紙の本
刑事事件を取り扱っているのに、その扱いが適当。
2015/09/15 14:42
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
元刑事が異端の考古学者と組んで、なぜか事件の謎解きをする。設定は悪くないけど、色々と気になる点が多くて好きになれなかった。警察や検察のルールを無視したストーリーがひどい。送検、起訴への流れが甘すぎる。送検してから警察自身が、犯人が本当にそうか迷ってるって…適当にもほどがある。
ちゃんとした事件物として読むのではなく、ある意味ファンタジーなのだと思って読むべきなのかもしれない。それなら楽しめる部分はあるし、考古学がらみという特色もある。でも、全体的にはやはりそれほどおもしろくなかった。
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考古学社と定年退職した刑事の謎解き・・・
謎解き?
遺跡発掘の話?
もと刑事さん何にも活躍してないような、
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考古学×ミステリ って言ったらもうわくわくしないわけがない!
警察を退職するその日に事件に出会うなんておちおちぬれ落ち葉になんて甘んじてられないですわね、福沢さん。
しかもとびっきりミステリアスな事件だし!
コツコツと証拠を積み重ね推理を張り巡らせ「事実」へと迫っていく。
元刑事の趣味が考古学なんてずいぶん畑違いだ、と思ったけれど、実はいろんな共通点があるんだな。
それにしても仁木さんの小説に妖が出てこないなんて!と驚いたけど、明子さんが実は式神だったのかも、なんて思ったりもして。
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代表作の方はちょっと自分の好みと違っていたのですが
こちらはわりと面白かったです。
残りこの頁数で謎解けるんかな?と思っていたら
ぱたぱたと片付きましたね。続編が出来そうな設定。
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長野県の遺跡で見つかる
現代の遺体から
考古学の周辺の問題が語られる。
ミステリーというより
元刑事とつちくれさんの人間ドラマ
…な感じ。
シリーズになってもおもしろそう。
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著者にしては珍しい、現代の日本、元警官&考古学者が主人公のミステリー。主人公達のキャラクタはなかなか魅力的なのですが、ミステリーとしては若干底が浅いように思いました。
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僕僕先生シリーズ以外は認められないなぁ~長野県警の副署長で警官人生を終える登は最終日,雪道上で遭った長身の女性と土を大事にしている同年配の男性に惹かれ,老後の趣味とする考古学の発掘現場で遺体が見つかる事件の報告を受ける。同年配の男性は高名な考古学者であったが,旧石器の発掘捏造で名を落としているものの,ライバル関係にあった開発業者の娘が秘書・助手として付き添っているのだった。大貫という気鋭の考古学者の土曜講座を受ける積もりだが,その世話をしている市役所の若い男が,同僚で恋仲であり妊娠している女性を殺して,発掘直後の棺に隠したとして逮捕された。つちくれという異名を持つ瀬山は,一度離れて見てみたいと奈良へ登を誘う~ 世間が狭すぎて,何のために出てきた人物か分からない部分もある。遺跡の発掘と開発・不動産売買,父親不明の娘が二人もいて・・・,だめだと思います
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定年退職したら、何がしたいか?
退職する前から趣味を持っていないと
新たな趣味を見つけるのは難しいだろうなぁ
まぁ、その前に
趣味を楽しめる経済的な余裕と体力を温存する必要があるかもしれない
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警察官の福沢登はまもなく定年退職する。
考古学を趣味とし,退職したら信州大学の社会人向けの講座を受講したり,遺跡の発掘にも参加しようとやる気になっていた。
その退職当日,遺跡の発掘現場の何千年前の石棺から,美しい女性の死体が出てきたのである。
大学の研究室などの籍はないが,考古学の世界では一目置かれている「つちくれさん」こと瀬山紀芳に頼まれ,警察を退職した身ながら真犯人捜しを始める。
ミステリーですが,登場人物が皆個性的で生き生きしています。つちくれさん,助手の明子,また,考古学に関わる研究者といったある意味特殊な人々が,常識人である登の視点から,描かれています。
また,考古学の世界に疎いオイラですが,面白く読めました。
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長野県警に勤める刑事の福沢は、定年を迎える日に奇妙な事件に遭遇する。遺跡発掘現場にあった棺から、古代衣装を着けた女性の遺体が見つかったのだ。事件を追う福沢は、現場で土を集める初老の男と、若い娘の二人組に出会うが―。定年刑事と「土に残された死者の声を聞く」在野の考古学者が挑む奇妙な謎。
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やっぱり仁木さんは『僕僕先生』シリーズの方がいいなぁ。
元警官と考古学者“つちくれさん”が主人公のミステリー。考古学とミステリーの組み合わせというのは悪くないと思うんだけど、“つちくれさん”のすごさが今イチ伝わってこない。
多分、シリーズ化を前提に書かれているのかな?まだ、何で登場しているのかわからない人もいるし。でも、次巻で長野を離れてしまったら、長野県警とのつながりも切れてしまうし、元警官という設定の意味も無くなっちゃいそうだし。
難しいなぁ。
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仁木英之さんの小説は、僕僕先生シリーズを読んでいましたが、これは普通に現代のお話でした。
読んでる間中、なんとなく「仁木氏もこういう本を書かれるんだなあー」と思いつつ読んでました。
考古学の大御所?つちくれさんにロマンを感じるものの、やはりなんだか自分の中で違和感を感じつつ読み終わりました。
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警察官である『福沢』は、退職をめどに趣味である遺跡巡りをしようと考えていた。
そして定年を迎えた日、管轄地にある古墳から遺体が発見されるという事件が起こる。発掘調査中の棺の中から、若い女性の扼殺体が出てきたのだ。
気になった福沢は現場を見に行くことにした。そこで美し女性と、彼女が『つちくれさん』と慕う奇妙な老人に出会う。
考古学はロマンだ。はるか昔の埋葬物を掘り出し、時代をひも解く。悠久の時に思いを馳せる、どこか厳かで高尚な学問に感じる。ただ、それも一面ではあるが、全てではない。地主や建築業者、役所などの利権争いなども起こる。他の著書でもそんな風なことが書かれているのでよくあることなのだろう。意外と世俗的な世界なのである。
ここでも殺人事件を軸に、利権がらみやねつ造事件、過去のしがらみなどを交えながら、犯人を探していく。『つちくれさん』の飄々とした人柄に魅了されつつ、なかなか面白く読んでいた。
以下、ネタばれあり
が、解決部が今一つ納得いかない。
利権がらみとのミスリードを誘いつつ意外な犯人に持って行くのだが、あまりにもそこまで完全に蚊帳の外だった人物に愕然となる。しかも理由が・・・。
異母兄妹と知って尚、添い遂げようとするのか?しかも子どもも産もうなんてするかな。
息子に庇われたままにするかな?しかも「真犯人は見つかったのか?」なんて言ってるし。
どうしてもこの点が腑に落ちない。
あとこの殺人事件には直接のかかわりはなさそうだけど、つちくれさんの捏造の件とか、美人さんの父親が殺された事件が、出てきたからには気になるんだけど。
プロローグも、死体を隠すシーンというよりは捏造の時のように思える。続編とかあるのかな?
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初出の記載なく、書き下ろしか
人気の古代中国ファンタジー「僕僕先生」シリーズ作者の初ミステリー。
最後まで読まないとプロローグの意味がわからない。
警察の副署長福沢登は休日に考古学講座に参加していたが、退職の日に将軍塚古墳発掘現場の棺の中から市の文化財保護課の女性職員の絞殺遺体が発見される。
福沢は「つちくれさん」と呼ばれる土を見て遺跡を発見する発掘の有名人瀬山と知り合って意気投合し、瀬山がその教え子で被害者の同僚で恋人でもあった田中の逮捕に疑問を持って調べることに付き合う。
最後までわからない真相は意外過ぎる気がする。
瀬山は2000年の旧石器遺跡捏造事件を思わせる遺跡捏造を行なった設定になっているが、土に過去を問おうとして謎解きする瀬山の哲人的姿にとても共感する。
『岩宿の発見』の相沢忠洋に憧れた高校の頃を思い出した。
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★人の死に古いも新しいもあらへん(p.117)
■感想■
・出だしはなんとなく折口信夫の「死者の書」を思い出しました。
・なんとなく短編集だと思っていたら長編でした。
・なんとなくミステリと思っていましたが、殺人事件はあるもののミステリというよりも、スジのいい普通の小説という感じでした。
・いい作品を読んだという充実感はあります。
■内容■
・古代っぽい衣服を身につけた若い女性の遺体が古代の棺の中から見つかった。警察署副署長から定年退職して好きな遺跡探訪をしようと考えていた福沢登はつちくれさんと呼ばれている考古学者、瀬山紀芳と出会いその事件にかかわっていくことになった。
■一行目■
暗い夜だった。月も出ていない。街灯も照らしていない暗い場所に彼は立っている。
■キーワード■
【福沢登/ふくざわ・のぼる】長野県警長野東署副署長だが定年退職した。小太りで髪の薄くなった男。戸隠の近くに住む。子どもは娘と息子が一人ずつだが二人とも大学生で東京に出ている。遺跡巡りが趣味で大学の社会人向け講座に参加。
【瀬山紀芳/せやま・のりよし】考古学者。明子は「つちくれさん」と呼ぶ。関西弁。大貫の師匠。遺跡の概要と土をみたら何が埋まっているかわかってしまうマスターのようだ。酒好きだが下戸。愛車はおそろしく古い型のスカイライン(ケンメリ?)。若い頃はブイブイ言わせてたらしい。長野にはよく来るので貸別荘を借りているが本宅は奈良にある。
【三橋明子/みつはし・あきこ】つちくれさんの秘書だとか助手だとか。いつも黒い服を着ている。黒髪ロングで長身。他者にはすごく厳しく接するがつちくれさんだけにはとても優しい。なぜかとても尊敬しているみたいだが過去になにかあったのかも? つちくれさんの奈良の本宅の所有者でもある。
【幸恵/ゆきえ】福沢の妻。元看護師。合気道をたしなむ。
【考古学】やることが犯罪捜査にけっこう似ている。《考古学はね、本来捨てへん学問や。》p.103
■つちくれさんについての枝葉末節■
【浅尾みよ子/あさお・みよこ】「弓」の先代。客はみんなみよ子に恋をしていた。
【今を生きる】《今を生きる人間より尊いものはあらへんよ。》p.45
【海野治之/うんの・はるゆき】信濃光学研究所CTO(最高技術責任者)。
【大貫聡史/おおぬき・さとし】三十代なかばくらいの考古学者。京都大学准教授。福沢の参加する講座の講師。大胆な仮説と高い調査能力で大きな発見を続けている。
【外見】《内面は人がそう信じているようにしか理解できへん。せやけど、外見はごまかしがきかんからな》p.215
【鏡】銅鏡。《鏡の向こうには自分がおり。しかし触れることは決してできない。その向こうには異界が、神々の世界があると信じても不思議やない》p.100。なるほどなんで鏡が三種の神器に入ってるのかようわからんかったけどそう考えると当然なんやなあ。
【境/さかい】千曲市文化財保護課課長。
【死】《人の死に古いも新しいもあらへん》p.117。《捜査に関わると、人の死ですら仕事になる。》p.117
【信濃光学研究所】プロジェクションマ��ピングと遺跡を組み合わせた見せ物を開発した。もちろんそれだけではなく遺跡のリアルな3D映像出力技術を持っている。
【趣味】幸恵いわく《趣味は準備も片付けも自らの手でやってこそです》p.166
【須田泰江】信濃光学研究所第三技術課課長。捕まった田中に差し入れをしている。小学校の頃からの同級生らしい。雰囲気的には恋愛感情もあるかも。
【砂】《砂は水の中にあってもどこか乾いている。》p.7
【駿河武志/するが・たけし】長野県警長野東署の警官。現場主義で昇進しなかった。こわもてで口は悪いが福沢とは気が合った。プロファイリングという言葉がない頃からその手の技術を持っていた。
【高橋里桜/たかはし・りお】田中と親密な関係のようだと福沢は直感した。つちくれさんの亡くなった妻の妹の息子。甥ってことやね。
【田中勝則/たなか・かつのり】考古学のイベントの進行役。高橋里桜と親しい。
【調査】《でも結局、何かを調べるということは己のためなんかもな》p.222
【土】《土の深さは時の流れだ。》p.7
【奈良】どこを掘っても何かが出てくる。
【墓】《死者の魂をある定型の中で葬らねばならないという共通の認識は、時代によって異なるけど、その時代の中ではほぼ一定なんや。》p.106
【卑弥呼】日本人は卑弥呼好きでなにかあったら邪馬台国はここだと言いたがる。
【表現】《その事柄にあった表現の仕方、いうのがあるのかもしれん》p.211
【別荘】つちくれさんの長野での家。賃貸別荘。とても不便なところにある。《不便や。でも不便なところでないと生きていかれん人がおったんやろ。人間やのに、人の間に生きると難儀する厄介もんがおるいうことやわ》p.96。どうやら飯綱山の山腹にあるようだ。山頂まで二時間ほどとのこと。個人的に飯綱山はお気に入りの山で何度も登ったことがあるのでつちくれさんに親しみを感じる。
【松澤】長野県警長野東署署長。キャリア。そのつもりはなくても言葉が嫌みに聞こえる損なタイプ。
【三橋肇/みつはし・はじめ】明子の父。えげつない土建屋。近隣の政治家やヤクザをすべて味方につけていた。
【森将軍塚古墳】昔の棺に納められた最近の絞殺死体が見つかった。
【山】《クニを知るには山から見るのがいちばんええのや》p.102
【弓】福沢行きつけの店。女将は由美で三十代なかばのふしぎな顔つきの女。権堂という繁華街にある。
【歴史】《歴史を作るのは現在を生きる人間だ。》p.8