序章少女の世界
- １〈少女〉という境界
- ２「少女小説」の誕生と展開
第１部〈少女〉の成立／「少女小説」の誕生
第１章無垢な「天使」の物語
第２章メディアにおける〈少女〉の成立
- １少年雑誌と少女読者
- ２「少年園」の基本姿勢
- ３女子読者と誌面
- ４女子に関する論説
- ５「女子之忠」の規定
- ６少年との分離
第３章「少年世界」における若松賤子の創作
- １「少年世界」の「少女」欄の開設
- ２「少年世界」以前の若松賤子の活動
- ３少女に語る物語
- ４少女の位相と物語の方法
- ５〈教訓〉から逃れる表現
第４章「少女小説」の成立
- １「家の娘」の位置
- ２閉ざされる少女小説
- ３「われわれ」のなかの少女
- ４良妻賢母の新たな任務
第５章芥川龍之介「雛」の少女
- １「雛」の語りと物語内容
- ２家父長制のなかの「雛」
- ３「雛」の文化と家の繁栄
- ４父権と伝統
第２部少女セクシュアリティの表象／「少女小説」の展開
第６章構成される少女Ⅰ
- １少女雑誌の冒険
- ２家父長制下の家庭悲劇と女性の分断
- ３〈愛される〉少女の時代
第７章構成される少女Ⅱ
- １少女友愛小説の発生
- ２強制的異性愛制度の補強とジャンルの成立
第８章馴致されるセクシュアリティ
- １「文学者」を出さない「幸福」
- ２モダニズムの刺激
- ３一九三〇年代の少女雑誌とセクシュアリティ
- ４「寵児」の行方
第９章昭和期の少女像の展開
- １男性作家の〈少女幻想〉
- ２〈少女幻想〉から逃れること
第１０章セクシズムのなかの吉屋信子
- １下位項目の作家として
- ２少女小説というモード
- ３「第二恋愛」としてのレズビアン・セクシュアリティ
- ４〈家族の神話〉と女性同士の絆
第１１章少女小説から従軍記へ
- １総力戦と少国民少女
- ２少女小説の戦略
- ３総力戦と女性従軍作家の登場
- ４「女性幼児虐殺」の現場
- ５仮構される連帯
- ６「共存共栄」の不可能性
- ７林芙美子と非戦闘員
第３部少女文化の変容／水脈としての「少女小説」
第１２章昭和戦前期から戦後へ
- １長篇少女小説と行動する少女
- ２男女共学時代の変容
第１３章少女小説から少女マンガへ
- １少女文化からの発展
- ２少女マンガの〈文学〉性
- ３少女マンガからの越境
第１４章ライトノベルとジェンダー
- １ライトノベルという名称
- ２ジェンダーと性別化されたレーベル
- ３少年と少女の役割
- ４ジェンダーを考えるために
第１５章戦う〈少女〉の任務と少女コミュニティー
- １戦う少女の国
- ２欲望のための表象
- ３回避と依存
- ４女装少年と少女コミュニティーの問題