目次
日本軍の治安戦 日中戦争の実相 (岩波現代文庫 学術)
- 笠原 十九司(著)
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プロローグ 山西省の治安戦における宮柊二と田村泰次郎
歌集『山西省』に歌われた治安戦
田村泰次郎「裸女のいる隊列」に描かれた治安戦
治安戦と三光作戦
第一章 日中戦争のなかの治安戦
1 日中戦争の開始
中国における二つの戦場と治安戦
盧溝橋事件
治安維持工作の始まり
2 一九三八年の作戦と戦闘
長期総力戦へ
華北の占領地統治
特務機関の宣撫工作
3 一九三九年の作戦と戦闘
泥沼の戦争へ
天皇制集団無責任体制
重慶爆撃
汪精衛政権樹立工作
海軍の海南島占領
南寧占領と北部仏印進駐の強行
関東軍の暴走によるノモンハン事件
4 華北における治安工作の開始
日支新関係調整方針
「治安粛正」の目的
第二章 華北の治安工作と「第二の満州国化」
1 北支那方面軍の治安粛正計画
長期化する戦争
治安工作の思想と目的
2 北支那方面軍の軍政実施
抗日意識の高まり
新民会と宣撫班の統合
3 華北の「第二の満州国化」
華北経済の収奪的支配
県城と農村の支配
プロパガンダ工作
「第二の満州国化」構想と興亜院
4 華北における治安戦の開始
治安戦の開始
治安戦初期の状況
第三章 百団大戦と治安戦の本格化
1 一九四〇年の作戦と戦闘
ドイツ軍の攻勢に幻惑された日本
南進へ
2 百団大戦の衝撃
八路軍の攻勢
甚大な被害
3 なぜ百団大戦が発動されたか
華北における抗日根拠地の成立と拡大
八路軍総司令朱徳の報告
百団大戦を発動させた内外情勢
4 報復としての治安戦の本格化
報復作戦決行
抗日民衆対象の三光作戦
第四章 アジア・太平洋戦争と治安戦の強化
1 一九四一年の作戦と戦闘
国策の奔放からアジア・太平洋戦争突入へ
「関特演」=対ソ戦発動準備
強硬派による対米開戦決定
2 華北の総兵站基地化
アジア・太平洋戦争開戦
経済収奪のための治安戦
汪精衛政権の対米英参戦
3 汪精衛政権下の清郷工作
新四軍の勢力拡大
清郷工作
4 海南島における海軍の治安戦
軍事拠点としての海南島
抗日根拠地の形成
5 本土防衛のための中国戦場
逆転する戦争遂行の目的
膨大な犠牲を強いた大陸打通作戦
第五章 治安戦の諸相――加害者の論理と被害者の記憶
1 華北における治安戦の全体像
北支那方面軍の作戦
引用する基本史料
2 掃蕩作戦と「収買作戦」――山西省
山西省における掃蕩作戦
「罪悪事実」の手段と総数
被害民衆の記憶
3 無住地帯(無人区)と経済封鎖――河北省
治安戦遂行者の証言と回想
虐殺事件の記憶と記録
無人区と集団部落
4 細菌戦――山東省
魯西作戦(一九四三年秋)におけるコレラ菌作戦
記憶されなかった被害者の悲劇
5 三光作戦の被害概数
戦後補償要求裁判
被害総数
エピローグ 対日協力者=漢奸たちの運命はどうなったか
対日協力者たちの戦後
日中戦争の実相へ
注
あとがき
岩波現代文庫版あとがき
解 説……………齋藤一晴
巻末史料(表/地図)
索 引
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