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ケーキ好きな人にはぜひ見てほしい本。
あっちこっちのメディアに登場し、スイーツの魅力を語るスイーツ番長。こういうスイーツ・ガイド本を出版したり、スイーツイベントを開催したりと精力的な活動をしている。もちろんブログも。それから、日本経済新聞電子版の「日経スイーツ選定委員会」立ち上げメンバーでもあった。
ちなみに、日経電子版の記事「今週の3つ星スイーツ」は、スイーツ好きならきっと楽しく読める。
さて、本書の内容。スイーツ番長が「あっぱれ」の太鼓判を押すスイーツを紹介している。
美しいスイーツの写真が気分を高揚させてくれる。
構成は、まず10種類のスイーツを選択。それぞれの種類ごとに、スイーツ番長がお気に入りをピックアップ。それらを取り扱うパティスリーや専門店は、首都圏中心。
10種類は以下の通り。
1.ロールケーキ
2.チーズケーキ
3.いちごのショートケーキ
4.チョコレートケーキ
5.モンブラン
6.ミルフィーユ
7.アップルパイ
8.シュークリーム
9.カスタードプリン
10.アイスクリーム
そのほかにも、デセールで華やかな皿盛りスイーツを提供してくれる店の紹介があり、新進気鋭の注目すべき10人のパティシエを紹介している。エッセイもあったり、雑学気分で読む「お菓子の雑記帖」もあったりと軽い読み物としても愉しい。
なにより、この本は真面目に作られている。それが真っ先に浮かんだ感想だ。タイトルだけ見ると、「至高」とか「パーフェクト」の文字が品を落としてしまっているが、内容はとてもいい。
まえがきに「さて、みなさまのお口に合いますかどうか? 本書を片手にスイーツのすばらしさを体験していただければ幸いである。」とある。そう、「みなさまのお口に合うかどうか?」ここがポイントだと思う。自分の選んだものは絶対に旨いんだ、という押し付けがましいところがないのがいい。味覚は人それぞれなのだから。
そういえば、ある雑誌で食の評論家が「カスタードクリーム」について語っていた。「卵の味わいが強いもの」と「ミルクの味わいが強いもの」の2種類に大きくは分けられるが、どちらが正しいというわけではないと。
食べ手によって好みが分かれるのは当然で、それを理解しておく必要がある。簡単に言えば、精魂込めて作られたものを、安易に自分の好みだけで「うまい」「まずい」と断ずるのはいかがなものか、ということである。
余談だが、モンブランにだって種類がある。味だってもちろんまったくと言っていいくらい違う。モンブランについては整理してまた別の機会に書こう。
なにはともあれ、本書で紹介されるスイーツはどれも間違いないものばかり。ただし、著者と同じように「最高」と評する人もいれば、「好きじゃない」という人ももちろんいるはずだ。こういうガイド本を読むときはそれを念頭に置くことが大切だと思う。それぞれのスイーツの紹介文は短いながらも、自分好みの一品を見つける糸口にはきっとなる。本書をきっかけにスイーツの世界を堪能してみたい。