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商品説明
小説の「語り手」は、信用ならない
1960年代の革新性に満ちた「初期ポストモダニズム」。
その時代に書かれた
バース、バーセルミ、クーヴァー、ボルヘス、カルヴィーノ、
ピンチョン、ル・グィンらの短編を中心に
文学作品の根幹ともいえる「語り」に視点を向けて分析する!
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【目次】
◉はじめに ポストモダンとアメリカ文学
◉序 章 語りの実験場:ポストモダンを語るには
◉第一章 語りの枠組:ジョン・バース『びっくりハウスの迷子』(一九六八)
◉第二章 語りを削ぎ落とす: ドナルド・バーセルミ「センテンス」(一九七〇)
◉第三章 集団的語りと語りの循環: ドナルド・バーセルミ『雪白姫』(一九六七)
◉第四章 半死の語り手: ロバート・クーヴァー「歩行者事故」(一九六九)
◉第五章 記憶と語り: ホルヘ・ルイス・ボルヘス「記憶の人フネス」(一九四二)
◉第六章 語りのΔt: イタロ・カルヴィーノ「ティ・ゼロ」(一九六七)
◉第七章 語りの終焉?: トマス・ピンチョン「エントロピー」(一九六〇)
◉第八章 AIは語る: アーシュラ・K・ル=グィン『闇の左手』(一九六九)
◉おわりに レイモンド・フェダマンが語ったポストモダンの語り
◉付録
ポストモダンの諸相
コラム① ポストモダンかポストモダニズムか?
コラム② リオタールの「ポストモダンの条件」
コラム③ ドゥルーズの「セリー」、バースの「シリーズ」
コラム④ 『フィネガンズ・ウェイク』
コラム⑤ ベケットが描く語りの崩壊
コラム⑥ バースとボルヘスと謎の『千夜一夜物語』六〇二話
コラム⑦ ポストモダニズムとジェンダー【商品解説】
目次
- ◉はじめに ポストモダンとアメリカ文学
- ポストモダンの起源/文学におけるポストモダニズム論争/批評家の迷走とバースのポストモダニズム宣言/ジャンルの確立と歴史化/ポストモダニズム研究が示す曖昧さ/文学研究を更新する/イデオロギーの否定と歴史性なき歴史の時代/ポストモダニズム的既視感と郷愁の念
- ◉序 章 語りの実験場:ポストモダンを語るには
- 近代小説の登場/ホーソーン、メルヴィル、ジェイムズ/モダニズムの二極化する語り/信用ならない語り手とアウシュヴィッツ以後の蛮行/モダニズムからポストモダニズムへ
- ◉第一章 語りの枠組:ジョン・バース『びっくりハウスの迷子』(一九六八)
- むかしむかし—ビートルズとフォークロア/物語は過去のもの/メビウスの輪と終わりのない物語/カギ括弧つきの語り/「作者」と語り手/「船」と「荷物」—語り手の役割/自己内省的な語り/マクロからミクロへ/「枯渇の文学」と語りの延命/「夜の海の旅」—英雄神話からポストモダンの語りへ
- ◉第二章 語りを削ぎ落とす: ドナルド・バーセルミ「センテンス」(一九七〇)
- 「文章」が語る/「レス・イズ・モア」/書くことと日常/言語の身体性/ヴィトゲンシュタインの「痛み」/動く言葉/無限の参照システム/自己言及的なテクストと読者の役割
- ◉第三章 集団的語りと語りの循環: ドナルド・バーセルミ『雪白姫』(一九六七)
- 『雪白姫』—ポストモダンの演劇性/「浮遊する語り手」/集団の語りと分裂する意識/雪白姫の本音/語り手はピーピングトム?/語り手失格/のぞきのポール/もうひとりの語り手?/雪白姫は語るのか?
著者紹介
麻生享志
- 略歴
- 早稲田大学国際学術院教授、早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)館長。
ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院比較文学研究科博士課程修了(Ph.D)
(専門分野:現代アメリカ文化・文学)
主要業績:『ポストモダンとアメリカ文化:文化の翻訳に向けて』(単著、彩流社、2011年)、「『ミス・サイゴン』の世界:戦禍のベトナムをくぐり抜けて』(単著、小鳥遊書房、2020年/増補改訂版、2022年)、「「リトルサイゴン」—ベトナム系アメリカ文化の現在」(単著、彩流社、2020年)
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