紙の本
透明感と浸透性
2004/03/30 15:19
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投稿者:KAZU - この投稿者のレビュー一覧を見る
村山由佳さんの作品に出会うきっかけとなった本書。現在僕はオーストラリアに移住し、趣味でオーストラリアに関係する書籍のコレクターをやっている。それらの書評は自分のHP、(http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2941)に掲載しているが、本書はフィクション系のオーストラリア関連書籍の中で群を抜いて輝いている。
本書を読むと、オーストラリアの海とそこで繰り広げられる人間の心のふるえを肌で感じることができる。文章が透明感を持ち、そして心に染み入る浸透性が高い。村山由佳さんの心がそのまま僕の心に共振して、深い感動を得るのである。
本書を読んだあと、「きみのためにできること」、「野生の風」、「天使の卵」、そして「おいしいコーヒーの入れ方I〜V」を読んだ。現在「翼」を読書中である。村山由佳さんと同年代の僕だからこそ理解できる内容も多いと感じているのだが、もう引き返せないところまで来てしまった。村山ファンというよりは、村山フリークとなってしまった感があるが、これからも作品を通して僕の心をピュアーな状態に戻して生きたいと思っている。
紙の本
ピュアな愛の物語
2002/02/04 10:12
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投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
両親の離婚が原因で言葉を失った里緒は、治療に効果的だというイルカとの交流を求めてオーストラリアにやってきた。里緒は研究所でイルカの世話を手伝いながら暮らしている。島にすむ老チェリストJBは、彼女のチェロの才能を見出し「フェルマータ(音楽記号で任意の長さで奏唱することを示す)・イン・ブルー」という曲を贈る。彼女はそんなJBに恩師への思慕以上の感情を抱くが、彼女の将来を憂えるJBは里緒の想いを受け入れることができない。しかし本当はJBも…。
心に傷をもった島の人々、そして野性のイルカとの交流を通して、里緒はじょじょに癒されてゆく。心の傷を隠しひたむきに生きる者、またそれを隠すあまりに屈折した感情表現をしてしまうもの…。人間味溢れる登場人物たちの魂のふれあいを描いた、ピュアな愛の物語です。
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言葉を失った主人公が治療のため、オーストラリアで生活する。
島でのイルカとの生活、綺麗な青い海、チェリストJBとの関係・・・。
恋愛小説でもありますが、私はこの本を読んでいる間「青」のイメージが浮かんでいました。
それはこの作品の中で、海が多く登場するからでしょう。
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村山さんらしい暖かな作品。
結局、何度読んでも何が言いたいのかよくわからないけれど。
オーストラリアの海を知っているので、海に抱かれる感覚はよくわかります。
いつかイルカとともに泳ぎたいと思ってしまう作品です。
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村山由佳さんの本。
青い海、弦楽器、若い女性、えちぃ展開、etcと、自分の好きな要素満載です。全体的に開放的な雰囲気なのもGood。外国っていいですなぁ。
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声を失ったりおが、イルカと、チェロと、その土地の様々な人々との触れあいでだんだん声を取り戻してゆくお話。最後、りおが電話で声を発するところで涙が出ました。
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『超』王道を驀進する作品。
喋ることの出来なくなった少女の心を描く名作。彼女の心をえぐる出来事に自分の心もえぐられた。
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村山作品4本目なのですが。
……心に傷を負った主人公の「再生」を偉大な自然の風景と共に描く――というパターンがすべてに共通していて、さすがにワンパタなんじゃねえのかという気がして来ました。主人公の恋人役はどうしていつもいつも年上なんだろう、とくに女性主人公の時はだいぶ離れた年上になるんだろう、趣味なのかなあと勘ぐってしまったりとか(笑)
いや、そんなケチをつけずとも、面白いことは面白いんですが。主人公が自分に贈られた「フェルマータ・イン・ブルー」という曲を演奏するシーンや、野生のイルカとともに海を泳ぐシーンなんて、透明感があってとってもキレイだし。
この人の小説はやっぱり最初に読んだ「すべての雲は銀の……」が一番好きだなあ、と思います。男性主人公だからかなあ。そうかもなあ。(2004/9/17)
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文章や物語は平凡だけど、とにかく村山さんらしい情景描写の綺麗なお話です。人に傷つけられた心が、人によって(作中ではイルカも1つの要素ですが)ふさがれます。主人公の「里緒」の周りにいる人達のやさしさが身にしみました。疲れてるときに読みたい癒し系の本です。
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村山由佳作品で最も好きな一冊。美しい自然と心に傷をおった人々の交わり。高校生の頃読んで泣きじゃくった記憶があります。
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両親の不和、離婚から言葉を失った里緒は、治療に効果的だというイルカとのふれあいを求めて、オーストラリアの島にやってきた。研究所のイルカの世話を手伝って暮らす彼女に島に住む老チェリストJBが贈る「フェルマータ・イン・ブルー」の曲。美しいその旋律が夜明けの海に響いたとき、海のかなたから野生のイルカが現れて──。心に傷を持つ人々が織りなすイノセントでピュアな愛の物語。
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ストレスで声が出なくなってしまう主人公。イルカセラピーを求めてオーストラリアの島でのお話。複雑な恋愛小説ですが・・・ちょっとエロィ。(中学の読書感想文の題材にした作品なんですけどね・・・)
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舞台は日本から遠く離れた、オーストラリアの孤島。
日々の精神的ショックから言葉を失ってしまった主人公のリオ。そんなリオがこの島を舞台に、時には深く傷つき、時には心を開きながら自分の心の傷と格闘していくストーリーです。
この物語で重要となってくるのが大自然の海と、その海を住処とするイルカの存在。野生のイルカと出会う事によって、リオは少しずつ自分の心の拠り所を見つけ出し心に余裕を持っていくんですね。けれど、途中でリオの心の傷をさらに深くするような悲劇もあって余計に現実の厳しさを痛感させられる作品でもあると思います。
友人でありリオの隣に住んでいる、アレックスとダグラス。
チェリストであり、いつもリオを近くで支えてくれる優しいJB。
精神的な病を持ったまだ幼い少女、キャロル=アン。
そして、何度も傷つけられ大嫌いだったはずなのに、いつの間にか惹かれてしまう、ゲイリーの存在・・・・・。
日本にいては決して体験する事の出来ないような島の自然の美しさも、実際に現地に行きイルカと接したりもした村山サンの書く文章がより現実味を与えてくれて、美しい風景が頭の中をよぎります。
自分の心の傷とは、どのようにして向き合えばいいのか?深く考えさせられ、最後は傷ついたリオだからこそ、これからは光に向かっていける。そう思い優しい気持ちになれる作品。イルカの持つ不思議な力にも、非常に興味をそそられました^^
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これもすごく好きです。オーストラリアに行ったりしてずいぶん自然に触れ合ったせいもあるかもしれませんが、自然というものがすごくありありと目の前に浮かんで。切ないお話ですが、どこかに救いのある穏やかな小説だと思います。フェルマータばかりの楽譜、素敵だと思いませんか。
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以前、図書館でハードカバーのを借りて読んだので、筋は知っていた。でも、また新鮮な感じがしたし、以前とはまた違う印象を持った。小説の途中で出てくるさまざまな言葉がすごく心に響いた。