目次
中世時衆史の研究
- 小野澤 眞(著)
- 序章 時衆研究を行うにあたって
- はじめに−日本中世社会の時衆−
- 第一節 研究の意義
- 第二節 研究の回顧
- 第三節 学校教育における時衆
- 第四節 研究の問題点
- おわりに−研究の課題と展望−
- 第一部 時衆とは何か
- 第一章 時衆の定義
- はじめに
- 第一節 時衆の語義
- 第二節 行儀に発する時衆の規定
- おわりに
- 第二章 時衆史の再構成
- はじめに
- 第一節 時衆の有する職能と庶民信仰における時衆の意義
- 第二節 時衆から時宗への変遷−宗旨としての確立−
- おわりに
- 第三章 一向俊聖教団研究の回顧と展望
- はじめに−研究の意義−
- 第一節 教団史の梗概
- 第二節 研究史の回顧
- 第三節 論点と今後の展望
- 第四節 史料論
- おわりに−中世思想史への転回−
- 第二部 時宗の展開
- 第一章 四条時衆の展開
- はじめに−問題の所在−
- 第一節 京都四条道場系の時衆の変遷
- 第二節 摂河泉における時衆各派寺院の分布と立地
- 第三節 四条時衆の民衆への結縁とその機能
- 第四節 他宗あるいは他地域の時衆の動向との比較
- おわりに−まとめに代えて−
- 第二章 霊山時衆の展開
- はじめに
- 第一節 京都における時衆道場
- 第二節 霊山時衆の沿革
- 第三節 「国阿上人」にまつわる史料とその人物像
- 第四節 霊山時衆の地方展開
- 第五節 都市京都における霊山時衆の地理
- 第六節 都市京都における霊山時衆の意義
- おわりに
- 第三章 善光寺聖の展開
- はじめに
- 第一節 信濃善光寺信仰の形成
- 第二節 信濃国における時衆の展開
- 第三節 歴史風土からみた踊り念仏の発祥
- 第四節 庶民信仰における善光寺聖の意義
- 第五節 寺社における「分身」と宗教都市
- 第六節 他地域における善光寺信仰の一例
- おわりに
- 第四章 藤沢時衆の展開
- はじめに
- 第一節 水戸『開基帳』解題ならびに徳川光圀の宗教政策
- 第二節 『開基帳』所載時宗一三箇寺概史
- 第三節 常陸の時衆寺院の歴史的意義−中世前期−
- 第四節 戦国大名と時衆−中世後期−
- 第五節 近世大名と時宗−江戸時代−
- おわりに
- 第五章 一向俊聖教団の展開
- はじめに
- 第一節 俊聖教団と一遍時衆
- 第二節 奥羽における時衆の教線
- 第三節 高野坊遺跡出土の墨書礫の概要とその意義
- 第四節 天童系の俊聖教団の特質
- 第五節 俊聖教団による墨書礫埋納から考える原始一向宗論
- おわりに
- 第三部 中世社会にはたした時衆の意義
- 第一章 中世における「悪」
- はじめに
- 第一節 「悪」観念と悪党
- 第二節 破戒の悪僧たち
- 第三節 私度僧教団の変容−その体制化−
- おわりに−時衆から真宗へ−
- 第二章 一遍智真による時衆構築と他阿真教によるその変容
- はじめに
- 第一節 先行研究と時衆の概要
- 第二節 一遍以前の時衆
- 第三節 『一遍聖絵』における一遍と『遊行上人縁起絵』における真教
- 第四節 他阿真教による教団化と律僧
- 第五節 時衆による“新仏教”の基盤形成
- おわりに
- 第三章 中世仏教の全体像
- はじめに
- 第一節 中世仏教論に内在する問題点
- 第二節 室町期・戦国期の仏教研究へ
- 第三節 聖による仏教
- 第四節 各教団史の再考
- 第五節 新教団の草創と守成
- 第六節 旧仏教の庶民信仰−古義真言宗の事例から−
- 第七節 新仏教の成立とその背景
- おわりに−中世時衆凋落の背景−
- 附章 近世・近現代時宗と国家権力
- はじめに−研究史の回顧−
- 第一節 時衆の特質
- 第二節 近世時宗史の概観
- 第三節 近世における国家観・天皇観
- 第四節 近現代における国家観・天皇観
- 第五節 アジア・太平洋戦争前後の時宗
- おわりに−まとめに代えて−
- 終章