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注意事項①京極夏彦氏の妖怪シリーズ風を期待してはいけません。まったく文体違います。
注意事項②これはミステリではありません。ギャグというかパロというか……お笑い?
注意事項③お相撲さんを愚弄する人は許せない!…という方は読んではいけません。
注意事項④逆に、お相撲さんやむっちりしている人を生理的に受け付けられない人も読んではいけません。
注意事項⑤………夏に読むのはやめた方がよいですよ…?
………こんなものかしら…?(まだありそう…)
ともかく。
世にも有名な赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件、その夜討ち入りしたのは実は……という第一話『四十七人の力士』から始まり、『パラサイト・デブ』、『すべてがデブになる』、『土俵(リング)・でぶせん』、『脂鬼』、『理油(意味不明)』、『ウロボロスの基礎代謝』と7話すべてが、有名小説のタイトルのみをパロったとても暑苦しい熱のこもった作品になっております。
その為か各タイトルの次頁には、そのパロ元の作者サマに対しての謝辞・注意書きが書かれています。それぞれ違うという芸の細かさ(笑) さすが…!
それと、各話ごとに著者名が異なっている点も、なかなかに芸が細かい…。これは第一話から順に読んでいくことで意味が通る仕掛けになってますので、読むのならちゃんと第一話から読んでくださいませ。
おそらくコレを読んだ後の反応は笑うか怒るか、のどちらかになると思います。
私はというと、もちろん笑いました♪特に気に入ったのは「脂鬼」。
ネタ元の小説「屍鬼」を読んで知っている所為もあるんですが、このテンポと馬鹿ばかしさが非常に好きです。そしてタイトルページにある帯の文句がイイんだ!
「尋常でない。何だか太っている―」
「腹周りが太い。首周りが太い。二の腕が太い。太腿が太い。指先まで太い。完全肥満。くびれなし!」
つっこみどころが多すぎて、何が何だかわからない(笑)けれどなんかイイ…!
話の裏とか深い理由の類はまったく考えず、ただひたすら笑いを求めている時にオススメです。
追記>先日、ノベルズ版を手にとってみてみました。装丁がちょちょいと変っていたり程度かな~…と思いきや。
しりあがり寿先生の4コママンガが新作に変ってますよ…!(大笑)
気になった方は両方見てみてください。是非!!
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ギャグ。おすもうさん小説。短編集。
なーんにも考えず、読んでいた。
有名作品のパロディな題名の話。
編集者と作家のやりとりのテンポがすき。
特に、『すべてが~』の二人。
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地響きがする―と思って戴きたい。
原型をとどめないパロディ。
全て、おデブのお話なので酷く暑苦しい。
―しかし、何度読み返しても好きである。
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新たに短編が始まるごとに、前作がこき下ろされる入れ子構造になっている。わざと下らなく書いていると言っているわけだが、どこか似顔絵を描いた漫画家が欄外に書く「にてね〜」のようである。作品で笑わせるのは、怖がらせたり、感心させたりするより難しいのだと思われる。
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2000年発行、集英社の単行本。7編。短編連作。前半2編ぐらいと、より後とで多少テイストが異なる。2、3作で挫折したという人がいるのも頷ける。気になるのはどういう意図でこの作品を書いたのか。題名以外はパロディっぽくはないから、ギャグ作品を書きたかったようにも見えるが、単にテイストがギャグなだけで、他の意図があるようにも感じる。ちなみに私は元作品を知らなくても充分楽しめました。
収録作:『四十七人の力士』、『パラサイト・デブ』、『すべてがデブになる』、『土俵(リング)・でぶせん』、『脂鬼』、『理油(意味不明)』、『ウロボロスの基礎代謝』、
初出:「四十七人…」『小説すばる』1996年1月号、「パラサイト…」『小説すばる』1996年6月号、「すべてが…」(前編)『小説すばる』1997年1月号、「すべてが…」(中編)『小説すばる』1997年2月号、「すべてが…」(後編)『小説すばる』1997年3月号、「土俵…」『小説すばる』1998年3月号、「脂鬼」『小説すばる』1999年3月号、「理油…」『小説すばる』1999年7月号、「ウロボロス…」書き下ろし、