出本を巡るお話。
第三話は平成編。
主人公は智恵子の娘で扉子の母の栞子。
『吾輩は猫デアル』の出品者を巡るお話。
私は、漱石といえば『坊ちゃん』』『夢十夜』『こころ』あたりしか全部読めていないのに、この親子三代たちはいつものことながら、凄い博学だなあと感心しました。さすがビブリア古書堂!
『行人』『草枕』は最近買ったので(この本にはでてきませんが)できれば読みたいと思います。
初版本とか、鎌倉文庫が登場しますが、フィクションであると思うとなんとなくへんな感じをいとえなかったです。
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今までで一番おもしろかったと思う。
智恵子、栞子、扉子の親子三代で一つの話を紡いでいくのだが、脇役のはずの今まで影が薄かったお父さんが、一番印象深かった。
智恵子はこれまで悪くしか書かれてこなかったが、それほど悪い人間ではないことがお父さんの話から読み取れた。
お父さんは亡くなる前に智恵子に会えたのだろうか。
3人ともそれぞれ本を語る時はとても楽しそうなのに、時々考えられないほど冷酷な時がある。
第一話の扉子がまさにそれで、読んでいて気持ちの良いものではなかった。
でも、反省して小さくなっている様を見ると、大丈夫かと声をかけたくなる。
正解が正しいとは限らないのだ。
このシリーズがあまり好きではないのに読み続けているのは、やはり本を主軸においた物語だからだと思う。
読み始めるとあっという間に進んでしまうのは、造りがうまいのだろう。
古書の話を聞けるのはとても楽しいし、継続するって大事だな。
2024/03/26 00:35
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扉子が登場するシリーズの四作目。このシリーズはマンネリになることなく面白いままで続いてくれていると思う。
今作は戦時中に文士たちが立ち上げた鎌倉文庫という貸本屋。その貸本をめぐる親子3代の物語。主人公が飛んでいるものの全体として一つの作品になっていた。また、そこにあった1000冊近くの貸本の行方が今もわかっていないというのは面白かった。
もう少し登場する作品を深掘りしてくれたら、もっと良かった。
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智恵子さん、栞子さん、扉子ちゃんの3世代が醸す深〜い洞察を堪能できる作品でした。それぞれの時代を背景に俯く女子高生。色白で真っ直ぐな長髪で黒縁メガネをかけた姿は指紋が照合されるかのようにピタリと重なる。そんなイメージを描かせてくれる時代錯誤な情景でした。
漱石はだいぶ前に読んだはずですが、すっかり他の本のストーリーに上書きされて思い出せませんでした。坊ちゃんにしても、吾輩は猫であるにしても、そんなに辛辣な描き方だった?と疑ってしまった。
世に二つとない初版本の陳列を前に3世代の"ロン黒白肌メガネ"は我を忘れて悦に浸る姿は微笑ましくもあった。(文香ちゃんが何話目かで表現した"おっぱいメガネ"には劣ります)
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三つの時代を跨ぎ「鎌倉文庫」の謎に挑む、ビブリア古書堂新シリーズ第4弾
戦時中、川端康成ら鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。千冊あったといわれる蔵書も、発見されたのはわずか数冊。では残りはどこへ? 扉子、栞子、智恵子の3人が時代を跨ぎ、ある文豪の古書に纏わる謎に挑む。
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#ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ
鎌倉文庫をめぐる扉子栞子智恵子の物語
3人の同い年を比較すると容姿はとても似ているんだろうけれど、ちょっとずつ違った個性を感じた。
鎌倉文庫は浪漫あるな、、、
#読了
#三上延
#メディアワークス文庫
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めちゃくちゃ面白かった!
今回のテーマは夏目漱石と鎌倉文庫。
とにかく夏目漱石が読みたくなる。
本作では、ようやく智恵子の謎、過去がだいぶ解き明かされる。でも相変わらず、失踪した原因、そこは不明…。なぜ年頃の子ども達を残して消えたのか。今回は当時の篠川家の様子に少し触れている場面があり、切なくなった。栞子のお父さん、登の話もがっつり出てきて、とても新鮮だった。
それにしても、鎌倉文庫…贅沢だなぁ。夏目漱石が所有していた本が借りられるんだもんなぁ。鎌倉にある文学館にもまた足を運びたくなった。
次の作品が待ちきれない。
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昔から大好きなビブリア古書堂シリーズ。栞子さんから世代が変わった物語を読むのは少しドキドキしましたが、相変わらずおもしろかったです。本を大切にする人たちとの繋がりが描かれていて、私も実際の世界でそんな人たちと繋がりたいを持ちたいと思いました。ラストに出てくる鎌倉文庫、本当にこんな場所があったらいいのにとワクワクしました。
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扉子になってから、いまいちピリッとしませんでしたが、今回のは力作でした。ビブリア古書堂ワールドを堪能。
有隣堂購入者が貰えたペーパー特典、勿体ないから何かの形で他店購入者も読める機会があるといいのに。
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待ちに待った新刊。今巻では3世代の女達が古書をめぐって推理を繰り広げる。鎌倉の文士達が蔵書を持ち寄り開館していた貸本屋「鎌倉文庫」がテーマだが、実質は夏目漱石がテーマだと言っていい。夏目漱石の蔵書を含む千冊に及ぶ鎌倉文庫の行方だ。行方といっても、1世代の最初の智恵子が本の所在を隠し、2世代目の栞子がつきとめた後は再び眠りにつき、3世代目の扉子の代になって再び話題に上がり陽の目を見たという流れだろう。得体の知れない祖母、智恵子には扉子も懐いているのか、それともただ蔵書目的で通っているのだろうか。この巻では智恵子の異常さはなりを潜めているが、末娘の文香が踏切まで迎えに出てくる気持ちも理解できないようだし、夫の登も智恵子の洗練された残酷さに嫌気をさしつつも惹かれている。扉子の過去編というし、前巻では母親の栞子が「友達もおらず幼馴染とも疎遠になった」という表現をして、扉子も一人ぼっちの境遇を嘆くこともなく語っていたから、余程の事かと思ったが、親友の圭が横領された本を相続されそうになった、つまりは貸本が横領されたと言うことに腹を立てたという事だろう。正直、利平の怪我は本当に扉子が原因かは分かりかねるし、仲違いは圭の思い込みのただのケンカに思えた。それでも、認知症の高齢者に罪を白状させようとするのは、酷だろう。智恵子と扉子の間に立つ栞子はまだ精一杯人間としての一線は越えないように踏ん張っている。それは夫の大輔の存在が大きいのかも知れない。少々の不愉快さを除けば、読み応えは充分だし、新しい発見も大きい。
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親子3世代が時代を超えて夏目漱石の本と関わっていく。今回も面白く読めた。
夏目漱石未読なので、読んでみたくなった。
次に読みたくなる本を見つけられる小説。
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栞子編の後半辺りから、所謂謎解きよりも物語に重きを置いているように感じるビブリア古書堂シリーズ、今回もミステリ色は若干薄めのよう。
書籍に関する蘊蓄も、段々煩く感じます
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孫娘の扉子が主役だった新シリーズだが、今回は祖母含めて3世代の17才時の同じ秘密が解き明かされて行く。
プロローグで3世代の家族が勢揃い。次の章から令和、昭和、平成と展開して行く。戦後の混乱期に鎌倉に居た著名文士達が拠出して出来た「鎌倉文庫」の千冊に及ぶ本の行方。
昭和の時代の祖母智恵子はビブリア古書堂に通う女子高生。店先で鎌倉文庫の情報に接し、のめり込んで行く。この時に店の息子と知り合って、後に結婚。ダークモード発動で、強引に解決に結び付けたのだが、ここでお互いに惹かれあって結婚するのが不思議。
平成の時代の娘である栞子も鎌倉文庫に関わって行く。持ち前の洞察力と推理力で解決して行くのが凄い。2代と3代は本以外は駄目なキャラがホッとさせる。