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フランスの貧困と社会保護 参入最低限所得(RMI)への途とその経験 みんなのレビュー
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紙の本
フランスの代表的な社会保障制度「参入最低限所得(RMI)制度」の内容と実態を解説する
2000/07/17 09:16
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投稿者:ブックレビュー社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1985年以降に失業率が10%を超えたフランスでは,88年に失業・就業にかかわらず最低限の所得手当を支給する「参入最低限所得(RMI)制度」が施行された。この制度の特徴は,単なる所得補助にとどまらず,住宅,医療などの社会的参入と,失業者に対する雇用の確保という職業的参入の援助に力を注いだことだ。つまり,貧困の日常化がもたらす様々な市民権の弱化・剥奪という「社会的排除」の予防にも目を向けたわけだ。導入から10年で受給者は200万人を超え,高齢者・障害者などを対象にした所得補助制度を合わせると,全人口5800万人の1割以上に当たる330万世帯600万人が何らかの公的援助を受けて生活を維持していることになる。
本書は「生活の自助原則」意識が強いフランスで,どのようにしてRMIの創設が可能になったかを明らかにしながら,貧困者への社会保護のあり方を提示する。長引く不況で若年層を含めて失業者が増加している日本で,今後どのような雇用政策や公的扶助策が必要なのかを考える上でも参考になる本だ。
(C) ブックレビュー社 2000
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