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考古学を勉強したい人にはオススメできる一冊だと思います。
本書は考古学を人類学の一分野として位置づけているようです。日本では、歴史学の補助分野として位置づけられることが多いので日本考古学を勉強している人たちには興味を持ってもらえる一冊ではないでしょうか。
しかし、目からウロコ・・・というわけではありません。日本考古学の歴史だけを勉強していたらウロコかもしれませんが、「考古学」の学史をしっかり勉強している人ならば、民族学や理化学的方法との兼ね合いなど既に知っている内容がほとんどではないでしょうか。
しかし、あえて本書を読む価値があるとすれば、内容の読みやすさかもしれません。私は集中力が途中で途切れたりしてしまって、しっかり内容を覚えているわけではありませんが、しっかり読めば日本の考古学入門書ではなかなか触れられない、トムゼンの3時代区分法なども含めて知ることができるでしょう。
それにしても、パレオ民族学って何・・・!?
目次
はじめに
1章 人類学としての考古学
1考古学の歩み
2考古学の目標
2章 物質文化の分類
1型式的タイプ
2形質的タイプ
3機能的タイプ
4一時的タイプ
5認識的タイプ
3章 年代測定について
1放射性炭素14による年代測定
2カリウム・アルゴン法による年代測定
3年輪による年代測定
4組み合わせによる年代値
5連続
A色調
Bポンティル・マーク
Cガラス器のつぎ目
4章 自然遺物からの生活復元
1動物の遺存帯
2植物の遺存体
5章 生活様式と環境
1大平原ノショショニ族
2考古資料の基本条件
3調査計画にあたり
4リーズ川流域の調査
A時間的指標
B分析
Cリーズ川流域の生態学的研究
D自然と人々のつながり
6章 行動考古学
1行動考古学の実例
2石器づくりの実験
3ダニ族の石器づくり
4石器の分析
7章 文化過程の研究
1法則
2科学的な方法
3旧大陸における農耕の起源
4文明のあけぼの
5さまざまな研究仮説
8章 パレオ民族学の範囲
あとがき
索引