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旧家香山家に代々伝わる家宝、『天地の瓢』と『無我の筺』。鍵のかけられた無我の筺。その鍵は、割らなければ取り出せないと思われる天地の瓢の中に入っている。 パズル好きな儀同世津子からその筺の事を聞いた西之園萌絵は、謎解きをはじめた。50年前に、その筺を開けた香山風采は謎の自殺を遂げたという事実。そして今度は、その息子である林水が死体となって発見される。
密室の謎と秘宝の謎、そして二人の死の謎。 少々複雑な心理が働いている事件でした。 トリック解明にいたる途中、かなり強引だなと思う所も・・・ サイドストーリーには、妙な動きが・・・。おいおいと、突込みを入れたくなりますが、そこはあの萌絵のキャラクターってことで(爆)
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犀川萌絵シリーズの5作目なのだけど、順番に読んでないので二人の関係がわからない。でもって、萌絵の性格にむかつく。うーん、あーいう感じって男性は好きなのかな? まぁ色々ん?っては思ってたけど、たちの悪い冗談の悪趣味さに辟易。少なくともあーいう冗談を思いつく人間が優しいとか、愛情深いとかっては思いたくない。
トリックも、思わず「おいおい」って突っ込みいれたくなったよ。
とはいえ、のりかかった船なので(?)他のやつも読む気だけどさ。でも定価じゃ買わないよ。
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教育には水が流れるような上下関係がある。しかし、学問にはそれがない。学問にあるのは、高さではない。到達できない、極めることのできない、寂しさの無限の広がりのようなものが、ただあるだけだ。(p.80)
一人暮らしの単調さが自分らしいと信じていた。ソフィスティケイトとは正反対の洗練がある、と考えた。けれど、この世に生きていれば、複雑と詭弁から逃れることは不可能だ。単調さは、学問の中にしかない。(p.168)
日本の美は、だいたいその七五三のバランスだ。シンメトリィではない。バランスを崩すところに美がある。もっと崇高なバランスがある。(p.269)
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ここ2冊、あんまり感心しない読書体験をしたためか、この1冊はとても気持ちよく読むことが出来た。気持ちよく読んだ後で、結局この作者は、本格ミステリをつくっているわけではないんだなってことに、初めて気がついた。確かに彼の作品を次々読んでいくと、本格ミステリとしても気持ちよく読めるものが多い。特にすばらしいロジックと大胆なトリックを含む作品がいくつかあるから、ますますそういう印象になる。でも、たとえば二階堂黎人のような感じで、トリックにこだわっている気はしないし、有栖川有栖氏のような感じで解決へのロジックを組み立てている気がしない。
今回の物語も、解決に至るロジックとトリックは、非常におもしろかったものの、なんというか「それはないんじゃないの?」というがっくりを含んでいた。ひとつには「その知識がない限り無理だよ」ってものだったし、もうひとつは「ちょっと嘘くさいけど、君がそういうなら許す」って感じであった。まあ、それなりに納得も出来たし、おもしろかったから、それはそれでいいのである。
ただ、僕に関する限り、読み進める原動力になったのは、ぜんぜん事件の展開など「本筋?」ではなかった。「本筋」に「?」をつけたのは、作者自身が何を本筋と思って書いているかに疑問が残るからで、僕のような読み方することを、確信犯としてねらっているようにしか思えない。これは悪い意味で言っているわけではないのだけど。で、まあちょっと「ひねくれた」恋愛小説として読めば、これがなかなかおもしろいし、いくつもある作者の仕掛けに翻弄されるのが楽しいのである。絶対に、これは「本格ミステリ」なんかじゃない。本格ミステリの形を借りているけど、本当はもっと広い意味でのワクワクと驚きをいっぱい含んだワンダーランドである。
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まず、やたら犀川&萌絵の話が多くて驚いた。いや、推理どうとかも面白いのだが、この犀川&萌絵の話はなんだか、ミステリーである事を何度も忘れさせて、若くない恋愛小説の様なイメージを与える。なんだろ、この二人の話が増えたのは面白かったのだが、お前さんたち、夫婦漫才やってないで早く推理しないか!とか言いたくなる始末。
で、肝心(?)のミステリーの方は、中に入っている鍵より小さい口を持つ壺と、その鍵で開く箱、その二つが殺人現場で発見されて、凶器が見つからない。このトリックは非常に面白かったが、馬鹿馬鹿しいとも言えた。その馬鹿馬鹿しさに振り回されたのだから、読者として感服するところなのだろう。でも、今までで一番ミステリーとしては面白かったと思っている。と言うより、僕の性にあったようだ。
そう言えば、今回理系やら天才は登場しなかったな。それだけでも、森博嗣ミステリーの魅力に欠けてしまうところがあると思うが、それを補うかのように、前述のキャラクター小説やら恋愛小説のようなものごとが多すぎて、逆に気にならなかった。
それにしても、森博嗣は理系の癖に何故にあれほどに台詞のテンポがよいのだろう。いや、変な話、あの台詞のテンポの良さはドラマよりもアニメ・漫画を彷彿とさせられてしまう。それも森博嗣の魅力なのかもしれないが、まぁ、萌絵という人物自体がその性質を帯びている事を見ればすぐに判る事か。
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エイプリルフールの嘘から始まる犀川の行動にはびっくりしましたよ、本当に。いきなりかー!っていう。
密室とか家宝の謎とか吹っ飛びました。
そこでそれを持ってくるか、という感じでした。
まあ謎の正体にもびっくりしたんですけども。
色々な意味で変化球を投げまくられた感のある作品です。
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懐かしい気持ちがする密室でした。
森氏らしい理数系トリックとなるものでしょうか。
たぶんこのような作品が他にもあるかもしれませんね。
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ミステリーよりも、登場人物の人間関係の描写が面白かった。事件と、萌絵と犀川のやりとりが個人的にシリーズの中じゃいちばん好きかも。個人的には萌絵と諏訪野が犀川をだますとこは、私も犀川ばりに悩んでしまった。これからどーなっちゃうの??と(笑)
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シリーズ第5作目です。
岐阜県にある旧家を舞台に事件が起きます。モティーフは、パズルと禅でしょうか。
萌絵ちゃんのせいで、犀川先生が大変なことに…?
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まずタイトルがいい。今回の最も秀逸だったのはパズルの概念かな。ただ、無為を悟らせようとする意図を持つなら何度もやり直せるものより、一度解くと二度とできないものにすべきだったのでは…で、解いた者は同じ物を作っていくという風にする方が哲学的だと思う。
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S&Mシリーズ第5弾。
密室の謎と家宝の謎は、理系ならではの推理が必要。ってことで、そんなの知らないよーっ!と言ってしまうこと請け合い。
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S&Mシリーズ5作目。このタイトルがすばらしいですね。密室の謎に関してはわかったんですが、もうひとつの謎に関しては最後までわかりませんでした。まぁ、それに関する知識がなかったから。。。と言い分けさせてください。SとM(主人公の二人)の関係に大きな変化が起こる作品です。
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S&Mシリーズ一区切りの第五巻。ミステリパートより恋愛パートの印象がどうしても強くなってしまう巻。
犀川の突飛で破滅的な行動と思考回路にくらくら。吹っ切れるとこうも違うものか。最高。
ミステリパートは鍵と箱の仕組みが素敵。実際にこんな箱を持ってみたいと思わせる。日本人の精神について犀川が語る部分もよい。
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僕がS&Mシリーズの中で一番好きな作品です。事件の真相も、これぞ理系!って感じで凄いんですが、違う所で衝撃を受けました。犀川の行動が格好いいです。ちなみに、前半5作のメインは犀川ですが、後半から萌絵がメインになります。
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犀川と萌絵の関係に変化が。。。
一部を見るとラブストーリィを読んでいるような印章を受けます。
トリックはあんまり好きじゃないかなー個人的には・・・。
こちらも洋題が素敵。