目次
- はじめに 源氏物語論へのいざない
- Ⅰ
- 第一章 玄宗・楊貴妃・安禄山と桐壺帝・藤壺・光源氏の寓意
- はじめに
- 1 信西「長恨歌絵」の寓意
- 2 帝王の寵愛
- 3 安禄山・楊貴妃密通説の発生と白居易『胡旋女』
- 4 『長恨歌』の前提と「新楽府」的楊貴妃
- 5 二人の楊貴妃と『源氏物語』創造
- 6 安禄山・楊貴妃と光源氏・藤壺の対応
- おわりに
- 第二章 武恵妃と桐壺更衣、楊貴妃と藤壺
- はじめに
- 1 『源氏物語』と白河院・後鳥羽院
- 2 『源氏物語』に依拠して描かれる史実と『長恨歌』の関係
- 3 桐壺巻准拠の重層性
- 4 藤壺の准拠としての楊貴妃
- 5 〈貴妃〉と〈妃〉と
- 6 准拠の仕組みと構想
- 第三章 〈北山のなにがし寺〉再読
- 1 問題の所在
- 2 研究史概観
- 3 角田文衛の大雲寺説
- 4 大北山・西園寺あたりを指すとする説その1
- 5 大北山・西園寺あたりを指すとする説その2
- 6 通底するもの
- 7 新出『鞍馬縁起』と鞍馬寺像の再構築
- 8 鞍馬寺の『縁起』再読と「北山」
- 9 いくつかの問題と角田説再考
- 第四章 胡旋女の寓意
- 1 問題の所在
- 2 『胡旋女』をめぐって
- 3 『源氏物語』の音楽と交情
- 4 紅葉賀の青海波演舞とその底意
- 5 青海波のコンテクスト
- 6 物語の外側へ
- 第五章 胡旋舞の表象
- 1 『政範集』と「新楽府」そして『源氏物語』
- 2 『胡旋女』と「廻雪」・「雪をめぐらす」の周辺
- 3 「廻雪」の典拠
- 4 『胡旋女』の寓意と青海波
- 5 『胡旋女』から彷彿する青海波の形象
- 6 清盛と光源氏の重なりと両義性
- Ⅱ
- 第六章 〈非在〉する仏伝
- 1 桐壺巻の予言
- 2 予言の「三国」的仕組み
- 3 『源氏物語』の内なる仏伝
- 4 仏伝の予言と文脈
- 5 予言に続く仏伝の要素と『源氏物語』の類似点
- 6 釈迦の多妻(polygamy)伝承と三時殿
- 7 四方四季と六条院
- 8 仏陀の反転としての光源氏
- 9 光源氏物語とその後
- Ⅲ
- 第七章 宇治八の宮再読
- 1 宇治八の宮という呼称
- 2 『源氏物語』本文と「八の宮」呼称出現箇所の問題
- 3 「八の宮」准拠説について
- 4 八の宮と音楽および宇治
- 5 八の宮をめぐる出家と栄達
- 6 敦実親王と皇位継承への思い
- 7 『源氏物語』という創作へ
- 第八章 源信の母、姉、妹
- 1 なにがし僧都の登場と恵心僧都源信
- 2 二つの准拠
- 3 安養尼説話と『源氏物語』
- 4 源信の姉と妹
- 5 源信伝の仕組みと安養尼という収斂
- 6 初期源信伝の推移と母の役割
- 7 僧伝と母
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